大人びていく『たび』 | コロポックルとスコ

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小さな人と大きな猫の暮らし

この年末年始は
ありがたいことに
「たびちゃんを連れて遊びにおいで」と
お誘いいただき
リュック形式で背負えるキャリーに
たびを入れて遠征してきた。

畳めるたらいを
携帯トイレとして持参し
あとはいつものヒノキチップと
たびのご飯も一緒に。

家では走り回ったりするので
『よその家でも走り回ったりあちこち引っかいたり
齧ったりしたらどうしよう』
と数日前から不安で不安で。

しかし
意外とたびは大人だった。

タクシーで移動するときも
車に慣れていないため
ワーワー騒ぐかと思ったら
クルクルと変わる窓の外の景色が楽しいらしく
ずっと黙って窓の外を興味深く見ていた。

初めてお邪魔する家に入って
たびが初めて会う人が居ても
逃げたり騒いだりすることなく
ただ家の中をゆっくりと何度も歩き回って
どこに何があるのか覚えているようだった。

人見知りすることもなく
そこにいる全員の顔が見えるような場所に座り
誰かがトイレに行く度に
そそくさと後をついて行き
出てくるまでドアの前で待っていた。

人間の食べているものを
それほど欲しがるわけでもなく
何でもかんでも食べない。

猫好きの人がたびを見て
「こんないい子、見たことないよ」と絶賛してくれた。

まったく鳴きもせず
走ったりうるさくもせず
みんなで楽しく過ごせるよう
人の動きや様子を見て
邪魔にならないようにしている。

親である私にだけでなく
誰かが欠けたら心配して見に行き
自分のやりたいことやワガママは言わない。

「顔もすごくかわいいのに

性格もすごくかわいくて珍しいよ。」
「とってもカワイイ!大好き。」
と大絶賛され大人気。

たびは意外ときちんとしていて
親である私が心配しすぎただけか。

以前は
別の部屋で眠ったりしていたが
年が明けてからは
ずっとたびと同じ布団で一緒に眠っている。

以前はたびが興奮しすぎて
なかなか眠ってくれなかったり
ちょっと私が動くと
たびも動いてしまい
あまり眠れなかったが
今は違う。

きちんと布団に入り
私の隣りにいる
「寝ましょう」と言って電気を消したら
すぐに大人しく眠ってくれる。

夜中に私が寝返りをうっても
その形にたびが合わせて
またくっついて来てくれている
私につぶされても
鳴くこともなく静かにしていた。

齢8カ月
人間齢で11歳ぐらい。

たびは
ずっと私と二人で暮らしているのに
あっという間に大人になって
いろんなことを学んでいる。

最近は
夜中にふと目覚めたときも
私を優しく見つめ
そっと頬ずりしてきて
たびは『子供』から『青年』に変わってきた
時折見せる大人びた表情に
私は戸惑う。

こうして
どんどん大人になっていって
それが今度は
どんどん老いていったら
私はもう寂しくて
想像するだけで
最近は涙が出てしまう。

愛おしく大事な家族『たび』
居なくならないでほしい。