新潟でフラッグフットボール、アメリカンフットボールの普及を目指す -25ページ目

新潟でフラッグフットボール、アメリカンフットボールの普及を目指す

新潟でフラッグフットボールとアメリカンフットボールの普及を目指しています。
フラッグフットボールの力でいじめや不登校の無い社会と豊かなスポーツ文化を。
スポーツとビジネス関係の話題を中心に更新したいと思います。

高校での硬式野球、大学でのアメリカンフットボールの経験と、経営工学、経営学の視点を組合せて「人材的、環境的に不利なチームが勝つにはどうするべきか」について考えをまとめて書いています。


大きく5つに分けて考えをまとめています。

①戦術編

キーワード: 環境が不利なチームは環境に恵まれたチームと同じ戦い方をしても勝てない


②練習運営編

キーワード: 練習効果 = 回数 × 1回当たりの質


③システム構築編

キーワード: PDCAサイクルの回転速度と同時回転数を最大化


④文化構築編

キーワード: PDCAサイクルの1回転当たりの質を最大化


⑤人材獲得編

キーワード: 共感の獲得




主に高校野球の経験は①と②に、大学フットボールの経験は②~⑤に反映されています。
(アメリカンフットボールは戦術について突き詰めて考えるのは当たり前なので、あえて①には入れませんでした。)

【①戦術編】はこちら

【②練習運営編(前編)】はこちら

【②練習運営編(後編)】はこちら

【③システム構築編】はこちら

【④文化構築編】はこちら



【⑤人材獲得編】

これまでは、チームにいる選手が強くなるための考え方ですが人材獲得編ではチームに入る選手の量を増やすことによってチームを強くする、ということについて書きます。

以下スポーツ推薦が無く、アメリカンフットボールの経験者もいない東京大学アメリカンフットボール部WARRIOSがどうやって選手を獲得しているのか、がメインの話になります。

この人材獲得編はスポーツ推薦で選手をとってくることが当たり前のチームではあまり関係のない話になってしまいますが、現在チームにいるメンバーのチームに対するコミットメントを高める、という意味では少し関係があると思いますのでそういった視点で観て頂ければと。



東京大学アメリカンフットボール部WARRIOSには選手が約90人、多いと100人くらいいます。

これは全国の大学アメリカンフットボール部の中でもトップ10に入るくらいの人数です。

しかもほとんどが高校までアメリカンフットボール未経験者です。



アメリカンフットボールにおいては100人くらいまでは選手の人数が多いほど練習の効率が上がり、レギュラークラスのレベルもあがるので、チームの人数というのは非常に重要となります。



この規模の選手数を確保するためには選手のリクルートがとても大事になってきます。

このリクルートでは

(1) 知ってもらう
(2) 興味を持ってもらう
(3) 共感してもらう
(4) 入部してもらう


というプロセスで行われています。

これはマーケティングで有名な「AIDA」に近いのではないかと思っています。

すなわち

Attension = 知ってもらう
Interest = 興味を持ってもらう
Desire = 共感してもらう
Action = 入部してもらう

に対応していると考えられます。

細かいやり方など、かなり深掘りできるところですが大まかな考え方だけ順に書いていきます。





(1) 知ってもらう

・都内進学校出身の部員の母校訪問
・入学試験でのティッシュやキットカットの配布
・合格発表での胴上げ
・入学手続きや健康診断が終わる出口に待ち構えて出てくる新入生全員に声をかける。
・選手の大写真(試合中のかっこいいやつ)を貼った看板を学内の至る所に設置

などを行っています。

いきなりアメリカンフットボールをやろうと言われてやる人は非常に稀です。
(私はその稀な部類だったのですが笑)

まずはいきなり勧誘するのではなく、

・「東京大学にアメリカンフットボールをやっている人たちがいるんだ。」
・「チームの名前はWARRIORSって言うのか。」
・「アメリカンフットボール部ってノリの良い連中だな。」

という認識を持ってもらうことからスタートします。

ここで重要なことは、とにかく多くの新入生に認識してもらうこと、そしてその後に続くイベントの告知をするために多くの連絡先を入手することです。

大体毎年新入生3,500人のうち、1,000 ⇒ 1500人(もっと集めとるわボケ!という担当者からのお叱りを受けました。)の連絡先を入手することを目標に泥臭く頑張っています。





