「おはようございます」
朝の時間、地域の人にこれから仕事に向かう人たちがお店の前を通り過ぎて行く。道行く人におはようございますと言葉を掛ける、おはようございます、挨拶を交わすのも今や日常になってきた。続けるうちに、いつのまにか浸透し、挨拶を返してくれる人が増えたのだという。まるで、家の前で近所の人に会って挨拶した、というような自然さで生活感で、それは接客の言葉ではなく、本当の意味での、挨拶なのでした。
慣れたように、いつものやつという感じでアイスコーヒーを注文し、その場で飲み干す人、持ち帰る人、また、暑くたってコーヒーはホットを信条にしている人だっている。
これから始まる一日を乗り切るために、一杯のコーヒーで気持ちを入れる。街の休憩所、街のオアシスのような場所で、それぞれにとっての大事なCOFFEE STOP。
コーヒーを渡し、
「いってらっしゃい」
コーヒーを受け取ってお店を離れていく背中に、背中を押すように、そう言葉をかけることにしていた。
川越は、魅力的な個人店カフェが数多ある特別な地。カフェはそれぞれが個性を競い、自分たちだけの世界を造り上げて非日常時間を提供している。個人店自体が多い街で、中でも個人店カフェの数と多様さは川越の魅力を語る大事な切り口の一つ。
そんな街にあって、きっと、それぞれにお気に入りのお店があって、好きなお店のことを話すカフェ談義に何時間でも花が咲くことでしょう。そこから、川越のカフェ文化に変化が訪れてきたのが近年。それまでは着席するお店が主流でしたが、テイクアウトを謳ったお店がぽつぽつと出てきて、さらに、テイクアウトを前面に出したお店が街のあちこちで登場し始めている。
テイクアウト専門店、そしてこれから変わりゆく川越駅西口エリアという可能性、人柄の良い店主、いろんな新しいが詰め込まれた344 COFFEE STOPさんが、西口をさらに魅力的にしていく。
2017年5月にオープンした「344 COFFEE STOP(ミヨシコーヒーストップ)」さんはコーヒーのテイクアウト専門店。
344と数字で読みがちですが、読み方はミヨシ。なぜミヨシなのか?なで344なのか?という疑問はのちほど。
お店があるのが、川越駅西口。西口からウェスタ川越方面へ真っすぐ進み、ウェスタ川越の交差点を左折し、三方向へ分かれる道を真ん中へ(ウニクス方面ではなく)、少し進むと左手に見えてくる。カウンターの青い波トタン板が大きな目印。川越駅西口から歩いて4分、あ、いや、3分44秒とあえて言う。
「344 COFFEE STOP(ミヨシコーヒーストップ)」
川越市脇田本町10-4
平日7:30~15:00
土日祝9:00~15:00
080-1123-1281
金曜休
https://www.facebook.com/344COFFEESTOP/
お店の佇まいにますはみな驚くかもしれない。カウンターのみのお店で、店主が一人で迎え、コーヒーを淹れている。店主とお客さんを隔てているのはカウンターのみで、つまり、中と外がダイレクトに繋がっているのだ。この近い距離が344 COFFEE STOPの醍醐味。
だから、道行く人は、お店に入るというより、ふらりと場に立ち寄るという感覚で344さんでコーヒーを受け取っていく。
川越駅西口というのは、マンションが建ち並び、会社が入るビルも多く、人口が多い地域。その割にお店が少ないというのはかねてから言われていることで、故に新しいものに敏感な感性があるかもしれない。
344 COFFEE STOPがオープンすると、積極的な宣伝は全くといっていいほどしていないにもかかわらず、「あそこにコーヒーのテイクアウトのお店ができた」という話しは口コミでエリアに広がって、地域の人が頻繁に訪れるようになっている。近くにはコンビニや大手カフェチェーンがあっても、ハンドドリップで淹れたコーヒーを飲みたいという人がたくさんいる。オープンから間もないですが、既に毎日のように通う常連もいて、西口の人の心に、生活に浸透していっている。
そして、すぐ近くにはウニクス川越、ウェスタ川越があり、今後はそちらを利用する人が足を伸ばして344 COFFEE STOPに立ち寄ることも期待できそう。イベントが多い広場なので、イベントの合間に344に行ってみようなんて流れが出てきたら楽しい。
344 COFFEE STOPで提供しているコーヒーは、
・HAND DRIP COFFEE/300
・AEROPRESS ICED COFFEE/350
