アパート付きの会社に就職したものの、タケルと俺の、薬癖が直るわけでもなく、仕事も、行ったり行かなかったりの繰り返し。
相変わらず、進歩がないどころか、寧ろ後退してる感じさえしていた。
その頃、住んでたアパート名は、【さくら荘】。名前は綺麗だが、住んでる人達は、ちょっと頭のイカれた連中ばかり。まぁ、俺達も似たようなものだけど……。
間取りは、六畳一間に流しだけ。トイレは共同、風呂は無し。
ある日、知人の紹介で、【末本さん】と言う人に出会った。
一通り、自己紹介やなんかをして、これまでの俺の生き方を話した後、その人が一言。
『キミに、夢はないのか?』
…………。重い言葉だった。
それまでは、【その日・その時】を生きることしか頭になくて、【夢を持つ】なんてことは、考える余裕も、気持ちもなかった。
もっと言えば、幼少期から【投げやり】な性格になってしまってたから、【夢を持つ】たって、はなから【叶わない】だから【見ない・考えない・持たない】と言う気持ちが、素直なところか。
そんな俺の耳に、久しぶりに響いた【夢】と言う言葉……。
『夢かぁ……。』
久しぶりに、胸が動いた気がした。
末本さんとの出会い、彼の言葉は、日を追うごとに、強く深く、俺の心に刺さっていった。