(2) 興味を持ってもらう

・バーベキューやスポーツ大会などのイベントの実施
・フラッグフットボール体験会
・練習の見学会

などを行っています。

入手した連絡先に各イベントの案内を出して参加者を募ります。

ここでもアメリカンフットボール部に勧誘するというよりは、新入生にイベントを楽しんでもらうというスタンスで行います。

その中で、

・フラッグフットボールを通じてアメリカンフットボールの面白さを感じてもらう。
・イベントでの雰囲気やその後にご飯を驕ったり、学生生活の相談に乗ることでチームのメンバーに興味を持ってもらう。


ことを目指します。


東京大学でアメリカンフットボールをやる人の中には

・アメリカンフットボールという競技自体に魅力を感じた。

という人だけではなく、

・アメリカンフットボールをやっている人達に魅力を感じ、一緒にやっていきたいと思った。


という人も非常に多いです。


なので、イベントを通じてアメリカンフットボールの競技の面白さはももちろんですが、アメリカンフットボール部の特有のノリの良さ、アメリカンフットボールに懸ける想いの熱さを感じてもらえるようにしてチームのメンバーに興味を持ってもらうという視点が重要です。





(3) 共感してもらう

・仲良くなった新入生に対して各部員がアメリカンフットボールに対する想いを話す。
・大規模な新入生歓迎パーティーを開き、アメリカンフットボールに対する部員の想いを感じてもらえるような動画を観てもらう。

ということをします。

新入生にとってすぐに理解できないのが「なぜ東京大学で未経験者がアメリカンフットボールをやるのか」というところです。

しかも、この理由は結構各個人によって違っています。

例えば

・何か一つのことに打ち込んで達成したいから
・人間的に魅力的な仲間がたくさんいるから
・アメリカンフットボールが楽しいから

というような理由をそれぞれが持っています。

そこで、自分たちがアメリカンフットボールをやる理由を共感してもらうための最大の武器となるのが毎年新歓のために作成している動画です。

この動画は東京大学アメリカンフットボール部WARRIORSのリクルート活動において最も重要な存在です。

部員の想いと実際のアメリカンフットボールの魅力をこの動画に込めています。

この動画を観てもらいたいためにこの人材獲得編を書いたといっても過言ではありません笑。

以下は個人的に最も出来が良いと思う2012年の動画です。

25分くらいありますが是非見てください。


ただ、大きな問題があります。

これはスマホでは見れないのです・・・

PCから是非ご覧ください。

スマホで見れとるわボケ!という担当者からのお叱りを受けました。





この動画や部員との語り合いで共感してもらった新入生に対して(4) 入部してもらう、というプロセスなります。


以上が強くなるための部活動マネジメント【人材獲得編】です。





今回が「強くなるための部活動マネジメント」の最終回となります。


読んでいただいた方の今後の活動の何かのヒントになっていただければ幸いです!
高校での硬式野球、大学でのアメリカンフットボールの経験と、経営工学、経営学の視点を組合せて「人材的、環境的に不利なチームが勝つにはどうするべきか」について考えをまとめて書いています。


大きく5つに分けて考えをまとめています。

①戦術編

キーワード: 環境が不利なチームは環境に恵まれたチームと同じ戦い方をしても勝てない


②練習運営編

キーワード: 練習効果 = 回数 × 1回当たりの質


③システム構築編

キーワード: PDCAサイクルの回転速度と同時回転数を最大化


④文化構築編

キーワード: PDCAサイクルの1回転当たりの質を最大化


⑤人材獲得編

キーワード: 共感の獲得




主に高校野球の経験は①と②に、大学フットボールの経験は②~⑤に反映されています。
(アメリカンフットボールは戦術について突き詰めて考えるのは当たり前なので、あえて①には入れませんでした。)

【①戦術編】はこちら

【②練習運営編(前編)】はこちら

【②練習運営編(後編)】はこちら

【③システム構築編】はこちら



【④文化構築編】

③システム構築編はPDCAサイクルの回転スピードと同時回転数の最大化のための考え方でしたが、文化構築編もPDCAサイクルと大きく関わってきます。

ここでは勝つために「チーム文化」をどのようにして作り上げていくか、ということを書きます。

まず、チーム文化とは何か、ですがスポーツにおける「組織文化」のことです。

組織文化の定義ですがGLOBIS知見録から引用すると、

《組織文化は、「組織構成員が共有する信念、価値観、行動規範の集合体」と定義できる。組織文化は価値観や行動規範として構成員の行動を規定する。》

とあります。

つまり、チーム文化とは「メンバーが共有する価値観や行動規範」のことです。

ではなぜチーム文化が大切なのか。

それはチーム文化ができていると以下の2つのメリットがあるからです。


・チームが同じ方向に向かって進むことができるため、チームとしてPDCAサイクルを1回転した時の効果が大きくなる。
・選手、スタッフ、コーチの間の信頼関係が増進され、役割分担が促進されるため、チームとして同時に回すPDCAサイクルの数を増やすことができる。