・DRIP ICED COFFEE/350
・QUICK BREW ICED COFFEE/350
・AEROPRESS ICED LATTE/400
ホットは、浅煎りと中深煎りの2種類を用意。
浅煎りの「エチオピア イルガチェフ ナチュラル」は、ナチュラル精製なので、甘味やベリー感が感じられる。グレープフルーツのようなジューシーな酸味もこの豆の特長。
中深煎りの「コロンビア シエラ・ネバダ(有機栽培)」は、ブラウンシュガーやローストナッツを思わせるフレーバーが特徴。クリーンカップでとてもバランスが良くマイルドなコーヒーです。(クリーンカップなコーヒーの透明性を表す言葉。「透明性」とは、飲んだ瞬間から飲み終わって余韻を感じるまでの間にコーヒー本来の美味しさを邪魔する要素が無いかを評価する指標のこと)
344 COFFEE STOPさんでは、注文を受けてからハンドドリップでコーヒーを淹れてくれる。手作り感がいい。
豆を挽き、お湯の温度を確かめながら、挽いた粉の上にお湯をゆっくりと注いで抽出していく。一連の流れを目の前で見るライブ感。
鮮やかな手つきで、344 COFFEE STOPのホットコーヒーの出来上がり。
さらに目を引くのは、ドリップアイスコーヒーの存在。アイスコーヒーと言うと、大量に淹れて作り置きするパターンも見られますが、なんと344 COFFEE STOPでは、一杯一杯ホットで淹れてから氷で冷やしてアイスコーヒーにしているという手間のかけよう。こういう提供の仕方をするお店はほとんどなく、美味しいアイスコーヒーを、一人一人丁寧に対応したい、という344 COFFEE STOPさんの気持ちが伝わる。個人店ならではです。
AEROPRESSで淹れるアイスコーヒーを344 COFFEE STOPでは一押ししている。
344 COFFEE STOPでは、相手の好みに合わせて、薄目・濃い目などを豆の挽き方や湯温、ドリッパーで調整して作ってくれる。そんなオーダーメイド感も人気に秘密。
コーヒーを手に、さあ、また街へ繰り出していこう。
「こんにちは」
時間が進んで昼間になると、お昼の休憩などで出歩く人たちが立ち寄る姿が増えていく。慌ただしい朝の時間から余裕も生まれ、立ち話しをしていくのも344さんらしい。コーヒーを飲み終えると、持ち帰ると、午後が始まる、とそれぞれの場所へ帰っていく。
「いってらっしゃい」
この場所は、あるいは知る人にはすぐにピンと来るはず。夜は別のお店ではなかったか、と。。。
それもそのはず、本当にそうなのです。17時からオープンする「炭火串焼き 炭火家1031(トミー)」の軒先を日中間借りして営業しているというスタイルの344 COFFEE STOP。昼と夜で姿が変わる場。
炭火家1031のオーナーと344 COFFEE STOPさんが昔から知り合いだったことから、夜の営業が始まる前、軒先を貸している。
一体なぜ、この場所でコーヒーストップを営業するようになったのでしょう。
344 COFFEE STOPの三好さんは、川越の新河岸出身で現在大学4年生。
そう、大学在学中でありながらお店も営業している。このような思い切りのある大学生が川越でかつていただろうかという珍しい存在。
新河岸で生まれ育った三好さんは、小学生の時から野球に一直線、小学校、中学校、川越西高校で10年間野球に打ち込んできました。
野球は高校で引退、大学生になると張り詰めた糸が切れたように、それまで野球一筋の生活から一変した大学生活にどこか物足りなさを感じていた。
「このままでいいのか」
進路に影響を与える出来事として、ネットのインタビュー記事で見たNOZY COFFEEのオーナーが、大学生の頃、居酒屋の軒先を使ってコーヒースタンドを開いたという話しに、「こんなことができるんだ!」と触発された。
自分にもできるのではないか。
地元の先輩である富田さんのお店、炭火家1031の軒先を借りて開いたのが、344 COFFEE STOPでした。
ちなみに、富田さんが名前にちなんで店名を炭火家1031(トミー)したように、三好さんも名前から344(ミヨシ)にした次第。一見何だろうと思わせる店名は、そんな秘密が隠されていたのです。
三好さんは振り返る。
「野球に替わる打ち込めるものが欲しかった」
それが何なのか、何になるのか、手で掴めぬままに暗中模索していた時、2年間アルバイトしていたスターバックスが一つの転機となった。
