川越style「むかしの勉強・むかしの遊び」展 川越市立博物館 | 「小江戸川越STYLE」

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川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真

2015年1月から川越市立美術館と博物館で始まっている企画展示が早くも好評を博している。
市立美術館の方では、「たまものin川越」。
埼玉県立近代美術館の3200点を超えるコレクションから、
65人の作家による約100点の豪華な作品群が川越の地にやってきます。

 

西洋絵画ではモネから、ルノワール、ピカソ、シャガール、デルヴォーなど、
また日本の近代洋画では、岸田劉生(きしだりゅうせい)をはじめ、
古賀春江(こがはるえ)、佐伯祐三(さえきゆうぞう)など、
そして現代美術に至っては、草間彌生(くさまやよい)、白髪一雄(しらがかずお)、
李 禹煥(りうふぁん)らの錚々たる作家の作品が並びます。
また、斎藤与里(さいとうより)、森田恒友(もりたつねとも)、
田中 保(たなかやすし)、瑛九(えいきゅう)ら、
日本の近代美術史を牽引してきた埼玉ゆかりの作家作品や、
デュシャンやシーガルなどの海外の優れた現代美術が展示されます。

 

 

これらの作品群は、縁が重なって授かった賜り物としての「たまもの」であり、
先の世代の人々が優れた芸術を後世に伝えようした努力の「たまもの」です。
これらは埼玉県民の共有財産といえるものです。

 

 

本展は、2013年に埼玉県立近代美術館で開催された「たまもの」展にちなみ
「川越版たまもの」展として、コレクションの中でも極めて質の高い国内外の作品を並べた、
今までになく豪華な展覧会です。またとないこの機会に、
作品への想いを馳せながら鑑賞していただければ幸いです。

 

 

2015年1月24日(土曜)から3月15日(日曜)まで
休館日:月曜日
観覧料:一般 500円(400円)
大学生・高校生 250円(200円)
中学生以下 無料
( )内は20名以上の団体料金
障害者手帳をお持ちの方と付添者1名 無料
「川越きものの日」にちなみ8日、18日、28日に着物で来館された方は団体料金

 

イベントを盛り上げるべく関連イベントも多数企画され、
2月7日(土曜) 午後2時から
連続講演会1「たまものin川越モネから草間彌生まで」
講師:建畠晢(たてはたあきら)さん(埼玉県立近代美術館長)

 

2月22日(日曜) 午後2時から
連続講演会2「印象派入門 印象派を知る、見る、楽しむ」
講師:賀川 恭子(かがわきょうこ)さん(ブリヂストン美術館学芸員)

 

 

2月28日(土曜) 午後2時から
連続講演会3「たまものトピックス-瑛九から関根伸夫まで」
講師:梅津 元(うめづげん)さん(埼玉県立近代美術館主任学芸員)

 

 

2月14日(土曜)、3月7日(土曜)(手話付き) いずれも午後2時から
埼玉県立近代美術館の美術館サポーター(解説ボランティア)による展示案内

 

 

2月13日(金曜)、3月5日(木曜) 午前9時から正午
ファミリー鑑賞タイム

 


そして、すぐ隣にある市立博物館の方で、
館内の特別展示室にて開催されているのが、
第25回「むかしの勉強・むかしの遊び」展。


生活の移り変わりをテーマに、昭和30~40年代の暮らしを中心に展示されています。

今回は国産大衆車として親しまれた三輪自動車、ダイハツ「ミゼット」も展示している。
会期:1月17日(土)~3月1日(日)
会場:博物館 特別展示室
費用:入館料(一般200円 高校・大学生100円 中学生以下無料)

 

『今からすこし昔、現在小学生のみなさんのお父さんやお母さん、おじいさんやおばあさんが

 

子どもだったころのくらしはどのようだったでしょうか。

学校へ行って、遊んで、お手伝いをしてといった毎日の生活の様子は同じでも、

その内容はこの何十年の間にずいぶん変わってきました。

特に、昭和30年代になると、家庭のなかに電気製品が取り入れられたことにより、

くらしはとても便利になりました。

この展示では、おじいさんやおばあさんが子どものころ、お父さんやお母さんが子どものころに、

だれもが使っていた生活の道具や楽しく学んだ学校生活、

そして遊びの様子を通して、少し昔のくらしを紹介します。』

 

博物館の昔展は、毎年この時期に開催していて、

 

その年によってテーマがあるのですが、今年は「あそび」というのをテーマに昔を集めた。

ちなみに昨年の展示は、2020年東京オリンピック開催決定を受けて、

前回の東京オリンピック開催年である1964年をフィーチャーした内容でした。

1964年当時のオリンピック記念硬貨であったり、

当時発行された雑誌や下敷きなど日用品などが展示されていました。


今年も昔の駄菓子屋、台所、居間、学校の教室が再現され、大人は「懐かしい」と声を漏らし、

子どもたちは新鮮な目でかつての生活風景に見入っている。
どの展示品も、レプリカではなくかつて誰かが使っていた本物で、川越の日常風景だった。

生活で使われなくなったものたちは、寄贈され博物館という新たな場で活躍しています。
本物だけが並ぶ空間は思わず引き込まれる説得力があり、

いつの間にかタイムスリップしているような感覚になる。

 

特別室に足を踏み入れるとまず出迎えてくれるのは、ミゼット。

 

 