それではチーム文化の作り方、浸透のさせるための方法について例を挙げていきます。

この作り方、浸透のさせ方についてはチームによって千差万別だと思うのであくまで一例だと思っていただければ幸いです。

(1) スローガン
(2) チーム哲学
(3) コミュニケーション

の3つについて以下書いていきます。





(1) スローガン

チーム文化を作っていくうえでスローガンは重要だと思います。良いスローガンがあると良いチーム文化を築きやすいのではないでしょうか。

スローガンの定義も難しいのですが、個人的にはスポーツにおいて、「自分たちがするべきことを簡潔に表した言葉」であることが望ましい、と思っています。

これは私の好みですがその上で、「動作」に関する言葉、なおかつ「○○することが自分達の誇りである」という捉え方ができて、ありきたりでないものが良いスローガンだと思います。

例えば「Challenge(挑戦)」という言葉は、意味としては非常に良い言葉ですが、スポーツチームのスローガンにするには動作感が少し弱く、ややありきたりな気がします。

「Never give up」も同じく、動作感が弱く、ありきたりな感じがします。

あくまで私の感覚ですので、気を悪くされた方申し訳ございません。

個人的にこれぞスポーツチームのスローガンだと思うのは、清宮克幸監督時代の早稲田大学ラグビー部の「ULTIMATE CLUSH」です。

このスローガンは「早稲田が戦った跡にはぺんぺん草も生えないくらい完膚なきまでに相手を叩きのめす」というメッセージを持っているそうです。

CLUSHという動作感のある言葉で、ULTIMATE CLUSHすることが自分達の誇りになり、ありきたりな感じもしません。

私が大学生4年生の時のスローガンは、「All-out Attack」でした。

これを直訳すると「総攻撃」ですが、「全員で、全力で、全てを出し切って取り組む」というメッセージを込めました。

Attackという動作感があり、誇りにできて、ありきたりでない(B’zに同名の曲があることは秘密笑)ので、個人的には良いスローガンだったなあと思います。

自分自身に自問自答するとき、チームに迷いが生じた時に、このスローガンは道筋を与えてくれる指針になり、チームを同じ方向に向けてくれます。






(2) チーム哲学

チーム哲学もスローガンと同様に良いチーム文化を築く上で重要な役割を持っています。

チーム哲学はチームが大事にする価値観や行動規範を明文化したものです。

スローガンと違って言葉は自由だと良いと思いますが、何個か列挙して定める場合は統一感があったほうが良いと思います。

例えば私が大学4年生の時は英語で統一して5つを定めていました。
(スローガンに比べてこれは完全に浸透していたとはいえませんでしたが・・・)

1.Enjoy(楽しもう!)
2.Confidence(自信を持とう!)
3.Pride(規律を率先して守ることにプライドを持とう!)
4.Appreciation(支えてくれている全ての人に感謝しよう!)
5.For the team(すべてはチームのために!)

ちなみに前述のスローガンの「All-out Attack」というのはこれら5つ全てを大事にしていこう、という意味も込められていました。




注意点として、スローガンとチーム哲学はみんなで良く意見を出し合い、ぶつけ合って「このチームが大事にしたい価値観は何なのか」をちゃんと意見をまとめた上で決めなければチームとして大事にしたいと思ってもらえないので、しっかりと話し合うことが重要です。




(3) コミュニケーション

スローガンとチーム哲学で目指すべきチーム文化を明確にしただけでは、チーム文化は浸透しません。

チーム文化を浸透させるのにチーム内のコミュニケーションの活性化は非常に重要です。

ポイントは通常のチーム運営では起こり難いところに強制的にコミュニケーションが発生するような仕組みを作ることだと思います。

コミュニケーションが起こり難いところというのは、例えば上級生と下級生ポジションの違う選手同士スタッフと選手などです。

以下2つコミュニケーションを活性化する方法の例を上げます。


1.学年・ポジション横断班

学年やポジションがバラバラになるように班を作って、オフにレクリエーションを企画したり、合宿の食事の席をその班ごとにしたりします。

どうしても同学年、同ポジション間で普段のコミュニケーションが固定化されてしまうのでこのようにすることで普段とは違ったコミュニケーションがチームに生まれます。



2.兄弟子制度

これは学年・ポジション横断班よりはバラバラではないのですが、練習時間外に行われる筋力トレーニングのペアを必ず上級生と下級生になるようにすることによって、上下のコミュニケーションが活性化されます。