コーヒーのお店でコーヒーのことを知るにつれ、だんだんと、いや、今思えば一気にだったのかもしれない、水を得た魚のようにコーヒーにのめり込み、いろんなお店で豆を買い、お店を巡り、気が付いたら、かつての野球少年・高校球児だった自身の姿がコーヒーの中にあった。
それは反動もあったのかもしれない。
高校野球では、決して満足な形で終わったとは言い難かった。
野球は高校まで、と決めていて臨んだ最上級高校3年最後の夏の大会、三好さんはベンチ入りメンバーに入ることができず、野球人生が幕を閉じる最後の瞬間のアウトを、10年間の集大成を、真っ青な空の下、スタンドで見つめているしかなかった。
「あの時、満足な形で完全燃焼して野球を終えていたら、もしかしたらコーヒーの道に進んでいなかったかもしれない」
もっと普通に、みんなと同じように、普通の大学生をやっていたのかもしれない。
ifはいくら重ねても仕方ないことですが、きっと三好さんの胸の内のマグマは、どういう人生を歩んだとしても、何かをきっかけにして燃え上がり、自主性を発揮してどこかで何かを始めていたに違いない。
それが、巡り合わせで、コーヒーだったのだ。
ふとした縁であっても、ほとんどがふとした縁で、人生の大部分を占めるものになっていくもの。それが三好さんはコーヒーで、他の大学生よりも少し早く見つかったということなのだろう。
344 COFFEE STOPに向ける地域の目は、コーヒーが美味しい、気軽に立ち寄れるスタイル、丁寧に淹れてくれる、といったお店としての側面に、なにより若き店主、三好さんの挑戦を応援したいという気持ちも多分にある。こんな変わった大学生、見たことないし。
今、考えると・・・と三好さんが思い返すのは、コーヒーの入口はスターバックスだったと思っていたが、そういえば地元新河岸にある「神田珈琲園」さんが自分の原体験かもしれない、と。昔から好きで、今でも通っている地元のほっとステーション。カフェというより喫茶店と言う方がしっくりくるお店は、地元の人に愛され、地元の人で賑わう愛すべきお店。身体の中には、地元の喫茶店に今のカフェに、いろんなコーヒーが流れていたことに気付く。
三好さんが珈琲豆というものを初めて買ったのが、トシノコーヒーさんの自家焙煎珈琲豆で、そして現在、344 COFFEE STOPで使用している珈琲豆も、「トシノコーヒー」さんを使用している。
トシノコーヒー。お店があるのは、本川越駅から蔵造りの町並の一番街にたどり着く途中、「昭和の街」と呼ばれる中央通り沿いにあります。
トシノコーヒーは、2014年8月にここに川越店をオープン。
1号店となる坂戸店は2007年にオープンし、川越店が2号店になります。
自家焙煎した珈琲豆の販売、テイクアウトの珈琲、オリジナルドリップバッグ製造販売のお店。豆売りをメインとして、淹れ立て珈琲のテイクアウトもするというスタイルは、カフェが多い川越の中でもほとんどない形。豆売りを主体とするお店が川越には少なく、それを考えた上で、
川越に出店するなら「川越に今までなかったようなお店しよう」と生み出したもの。
一杯の珈琲のために、一つ一つの過程に最大限の情熱を。
トシノコーヒーでは、各生産地ごとにその国のもっとも高品質な原料(生豆)を選んで仕入れています。同じ生産国でも珈琲豆はピンキリで、時には価格が数倍にも違ってくるくらい差がある。料理と同じで、どんなに上手く焙煎しても品質の悪い珈琲豆はやはりそれなりの味しか出ません。トシノコーヒーが高品質な素材の仕入れにこだわる理由がそこにある。
そして、同じ素材でも焙煎によって味も香りも全く違ってくるのが珈琲豆の難しいところ。焙煎が美味しい珈琲を作る上でもっとも技量が問われる部分であることは自明。
そのために信頼のおける焙煎機を使い、素材ごとにもっとも適切な焙煎を行うこと、それぞれの珈琲豆が持っているポテンシャルを引き出す技術があってこそ、様々な豆の個性を楽しむことができます。
豆売りのための珈琲豆の焙煎には、なにより「焙煎機」が重要で、
特にトシノコーヒーで使用しているような大きな焙煎機を使用した豆売りのお店となると、川越には数えるほどしかありません。
大きな焙煎機でしかできない微妙な調整があり、できない味がある。
忙しい昼の営業が落ち着いた夕方、お店の奥ではまた別の仕事が待っていた。ここからがさらに神経を研ぎ澄ます大事な仕事の時間になる。奥に設置された焙煎機には、この日これから焼く豆がすでに準備されていました。
珈琲豆は、生の状態で見比べても、それぞれ種類によって色や形が全然違うことが分かります。硬くていかにも実という感じが伝わってくる。
