まちがいなく、時間が 早くなってきてる、 | すずめがチュン

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アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

「 ね、そう思うでしょ!」


  「 ・・・・・うん、腹がへるのが、早いな」



 早くも、脱線してる モアイさんの返事、


「 腹がへるって・・・?」


  「 朝、おきた時、ペコペコなんだよ」


「 ふぅ~ん、」


  「 昔は・・・こんなことなかったなぁ・・とにかく


    腹へって、目が覚めるって感じだ、」


「 それはね、」



  早く 寝すぎるからですよ、


   9時に寝て、7時に起きる、なか10時間、


  これじゃ、お腹すきます、


    ダレだって、



「 夜中、トイレにおきてるじゃない、そん時


  なんか、食べればいいでしょ、」



  「 だろ、だから、モチつこうか!」


「 ・・・・・モチ!」


  「 うん、モチ・・明日、」


「あしたって、明日?」



  なんで モチで、なんで明日なのよ、と


    聞かないうちに、


   どこかに行ってしまった、モアイさんは、

 

    すぐに、


   もち米、10キロ袋をかかえて戻ってきた、



「 それ、いつ買ってきたの?」


  「 きょう買ってきた、


    クルマの中に置いてた、」



 ああ、そうですか、


  ・・・という事はですよ、


   私が 何の話 しても、


    ・・・・モチつこう、と言うつもりでいたわけだ、



   道理でね、


  いつもは、話しかけても、


    聞いてるのか、聞いてないのか、



  珍しく、返事したと思ったら




   とまぁ、こういう事で


    ま~た、モチを搗くことに、



「 手伝いなさいよ!、ちゃんと・・・・暮れに搗いた時は


  大変だったんだから、一人で! 」


   「はいはい、」


   “ 二回返事は、信用するな ” てね、


 念のため


   カレンダーをチェック、


    ゴルフの予定は?・・・入ってないな、


  どうやら


    ほんとに手伝う気でいるようだ、

   

      そんなに食べたいのか、モチ!



  ひょっこり遊びに来た、


    ケイさんの手も借りて、


     翌日、一日かかって搗きあげた、



    餡子いりの、芋モチ、30個、


    桜えびとの入った、のしモチ2本、


    ふつうの、のしモチ12本、



  時間はかかるけど、昔ほど大変でないのは確か、



     餅つき機をしまいながら、


    これひとつに、杵や臼やセイロまで収まってることに


     すごいよね!と


       改めて感動、



  こんな機械、昔の人に見せたら、なんて言うだろうね、


   と、思わず つぶやくと



  「 昔の人って?」と、ダレかが 答えた、


「 私が小さい頃、ほら、杵や臼つかって 餅つきしてた頃の


  人たち、」


  「 50年くらい前の?」


「 そう、」


  「 そりゃ~、びっくりするだろうね」



「 50年で・・・・、すごいよね!、


  考えてみたら、今 普通に使ってるものは、


   そのころ、なかったものばかり!」


  「 そう!」


「 もう、当たり前すぎて、ありがたいなんて思いも


   しないけど・・・・」


  「 しないの?」


「 いや、こんな風に改めて考えると、


  有難いなぁ~、って思うけど、」


  「 いつもは、忘れてるわけだ、」


「 そう、だって、あまりにもそんなモノばかりで・・・


  マヒしてるのかな・・」


  「 というより、すぐ慣れるんだね、人って」


「 ありがたい!って、感覚に?」


  「 そう!、便利さにも、不自由にも 」


「不自由にも?」


  「 うん、」



「 不自由なのは・・、どうかな?・・・・気もちまで


  不幸になりそうな気がするけど 」


  「 不幸ね、」


「 だって、今ふつうに使ってるものが、使えなくなる、


  と考えたら・・・」


  「 50年前に、戻るわけだ、」


「 そう・・・ほら、思っただけでも憂鬱になってくる、」


  「 で、不幸になるんだ、」


「 うん、多分ね」


  「 じゃ、50年前のみんなも、不幸だった、てこと?、」


「 ・・・・・・」


  「 自分は、どうだった?」


「いや、そんな事はなかった、ふつうに・・・」


  「 楽しい事も、嬉しいこともあった、とか?」


「まぁね、 そこそこに、・・・・」


  「他の人達は、どう?」


「 大体、おんなじような ものだと思う、」


 でもねぇ、今の方が絶対幸せだと思ってるよ、みんな、」


  「 どれくらい?」


「 どれくらいって・・・、比べようがないくらい、


 便利だから、今は、」


  「 便利ね・・・・」


「 そう、」


  「どれくらいだと思う、その便利さ、


   あの頃と比べたら、


     ・・・・10倍、100倍?」


「 もっとかもしれない!」


   「 じゃ、一番ひかえめに、十倍として、


     ・・・・今、十倍、幸せになってる?


     あの頃と、比べてさ、」


「 ・・・・・・・」


   「100倍だったらどお?、100倍幸せになった?」


「 それほどには・・・・」


   「 ね、あんまり・・・・」


「 変わってない・・・・」


   「 そうでしょ!・・・何故だと思う?」


「…慣れ?」


   「 それもあるけど、もっと大事なもの」


「 なんだろ?」


   「物指、これを持ってるんだよ、みんな」


「モノサシって、あの物指?」


   「 そう、これが優れもんでね、正確無比かつ、


     ブレがない、


    但し、ひとりひとり、目盛がちがうから、


    他人は測れないし、


    他人の、物差しも使えないけど、」


「 自分だけのモノ、ってわけ、」


   「そうそう、でね、この物指のいちば~ん、スゴイとこは、」


「 なんですか?」


   「 本質を、計ってくれるということ、」


「 というと?」


   「 余計なモノや、ことに煩わされることなく、本質を計れる」


「余計なモノって 、例えば?」


   「 ほら、さっきまで話してた、便利さとか、豊かさとか、


    欲とかに、ゴマかされないで、ということ」


「 少し、わかってきたような気がする、」


   「どんなことが、」


「 その物指を、使ってるってこと、無意識にみんな、」


   「 そのとおり、」


「不自由だった昔の人も、便利なはずの今の人も」


   「無意識に使ってる」


「 おお、すごいじゃない!、人間て」


   「 うん、すごいんだよ、人間て」


「・・・・時々、物差しのこと忘れるけどね、」


   「 忘れないように、すればいいよ、」


「 どうやって?」


   「 比べなきゃ、いいんだよ、」


「 ひとと?」


   「 それも、全部、なにもかも、」


 

   そうか、比べない・・・・ね、


  

一日置いて、


  翌日の夕方、


   近くにいる父と母にも持って行った、



  いつも見上げる 明星さんのすぐ横に、


    月がある、細い 下弦の月、


   あんまり近くにあるので、


    ウィンクしてるように見えた、



  そう言えば、ダレかのブログで読んだけど、


    明星さんとお月さんは、やがて


     結婚するらしい、


    なんてね。





    つづく