そうなると、
予定してた、献立は、明日にして、
ありあわせのモノで、済ます、
ありがたい時間を、満喫するために、
お八つと、飲み物をかかえて、
急い で、二階へ上がっていると、
ひょっこり、妹がやってきた、
いい、タイミングだ、
階段の下から、
先日の幣立神宮詣での話を
はじめる、
「ねぇ~・・、 ほんとに行ってよかったよ~!」
「 そうだったんだって?」
下に下りると、
話したい事が 山ほどある、という顔で待っていた、
「それで、それで、よかったでしょ!
幣立神宮、」
「 そう~、よかった~!、でね、不思議なんだけど、
手合わせて、さて、と思ったら・・・・
なんにもアタマに浮かんでこないわけ、」
「 なんにも、って、お願いごとがってコト?」
「 そう・・・・、」
「 それで いいんだって、
ほんとのお詣りはね、
“ これから私は、こういうコトをやります ”って、
約束するために行くんだってよ、」
「へぇ~・・・」
「 うん、で、次行く時は、こんな風にがんばってます、
という報告になるんだって、」
「 そうなんだ・・・、知らなかった!でも、よく知ってるね・・・」
「 一万五千年の・・・に、書いてありました、」
「 じゃ、お願い事しなくて、正解?」
「そう、知らないのに、ちゃんと やってたというわけよ、」
「 ほぉ・・・お導きでしょうか、」
「神様のね、」
不思議なものを、よく見る姪は
御手洗の脇にある、水田の畔に
うす黄の、衣をまとったおじいさんが
見えたそうで、
他のメンバーには、見えないその老人が
いったい・・・ダレだったのか?
「 私も見たよ、あ、S君と二人で 見たんだ」
「見たの? その、おじいさん」
「 じゃなくて、龍!」
「 龍?、どこで?」
「 帰りのクルマの中から、阿蘇の山の上に、」
「へぇ~、 みんな見たの、」
「 二人だけ、他は みんな寝てたもん、疲れちゃって」
「 でしょうね、ノニさん言わなかったから、」
「 白い雲の龍よ!、ほ~んとに龍だったんだから、
だってね、
胸のトコに、丸い玉があったから、ほら、
あれ、ナントカっていうよね、
その玉がね、ぐるぐる渦巻いて動くのよ!」
「 ほぉ~~・・・!」
「 あのさ、あの掛け軸の龍の玉も、渦巻きに描いてない?」
「 え、あれ・・・そうだった?」
急いで、ふたり二階へ行く、
私の部屋の、PCの真ん前、
壁に、ド~ンとぶら下がっている、白龍の掛け軸、
ずっと、箱の中に収めて大切にしてきた、
私の宝物、
去年、おんなじ龍の雲を見て、飾ることにした、
見ると、
たしかに、たしかに、
白い龍は、三本の爪で、
しっかり、渦巻く玉を 握っていた、
「 ほぉ~らね! これ、ぐるぐる渦巻きに描いてあるでしょ、」
「 ほんとだ!・・・・・」
「 こんな感じよ!、龍の身体のとこは、動かないわけよ・・・
この玉の雲だけ、真ん丸で、
ぐるぐる回ってたよ、
・・・・・・すごいねぇ~て言いながら、
見てた、長いこと廻ってたよ、」
「 八大龍王神社にも、お詣りしたから、
・・・・・そうなのかもね、」
「 そうだと思う、」
「 よかったねぇ~!、S君、すごいね、」
「 でしょ、ずっとクルマの中で、
面白い話ししてくれるんだけど、ほら、半分も
わからないわけよ、」
「えぇ、・・・もったいない、聞きたい その話し」
「 明日、お店にくるって、
お姉ちゃんも、おいでよ、言っとくから、」
「 ほんと!」
ということで、明日はSくんと、スピ三昧の話を
することに、
これは、盛り上がりそうだ!
「 モチ、もってきなさいよ、
マサアキさん、好きでしょ、大豆煮たのもあるけど、
・・いる?」
「 うん、頂戴!
あ、おねえちゃん、これ、履いてっていいかな、 」
「 いいけど、どうして?」
「 これね、けっこう音がするのよ、コツコツ・・・・
もう、遅いからさ、」
そう言って、玄関に寝そべっている
とんでもなく長いブーツを、二つ折りにすると、
サンダル履いて、妹は、
帰って行きました、
ただ今、午前三時、
いつもどおりだな。
つづく