今回の展示の目玉の一つと言える車で、かつて町中でよく見られた懐かしい大衆車。

 

三輪トラック ミゼットMP5(ダイハツ工業製)1964年式

ダイハツミゼットは、1957年に誕生した車で、

軽免許で運転できることや維持費の安さ、好景気に後押しされ、

昭和30~40年代に大衆車として愛された車です。

1959年に生産が開始されたMPシリーズから2人乗りとなり、

ハンドルもバーハンドルから丸型に変わりました。

排気量305ccのエンジンは、運転席と助手席の間にコンパクトに搭載されています。

ドアウィンドウには三角窓、開閉可能なアクリル板のウィンドウが装備されている。

発売当時価格23万円。


これは今でも現役で走ることのできるもので、今も生活の車として使用されているそう。
この場所にやって来るのに、公道を自走してきたといいます。
車の細部を見ると、現代の車との差に愕然とする部分が多く、
例えば、エアコンは付いていないので、フロント部分にある小さな扉を開閉して

車内に風を送り込むことで温度を調整していた。

一角に再現されている駄菓子屋は、まるで本物のような造り。

本物のよう、というか実はこれも本物の駄菓子屋を、そっくりそのまま再現しているものなのだ。
平成7年に閉店した南通町にあった商店から一括して寄贈されたものだそう。

 

お店は、川越駅近くにある山口病院のすぐそばにありました。

 

戦前から菓子の卸商を営んでいたお店は、昭和28年頃から量り売りの菓子店になり、

昭和40年頃から駄菓子屋スタイルになりました。

お菓子だけでなく、メンコやリリアンなどのおもちゃや文房具など、

子どもたちの欲しいものがいろいろ並んでいます。

 

 

昔は川越のあちこちにこうした駄菓子屋がありましたが、今では数えるほどが残るのみ。

上のような駄菓子屋の雰囲気は、今だと川越高校近くにあるみどりやで感じることができます。

 

駄菓子屋に並ぶ形で、昔の生活シーンが再現されている。

 

ステンレスの流し台に、電気冷蔵庫、電気炊飯器が置かれ、そこは台所。

細部までこだわって作り込んでいる風景は、誰しも

「そうそう、こうだった!」と

夕飯を作るお母さんの後姿を思い浮かべたり、思い当たるふしがあるのではないでしょうか。
個人的には、お祖母ちゃんの家の台所とまったくといっていいほど同じだったことに驚きました。


 

台所から戸一枚隔てて隣り合うのが、居間。

 

蛍光灯が照らす部屋には、柱時計がカチカチ鳴り、

こたつ、茶箪笥、ダイヤル式の黒電話、座机、足踏みミシン、

白黒テレビ、電気釜、茶櫃、魔法瓶などが並んでいます。

来場者の方からしきりに、「懐かしい~!」という声が聞こえてくる。

赤外線の電気こたつには、温かい鍋の用意がしてあります。

まさに今の季節にぴったり、鍋に集まる家族の団欒が聞こえてきそうです。

 

 

 

居間を過ぎると、子どもたちの声が聞こえてきそうな教室風景。

 

木の机と椅子が時代を感じさせます。

放送設備がない時代は、授業の始めと終わりに鐘を鳴らして知らせていたそう。

この教室の窓ガラスは、市内の小学校でかつて実際に使われていたもので、

よく見ると学校の名前が書かれているのが分かります。


駄菓子屋、台所、居間、教室といった大きなセットの他には、

川越の今昔の写真が紹介されるコーナーがあり、

ショーケースの中には昔の生活品が個別に展示されています。

お櫃、お櫃入れ、箱膳、卓袱台、釜、釜敷、真空管式ラジオ、洗濯板、陶製湯たんぽ、

生活の道具から今回テーマにした「あそび」にまつわるものまで、多数並んでいます。

 

 










日本には古くから室内遊びとして、「福笑い」「すごろく」「将棋」「囲碁」「かるた」など、

盤を囲み楽しんだ、伝統的なボードケームがあります。

昭和40年代以降、各おもちゃメーカーから「家族で遊べる」をコンセプトとした、

新しいゲームが次々と発売され、

制限時間内に完成を目指すゲームなど、ドキドキわくわくする仕掛けがあるものが増えていった。

テレビゲームや携帯型ゲーム機がゲームの主流となった現在においても、

デザインや遊び方を少しずつ変えながら、今なお人気を博しているボードゲームがたくさんある。

大昔も昭和も平成も変わらない魅力がそこにあるようです。

当時の様子に想いを馳せ、また、子どもたちに昔の出来事を話すのもいいのではないでしょうか。

市立博物館「むかしの勉強・むかしの遊び」展。

~3月1日(日)までです。

 

この企画に合わせて博物館では、2月21日(土)に
昭和30~40年代、国産大衆車として親しまれた懐かしい自動車を展示します。
9:00~15:30(※雨天中止)
開催場所:博物館入口前特設会場
経費:無料。申し込み等は必要ありません。

 

そして、同じく博物館では

二週に渡って子ども体験教室「昔の道具を使ってみよう」が2月に開催されます。

昔の生活の道具(石臼、洗濯板、炭火アイロン、足踏みミシンなど)を体験してみよう。

日時;2月14日(土)、21日(土)午前の部10:00~12:00、午後の部13:30~15:30

場所:博物館体験学習質 費用:無料

 

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