鞘の下地を調整中です。



刀剣外装の使用感の優劣を決めるのは、柄前と鞘の形状だと思います。


柄前に関しましては、当工房では特にこだわって工作を行っていますが、鞘に関しましても他ではあまりやらないような機能を持たせて製作しています。

これは、「刀剣の美」 = 「実用の美」に他ならず、外装製作時に実用性を加味することで、結果的に良い拵えを作ることが出来ると考えているからです。もちろん当工房の方針が、独断による偏った考え方かもしれませんので、他の設計方針をお持ちの職方を否定するものでは一切ございません。
修復を手がけていた軍刀拵えが完成しました!



当工房は、戦時中に軍刀修復を手がけてきた一門の末裔です。
軍刀の製作及び修復には、先々代からの情報の蓄積とノウハウがあります。

今回も、戦後の空白時間を飛び越えてきたような、実戦的な工作を心がけました。
下げ緒を拵えに合わせて染色しました!



基にした下げ緒は、時代の上がる下げ緒です。
経年により、こしが弱くなっていますので、慎重に慎重に染色を繰り返しました。

この下げ緒は、現在修復中の半太刀拵え(江戸期)に取り付けるための物です。
ご依頼者様より、相性のよい下げ緒を探してほしいというご依頼があり、良い色の下げ緒が見つからなかったことから染色を施しました。

微妙な色加減は、現代製の既製色ではなかなか表現できません。
草木染は、手間がかかりますが、深みのある色彩を表現できます。
軍刀拵えの柄巻きが完了しました。



軍刀の柄前の場合、鞘の塗装と同系色の焦げ茶色の正絹にて、柄巻きを施します。
大戦中は、実戦的な柄巻きとして、諸捻り巻きが好まれました。

将校の高級軍刀では、目貫上部のみ諸摘み巻きに施すなどの技巧を用いますが、根本的には諸捻り巻きが主流です。

当工房では、軍刀拵えの修復依頼をいただいた場合、英霊に敬意をはらい一手間必要な高級軍刀仕様の柄巻きを施させていただいております。

あとは、破損した刀緒の修復を施して、修復作業は終了です!
現在手がけている軍刀の柄下地が完成しました!



刀身は鉄鞘に比べて若干短めですので、実際の戦闘や行軍に有利な短めの柄前を製作しました。
このたびのお刀は、想像以上に刀装具の経年劣化が激しい状態です。
そのため、下のような新たな軍刀外装として製作するのではなく、当時の空気感を再現する方向で設計します。



今回は、ご予算の中で出来うる最善の工作として、仕上がりは修復を施していない様な生々しさを表現したいと思います。そのために、奮発して古い鮫皮を一枚巻きに施しました。



刀装具がバラバラなので、一つ一つ刀身に合わせて調整する必要があります。
数ある太刀切羽を加工し、軍刀鍔に責金(珍しい工作です)をしました。
兜金の先頭部がへこんでいますが、あえてそのまま用います。

経年による汚れや傷は、戦闘の凄まじさを後世に物語る物言わぬ証人です。
日本人がいかに生きいかに死んだかを次世代に伝えるため、長く輝きを放つことを期待してそのままにしました。

次は、いよいよ最終工程の柄巻きです。
散歩がてら近所の公園へ、足元に目を向けると・・・



四つ葉のクローバーと目が合いました。

見つけようと躍起になると、なかなか見つからないものですが、
なんだか元気にしてくれる素敵な出会いでした。
拵一式の新規作成にてお預かりしている、お刀の柄前が完成しました。



天正拵えは、後の時代の打刀拵の原型になったと言っても過言では無い、完成された外装です。

その特徴は、強靭な作り込みであることと、極端に無駄を排した実用の美というべき品の良さにあります。

しかしながら、この手の写し拵えは、刀身との兼ね合いもあり、実際に作ってみるとなかなか満足できる仕上がりになりません。
特に現代刀や新々刀などの刀身に着せる場合には、どうしても写し拵え風の外装になってしまうため、注意が必要です。
今回は、体配の良いお刀と相性の良い刀装具でしたので、満足のいく作品に仕上げることができました!
近所の100円ショップにて、ディズニーのDVDが売っていました。
早速、シンデレラを購入して再生してみると・・・



思わず大爆笑してしまいました!

なんと、フィリピーナ?な片言日本語による吹き替えなのです。
娘は真剣に見入っていますが、どうも違和感が・・・。

しかし、「わた~し、シンデレラね~」には、一見の価値を感じます!
お試しあれ(笑)
久しぶりに仕事道具のお掃除をしました。

砥石を乗せる台は、砥石の荒さを変える度に水洗いしていますが、今回のように入念にお手入れをすることは稀です。

踏ま木以外は、今は亡き恩師から頂いた道具なのですが、考えてみたら15年以上使い続けています。
たわしを用いてゴシゴシと汚れを落としてみると、表面に染み込んだ砥石の粉や刀の錆がみるみる落ちていきます。



だいぶボロくなってきましたが、まだまだ大切に使っていきたいと思います。
台風一過の晴天日、「相州伝の発祥について」更なる造詣を深めるために、かねてより研究を続けてきた採鉄場の有力候補地へと向かいました。

一部私有地を有しているため場所は公表できませんが、野山へ分け入り体中を泥んことクモの巣だらけにしながらの強行軍です。
途中、マムシやヒルに気をつけながら、何とか目的地へ到着。
古代信仰との関係や考古学的な手法から、夏至の日の出や冬至の日の入りなど方角を常にチェックしながら実地調査に挑みます。

数日前に通過した巨大台風の影響もあり、湿地化した現場はヌルヌルとぬかるんだ状態で、傾斜地にいたってはいく筋もの湧き水の流れが土砂を洗い流しています。

その流れの中に驚くべきものを、ご同行いただいた有識者の方が発見しました。



川の源流とも言えない様な小さな湧き水の流れですが、川床にキラキラと光り輝く黒い砂が沈殿しています。
まさしく砂鉄です!海岸で取れる様なサラサラとした砂鉄ではなく、ゴロゴロと先の尖った細かい砂利の様な形状です。
サンプルを採取して家で眺めていたのですが、すぐ近くに鉄鉱石が埋蔵していることを強く感じました。

この黒光りする砂鉄こそが、相州伝の材料であろうと考えています。

やはりペーパーワークではつかめないことも、現地へ赴くと一目瞭然です。このたびのフィールドワークでは、一定の成果を得ることができ、さらなる確証を得ることができました。