以上のように、チーム文化をスローガンチーム哲学として伝えやすく明文化し、チーム内のコミュニケーションを活発化させて浸透させていくことがチーム文化を築く上で重要なことだと考えられます。



以上が強くなるための部活動マネジメント【文化構築編】です。


次回は最終回、人材獲得編となります。
高校での硬式野球、大学でのアメリカンフットボールの経験と、経営工学、経営学の視点を組合せて「人材的、環境的に不利なチームが勝つにはどうするべきか」について考えをまとめて書いています。


大きく5つに分けて考えをまとめています。

①戦術編

キーワード: 環境が不利なチームは環境に恵まれたチームと同じ戦い方をしても勝てない


②練習運営編

キーワード: 練習効果 = 回数 × 1回当たりの質


③システム構築編

キーワード: PDCAサイクルの回転速度と同時回転数を最大化


④文化構築編

キーワード: PDCAサイクルの1回転当たりの質を最大化


⑤人材獲得編

キーワード: 共感の獲得




主に高校野球の経験は①と②に、大学フットボールの経験は②~⑤に反映されています。
(アメリカンフットボールは戦術について突き詰めて考えるのは当たり前なので、あえて①には入れませんでした。)

【①戦術編】はこちら

【②練習運営編(前編)】はこちら

【②練習運営編(後編)】はこちら



【③システム構築編】

②練習運営編にも少し書きましたが、上達にはトライ&エラーの繰り返しが重要です。このような一連のプロセスをPDCAサイクルと言います。

御存じの方が多いと思いますがPDCAサイクルとはPlan=計画を立て、Do=実行し、Check=検証を行い、Act=修正を掛けて次のPlanへと繋げるサイクルです。




このサイクルを回すことによって人は上達していくわけです。

チームが勝つためには、他のどのチームよりも、チームとしてPDCAサイクルを多く回す必要があります。

このシステム構築編ではどうすればチームとしてPDCAサイクルを多く回せるのか、について書きます。



PDCAサイクルを多く回すには、

(1) 同時に回っているサイクルの数
(2) サイクルが回転するスピード

の2つを強化してあげれば良いと考えられます。

以下その方法をそれぞれ説明していきます。




(1) 同時に回っているサイクルの数の最大化


同時に回っているサイクルの数を増やすのに必要なのは役割分担です。

下図はよくある大学アメリカンフットボールチームの組織です。

スタッフはトップに主務がいて、その下にマネージャー、トレーナー、アナライジングスタッフなどの各ポジションのリーダーがいます。

そして各リーダーの下にそれぞれのポジションのスタッフがいます。

 選手は主将の下にオフェンスチームのリーダー、ディフェンスチームのリーダー、キッキングチームのリーダーがいて、その下に各ポジションのリーダーと選手がいます。

コーチも同様です。




このような組織で下図のように、

主務・主将・ヘッドコーチはチーム方針に関することを担当し、

オフェンス・ディフェンス・キッキングのリーダー・コーチは戦術に関することを担当し、

各ポジションのリーダー・コーチは細かい技術的なことを担当します。

 それぞれの管轄のレベルにおいて、役割分担をして大きいことから細かいことまで同時にPDCAサイクルを回せる組織となっています。






 このようにチームとして役割分担が出来ていれば同時に回せるPDCAサイクルの数を増やすことができます。




(2) サイクルが回転するスピードの最大化

サイクルが回転するスピードを最大化するには、練習スケジュールにPDCAを落とし込んで、毎日強制的にサイクルが回るようにすることが有効です。

下図は私が大学生の時の練習のスケジュールです。

17時から練習が始まるのですが、それまでは授業を受けていたり、ウエイトトレーニングをしていたりです。

大体20時30分まで練習があり、21時から必ずミーティングをします。






このミーティングが非常に重要で、PDCAサイクルにおいて練習が「DO」だとすると、ミーティングで「CHECK」「ACT」「PLAN」を行い、その日の練習での課題に対して次の日に対策を打つのです。

具体的には、練習の様子のビデオチェックがメインになります。

アメリカンフットボールでは全体の戦術練習のほか、個人練習においてもビデオに撮って映像化し、主観と客観、個人と全体のすりあわせを行います。
(もちろん練習の全てを映像化するわけではなく、重要なところだけです。)

ちなみに前述した役割分担はこのミーティングでも行われます。

チーム全体のこと、戦術のこと、技術のことそれぞれ役割分担して担当者がCHECK、ACT、PLANを行うのです。





このようにスケジュールを組んでいれば、必ず毎日PDCAサイクルが回り、サイクルが回るスピードを上げることができます。


以上が強くなるための部活動マネジメント【システム構築編】です。


次は文化構築編になります。