メンバーの、思いもよらない、あの発言……。
一体どんな心境なら、あんな言葉が出せるんだろう……?
たしかに俺は、これまで《ろくでなし》な人生を生きてきた。多くの人々を、傷つけてきた。その記憶は、今でも時折、俺自身を責めつけることがある。その、俺自身を《責める心》が、俺の【歯止め】になっているのかもしれない。
ヤツは、そんな俺とは違って、普通の青年。年齢も、俺の1歳下。
この、ヤツと俺との間にある《ズレ》は一体、なんだろう?
ある日のリハーサル。ヤツが来たが、楽器を持っていない。
俺は、すぐにピンときた。
案の定、《バンドを辞めたい》とのことだった。好きにすればいい。仕方の無いことだ。
帰り際、ヤツは言った。
『堅苦しいことを言われてまで、続ける気は無い』
と……。
堅苦しい…か……。
人の【命の問題】が、《堅苦しい》か………。
釣られるように、他のメンバーも抜けた。
恐らく、《辞めるきっかけ》を待ってたんだろうな……。
残ったのは、俺ともう1人だけ……。
みんな《さよなら》だ。俺は、久しぶりにショックだった。これでまた、初めからやり直しだ。
離れていったメンバーのことを、とやかく言いたくない。言ってみたところで、何の解決にもならない。
メンバーをみつけては『俺には無理』と、辞めていかれる……。
繰り返すメンバーチェンジ………。
でも、諦めたくない。何度《さよなら》を繰り返しても、諦めたくない。
メンバーチェンジを、20人ぐらい繰り返した。やっと、固定しそうなメンバーが揃った。
メンバーチェンジを繰り返してた頃も、LIVEだけは続けてきた。止まるわけにはいかなかった。
おかげで、CDの販売も延期。しかしこれも、試練の1つだ。
【潰れたくなければ、前に進むしかない】
これが、俺の思いだった。
そう。
生きていくのは【SO HEAVY】だ。
【夢】があれば、なおさらだ。
第二部 一章 ~完~