令和二年にお参りすべき末社 | 越木岩神社ブログ

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兵庫県西宮市にある「越木岩神社」の日々をブログでお伝えします。

神社の境内には、本殿にお祀りされている神様の他に、末社に神様がお祀りされていることが多いです。

当社もご本殿の蛭子大神(ヒルコオオカミ)をはじめ、御神体・甑岩、そして八つの末社、北の磐座、不動明王がお祀りされています。


本殿・拝殿の前では手を合わせるが、他の末社にお参りしたことがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。


その中でも、来年は必ずお参りしていただきたい末社があります。


それは、「大国主西神社」・「土社」です。


大国主西神社は、特に大地を司る神・大地主大神(おおとこぬしのおおかみ)として末社「土社」にお祀りされています。


延長5年(927年)に纏められた延喜式神明帳に載る摂津国・菟原郡(のちに武庫郡に合併)に鎮座する「大国主西神社」は当社と比定され、石で組まれた大変古いお社であり、大国主西神社の姿を今も残しています。


「大国主大神」は、様々なお名前をお持ちであり、そのご神徳も多岐に渡ると言われています。皆さんも一度はお聞きになられたこともあるでしょうが、例えば「大穴牟遅(おおなむぢ)大神」、「大地主(おおとこぬし)大神」、「大物主(おおものぬし)大神」、「大國魂(おおくにたま)大神」など、地上地下万物の生育発展、人間及び生物の生命を司っている偉大なる神格・神徳をお持ちになられており、その力を表す言葉として多くの神名でお祀りされています。


では何故、大国主大神の鎮座する大国主西神社をお参りした方が良いのか。


それは、大国主大神と来年の干支の「子」・ネズミに深い関わりがあるからです。


大国主大神は大黒天と同一神とされますが、中国では鼠を大黒天の使者とする考えがあります。古代の中国には、家鼠を霊獣とする信仰がありました。そのため、大黒天が鼠を従えた図絵を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。


鼠には災害を予知する能力があり、火事や地震が起こる前に集まって安全な場所に移動するそうです。これを見た古代の中国人が、鼠を未来を知る神獣と考えたようです。三百歳まで生きた鼠が、占いを行なって人を導いたとする中国の伝説もいくつかある。


日本では『古事記』の神話に、鼠が大国主命を救う話があります。


素妻鳴尊が大国主命の能力を試そうとして、大国主命に広い野原に行かせて野原の草に火を放ちます。火はたちまち燃え広がり、大国主命は逃げ場を失ってしまいます。この時一匹の鼠が現われて、大国主命に「この下に穴がある」と教えました。これを聞いた大国主命は、穴の底に身を伏せて火がおさまるまで待って助かったのです。


大黒天の使者の鼠が大国主命を助けた鼠に結びついて、日本でも米俵の上に立つ大黒様のまわりで遊ぶ鼠が描かれるようになりました。

 

大国主大神様は、地上地下万物の生育発展、人間及び生物の生命を司っている偉大なる神格・神徳をお持ちで、そのご神徳も多岐に渡るため多くのお名前で呼ばれ、またお祀りされている神様です。


「子年」には、大国主大神様がお祀りされている神社にお参りすると良いと言われています。


「子年」は干支のはじまり・最初の年であり、鼠は子孫繁栄の象徴ともされています。是非、鼠の力と、鼠と関係の深い大国主大神をお参りして、「子年」の鼠の力と大神様のご神徳にあやかって、良い年にしていただきたく存じます。