トシさんは、釜の温度を確かめ、投入温度やガス圧を変えていく。
釜の隙間から中の火がぼうぼうと燃えているのが覗き見えました。
「今からエチオピアモカを焼きます」
そう宣言したトシさんは、張り詰めた表情で豆を入れたボウルを持ち上げました。エチオピアモカの特徴はなんと言っても、香り。
上品で香ばしい香りは、感情を穏やかにしてくれる癒しの香りです。
ザーーッと焙煎機に生の豆を投入しました。
豆の焙煎で一番気をつけるのは、ガス圧。
焼いている最中に焙煎機のダンパーを操作し、
開けば中に空気が回り、閉めれば籠もる、と釜内の空気の対流を調整します。
「このダンパーのガス圧の調整で豆の味が大きく変わるんです」
それでは始めます、と一言口にすると、焙煎機に向かい操作するトシさん。焙煎機がボワーッという大きな音を発し始めた。
釜内の豆を見ると、ゆっくりと回りながら焼かれていくのが分かる。
ザーっと、豆が回る音が常に聞こえています。
ここからは真剣勝負。
豆はまだまだ白い色、じっくりと火を通し、自分の色に染めていく。
豆を焼くのは感性も大事だけれど、
「いかに効率よく豆に熱を加えていくかが大事なんです」
そのために焙煎機の構造的に理解し、どう操作すると豆にどう影響を与えるのか理論を分かってないと上手くいかない、自分が思い描いた味が出せない。
また、焙煎中は現状を把握するために数値管理も怠らす、感性と両面から作り上げていきます。
豆を焼くと一言で言うより、自分の味を作っている仕事です。
だんだんと白い豆が、薄茶色に色付いていく。
温度計を見ていると、だんだんと温度が上がっていくのが分かりました。
「温度は大体7秒で一度上がっていくんです」
釜のそばは熱で顔が火照ってくる。
冬はまだいいけれど、夏となるとそれはもう大変な仕事です。
ここかから少しずつガス圧上げていきます、と操作するトシさん。
ガス圧の調整も、指でほんの少し動かしたら動かさないかという微妙な動作で管理していく。
毎日のように焙煎していても、同じ焙煎は一度としてなく、
気候や温度、湿度に左右される焙煎は、一回一回が違うものだと言います。
だからその日のコンディションを把握したうえで、それに合わせた焙煎のプランを立てていく。
また、それは豆の種類によっても変わっていきます。
トシさんが釜から豆を少し引き出し、状態を確かめる。
美味しい珈琲のためには、特に大事なのが、焙煎。
もちろん豆の素材としての質に左右される部分もあるが、
「どんなにいい豆を使っても、焙煎が完璧でないと豆が持つポテンシャルが発揮されない」
と語るトシさん。
ここに来るまでに手間を掛けられて栽培される珈琲豆は、
収穫は年に1、2回、地域によっては2年に一度という場所もある。
丁寧に栽培された豆がお店にやってきて、
その潜在能力を最大限に引き出すために、焙煎には全神経を集中させる。
茶色くなってきた豆の色や香りの状態を確認する。
トシさんの焙煎している最中の眼差しは、ずっと真剣そのものでしたが、どこか楽しげに仕事をしているようにも見えた。
「焙煎は楽しいです、一日中やっていても飽きません(笑)」と笑顔で語っていました。
肉だったら火は通りやすい、しかし、珈琲豆という素材は火が通りにくい。
これにいかに効率良く火を通し、豆が持っている力を引き出していくか、そこに向き合うのが楽しくて仕方ないと言います。
気が付くと、辺り一面に香ばしい香り。
釜の中から豆がはぜるパチパチという音が聞こえてくる。
焼き上がる直前、濃厚な珈琲豆の香りが焙煎機から漂い始めてきました。
「そろそろ出します」
トシさんはそう言うと、焙煎機を操作して豆を外に出した。
白い豆が茶色になり、エチオピアモカの特徴は香り、そう言っていた通りなんとも言えない香りを発しています。
(「トシノコーヒー川越店」一粒の珈琲豆のポテンシャルを最大限に引き出す
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11962215471.html)
344 COFFEE STOPでは、オープン以来、このトシノコーヒーの豆を使用し続けている。
川越は、何かを始めると瞬く間に横の広がりが生まれていく街。それが何より川越の楽しさ。川越でお店を開きたい、と夢を持つ人たちも、川越ならではのネットワークに惹かれてという人が多いのでは。
