『キミに、夢はないのか?』
重かった、末本さんの言葉……。
俺の夢って、いったい何だろう?
【金持ち】になること? いや、そんなことじゃない。
誰にも負けない【権力】を持つことか?
そんなもん、必要だとも思わない。
数日間、悶々と考えた。出てきた答えは、【俺は、何をやりたかったのか?】と言う、自分のこれまでの生き方への【疑問】だった。
幼い頃、こんなふうに、酒や薬、喧嘩に明け暮れる人生なんて、思いもしなかった。
まさか、少年院を何度も、出たり入ったりするとも、親父と同じような【反社会勢力】に所属するようなことになるとも、思いもしなかった。
自身の過去を振り返った時、ふっと、生まれて初めて【LIVE】をやった時の、表現しようのない【充実感】を思い出した。
その頃の周囲の連中は、今と変わらず薬まみれで、必ずしも良い環境ではなかったが、あの充実感だけは、何故か胸に焼き付いていた。
『そうや!もう1回、歌ってみよう!ダメで元々や!』
俺は、タケルと一緒に、メンバー集めを始めた。
このままじゃあ、本当にただの【ろくでなし】で終わる。遅かれ早かれ、【廃人】か【チンピラ】だ。
そんな人生の【終わり方】だけは、どうしても嫌だ。
【どうでもいい】なんて、もう言ってられない。世間から【嘲笑れっぱなし】で死んでいくのは、やっぱり悔しい。
何もしないで終わるより、精一杯やって、それでダメだったとしても、【思い出】は残せる。
【始める】前から【投げ出す】のは、もうやめよう。
こんな俺にだって、きっと【何かができるはずだ】
そう、心から思った。