今月の学校の課外授業は、Museo Evita(エビータミュージアム)でした。
エビータことエヴァ・ペロン。世界的に最も有名なアルゼンチン女性であり、アルゼンチンで最も愛され、そして最も嫌われている女性でもあります。
正式に結婚していない両親の元に生まれたエビータ、父親が彼女の家族をすてて正式な家族の元に戻ると、私生児として差別を受け、貧困のもとに育ちます。生活の為にブエノスアイレスに引越して女優となりまあまあの成功を収めた彼女、後に大統領になったペロン将軍の妻となってファーストレディになり、国民からの絶大な人気を誇りました。
女性の参政権や就業の機会づくりや、自身が受けた私生児としての差別経験から、差別の基になった法律の撤廃、さらに貧しい人々の為のシェルターを設けたり、国中に病院や学校を作らせたりと、女性の地位向上と、社会的に弱い立場の人々の支援に努めたのですが、33歳の若さでガンで亡くなりました。その後夫は軍政に追われて国外追放となり、防腐処理された彼女の遺体はヨーロッパ中を転々としました。
死後60年が経った今でも「聖女」として絶大な人気を誇り、ブエノスアイレス市内のレコレタ墓地にあるお墓には献花が耐えない一方で、政治家でもないのに政治に口を突っ込み、自身の人気を利用して民衆をペロニスタと呼ばれる政治思想に同調させたり、ブランドものに身を包み贅沢な生活を送ったりしたことから、「悪女」として嫌う人々も大勢います。
この美術館、エビータが貧しい人々のシェルターとして実際に使っていた建物だそうで、とても立派な建物。すっかり、レコレタ墓地の彼女のお墓と並んでブエノスアイレスの観光名所です。