344 COFFEE STOPオープンの話しを聞きつけた「山下珈琲 cafe Brick」のマスターがアドバイスをくれたり、今、川越で快進撃中のglin coffeeの大谷さんとの繋がりも持つことができた。
同業でありながら応援し合うという川越の街の特性。
glin coffeeの大谷さんは、以前お店の記事でも触れましたが、スターバックスに勤めていたという三好さんとの共通点があって、打ち解けたそう。
(「glin coffee」川越市役所前一号店 glinの輪が広がっていく。楽しいコーヒーショップ
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12196953531.html)
三好さんは今後、イベントに積極的に出店してみたい、という目標を抱いている。もっとたくさんの人に自分のコーヒーを味わってもらいたい、もっとたくさんの人に344 COFFEE STOPのことを知ってもらいたい、イベントの拡散力に期待していたところ・・・早くも実現することになりました。
それが、2017年7月9日(日)ウニクス川越の「にぎわいマルシェ」です。
344 COFFEE STOPから目と鼻の先にあるウニクス川越ですが、お店に居るとウニクスから賑やかなイベントの雰囲気が伝わってくる、ああいう場に出店してみたいなと思っていたところ、トシノコーヒーさんの繋がりからにぎわいマルシェに出店が決定。
344 COFFEE STOPとしては初のイベント出店となり、三好さんは並々ならぬ思いでイベントに臨もうとしていた。
(2017年6月のウニクス川越にぎわいマルシェ)
にぎわいマルシェやウニクス川越にやって来た人たちに、すぐそこに出来た344 COFFEE STOPというお店です、と紹介することができるし、日常的に新たな人の流れが作れればいい。
人の流れを変える、流れを作るということがまちづくりなら、三好さんのお店は川越駅西口の人の流れをほんの少しでも変えうるという意味で、まちづくり。
344 COFFEE STOPでは、エチオピア イルガチェフ ナチュラルを使ったアイスラテ、AEROPRESS ICED LATTEが最近登場して早くも人気になっている。暑い夏はアイスが欲しくなる。
344 COFFEE STOPさん、重大な事実としては、予定では、年内一杯の営業としています。
大学を卒業した後の進路はまだ明確ではない、都内のコーヒー店に修行に行くか、はたまた・・・
どの道に進もうが、コーヒーの道には変わりない。コーヒーの経験を深め、一回りも二回りも大きくなって、改めて自分のお店、コーヒースタンドを開きたいという構想を抱いている。
その時にお店を開く場所は?という問いに、「川越駅西口がいいですね」と即答した三好さん。
縁あって344 COFFEE STOPを開くことになった川越駅西口。ここで地域の人に知ってもらうことができ、多くの人との幸運な出会いも得た。
またここに、戻って来たい。
その時はどんな雰囲気のお店になるのだろう、どんなコーヒーを出すお店なのだろう、そしてその時は、川越駅西口はどう変わっているのだろう。
いずれここで、新たな三好さんと再会する時が来るかもしれない。いや、きっと来る。
川越駅西口で半年間小さなカウンターの大きな挑戦は、将来大きな実りに結びつく時が来るに違いない。
今ここで交流を深めた人たちは、何年後か分からないけれど三好さんがこの地に戻って来た時に、温かく迎えてくれるはず。
あの時の三好さん!お帰りなさい。と。
よく帰ってきたね。と。
そう考えたら、今の344 COFFEE STOPは、将来のお店から逆算した半年間に及ぶ壮大なプレオープンとも言え、自分を、自分のコーヒーを、知ってもらうという半年間なのだ。
大丈夫、川越の人たちは、三好さんの大きな挑戦を応援する、いつになろうと帰って来た三好さんを出迎えてくれる。
「こんにちは」
注文を受けた三好さんは、豆を挽き、ドリッパーに粉をセットすると、丁寧に湯を注いでドリップしていった。一滴一滴静かに落ちていくコーヒーは、丁寧な手仕事そのものを表すようだった。
カップに素早くコーヒーを入れ、蓋をして手渡す。
離れていくその背中を、温かく見送るのだった。
「いってらっしゃい」
「344 COFFEE STOP(ミヨシコーヒーストップ)」
川越市脇田本町10-4
平日7:30~15:00
土日祝9:00~15:00
080-1123-1281
金曜休
https://www.facebook.com/344COFFEESTOP/