11月の末になると
郵便受けに喪中ハガキが届きます
それは広告チラシの間に挟まって
束を取り出すとポトリと音を立てて
玄関タイルの上に舞い落ちてくるのです
そして
今年コロリンの出した喪中ハガキも
そんな風にみんなの所へ届いたはずです
今年
父さんが他界しました
『90歳男性…』
そんな文面の喪中ハガキは
年齢を見ただけで目にも止まらず
誰からも流し読みされてしまうはずですね
だってコロリンがそうだったから
それどころか
90歳まで生きておめでたいって
「遺族もほっとしてるだろうな」
なぁんて( ̄▽ ̄)思ってたから
でも喪中ハガキを出す身になって
そんなノーテンキじゃないって
わかりました
90歳まで生きていたお爺ちゃんでも
いなくなるのは寂しくて辛いんだって
父さんがね(*´ω`)良く言ってた
「死んだ親父の分も長く生きるんだ」って
父さんの父さんは
父さんが10歳になる前に
結核で亡くなりました
ほどなく母さんもがんで亡くなり
三兄弟は別々に親戚に引き取られ
それぞれの人生を歩きました
そして
生きぬいた父さんの90年間でした
いまごろ空の上で父さんは
若く亡くなった父さん母さんに会ってるかな
そして
父親のいない人生がどんなに
厳しかったか寂しかったか
なんで
もっと長生きしてくれなかったのか
恨み辛み山程父さんに言ってるね
でもね
言い尽くしたら
10歳に戻って
しっかり抱きしめてもらいなね
それから忘れないで
「俺にはひ孫がいるんだ」って伝えて
そうそう
5人目のひ孫が先月生まれたのよ
男の子だよ
それから
父さんが心配してた母さんは
あれから程よくボケが進んで
施設の仲間と元気にやってます
あとは私達に任せなさい
今夜の星空は
やけに賑やかに煌めいて騒がしいです
きっと
父さんの弟達も集まって家族で
鍋でも囲んでいるのでしょう
お疲れ様(^人^)父さん
わかっていても
まだ
会いたいよ
声が聞きたいよ
お爺ちゃん
90歳まで生きてくれてありがとう