あ~ぁ・・・とため息をつきながら、
ベランダから眺める空には、
雲ひとつなくて、
風はあるけど、暖かい、
いつもは、上に昇る桜島の噴煙も、
きょうは、風に吹かれて、
のんびり横に伸びている、
こんないい日だったのに!
行きたかった・・・
と、いつまでも未練がましい 自分が
まだアタマの中で、ブツブツ言ってる
いちいち、もっともな、その言い分に
そうよそうよ! と頷く、たくさんの自分もいる
すると、
今日は、よき事を始める、よき日のはず、
このままでは、
よき事を 始められなかった、残念な日!に
なるよ、と呟く声がした、
振り返ると、いつの間に現れたのか、
“ 必殺意味づけ仕事人”の姿が、
「 あれ、いつ来たの、気づかなかった・・・」
「 最初から、ずっとここにいたよ」
「 そうなの・・・、じゃ、だまって聞いてたんだ」
「 うん、とても、ぼくの出番なんかない感じだったよ」
「 そんなに?」
「 みんなで、ワァワァ言って、ちょっと静かになったから、
・・・もう そろそろ、いいかなと思ってね 」
「 まぁね、もう十分・・・言ってもしょうがないし」
「 よき日なのにねぇ、」
「 それは・・・ないでしょ」
「 よきコトを、やったんだから、良き日だったんだよ」
「よい事って・・・・何を?」
「 まだ気づかないの! 良き判断、 」
「ん?・・・」
「 行かない方がいい、と決めたことさ」
「はぁ、…そう言われると、そうだけど」
「 ひょっとしたら、行ってたでしょ、無理してでも、
ちょっと前の、自分だったら どぉ? 」
「 そうかも・・・しれない」
「 薬、飲んでいけば何とか、行けたかもしれないよ、
でも、止めた・・・・・どうして? 」
「 さぁ・・・たぶん、迷惑をかけることになったら、というのが
一番の理由だけど、」
「 それだけ?」
「 そういえば、その時、チラと思ったことが・・」
「 何を、」
「 今 こうやって、どうしよう?と思ってる事が、何かを始める、の
ナニか、なのかなって 」
「 ほぉ、なるほど、」
「 つまり、決めるという行為、」
「 ふんふん」
「 決めたら、それを信じるという事、
そうだ!・・・・、そう思って、行かない、と決めたんだ、 」
「 ほらね、」
「 でも、そのあとがね・・・・・ぐじゅぐじゅと、さっきまで、」
「 今は?」
「 今は、・・・はっきりとわかる 」
「 ナニを、始めたかが?」
「 そう!、自分が今日、ナニを はじめられたか!」
「 じゃ、間違いなく、良き日だったということも 」
「 そうです!、」
心から、そう思えたのでした、
まもなくノニさんも帰ってきて、
聞けば、全てが よいコトの連続だったようで、
神宮では、拝殿に上がり、偶然、五人だけの
神事になり、
それぞれに 戴いた、玉串を
奉奠し、
春田宮司さまの、一二三の祝詞も、
と、ここまで聞いて、
よかったねぇ!を通りこして、スゴいね!
「 たぶん、連れてってくれた人がよかったのよ、
Sさん、真面目に神主さん目指してる人だから、
・・・・なんか神様に、通じるものが、あったんだ 」
「 そうか~」
「 よかったねぇ・・」
「 そういえば、お弁当食べてる時、Sさん言ってたよ、
『 今わかった、結局五人になったのは、五色人様を
祭ってあるところだからかな、』 って、」
「 へぇ~・・・なるほどね、」
次、行く時は、絶対 五人以内にしよう・・・
それにしても、
春田宮司さまの、一二三祝詞、聞きたかった!
「ほんっとに、・・・・これだけは残念!」
「 そんなに、」
「 そうよ・・・・地球隠れ宮一万五千年のメッセージ、バッグに
入れてたんだから、ナイショで 」
「 なんのために? 」
「 なんのためにって!・・・・・サインもらうためですよ 」
「ムリ、」
「 いや、五人だけで・・・とか言ってたじゃない、」
「 だから・・・それはね、
「ナニ?」
「 つまり、こういう事なんじゃないかな」
「 あ、ちょっとまって」
これはいいです!
もらえなかった意味づけ、してくれなくて
仕事人さん、
サイン、いつかもらいたいんです私。
つづく