川越style「PANJA」川越パンマルシェに再びあのパンが・・・ | 「小江戸川越STYLE」

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川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真

川越パンマルシェ2014の熱い話題だった「PANJA」の出店。

あの列の長さと、その列に応えるだけの数のパンを出品した出店は、

これからも語り草になる出来事だと思います。

 

 

 

 

昨年のパンマルシェ、PANJAさんは、その熱気に圧倒されていました。
「川越パンマルシェ、こんなに凄いのか。。。」と。

数え切れないほどたくさんのパンを持ってきたつもりだったけれど、
販売スタートした直後からまとめ買いの方が続々と続き、

山のようにあったパンがみるみるなくなっていく。
「このままじゃ、もたない」
そう思ったPNJAさんはすぐに入間の店舗に連絡して、
追加でパンを運んでくれるよう手配していた。
が、しかし。。。
連絡の行き違いがあったのか、なんと伝えた量の倍のパンが蔵里に届いてしまったのです。
こんなにパンがあっても・・・と一瞬困った表情を見せるも、

それも全てお客さんの元へ旅立っていき、結局完売という結果に。
「川越パンマルシェ、こんなに凄いとは思いませんでした」
感慨深く語っていたのが印象的でした。

(川越パンマルシェ2014よりhttp://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11862971519.html  )

 

☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

 

 

パンと向き合い、

 

「どうしたらもっと美味しいパンになるのか」

日々考え続けている姿がありました。

妥協せず、常にもっといいものを、と追及する志がありました。

 

川越パンマルシェに出店するPANJYAさんは、入間市にあるお店。

 

去年に引き続き、川越パンマルシェ2015の出店が決定。

今年もPANJAのパンを楽しみにしている方も多いと思います。

あれから一年、PANJAの今を見つめます。

 

お店があるのは、川越からは16号線を西に入間市方面に走り、

 

入間川を渡って入間川沿い299線をさらに西に走ります。

圏央道をくぐって、少し行ったところ左手に看板が見え、

車だと15~20分くらいでたどり着きます。

入間市と聞いて遠いイメージをもちますが、道は分かりやすいので思ったよりすぐ。

お店に入ると、広い店内に種類豊富なパン。

選ぶのに並んでしまうくらいの品揃えです。




 

 


 

 








棚には所狭しと並ぶ多種多様のパン。その数は、

シフォンケーキなどのお菓子も含めると平日で170種類、土日には220種類ほどが並びます。
定番から、季節のパン、定期的に出している新商品、までいつ来ても新鮮な発見を提供してくれる。
たくさんの種類を用意することで、

「お客さんにパン選びを悩んでもらいたい」と話すPANJAの大内さん。
これだけのパンが並ぶと、

選ぶのに本当に悩むし、悩むのが楽しい。

 

「いろんなパンと接することで、パンをより身近に感じてもらって、

 

地域の食生活の一部になりたい」と考えています。

パン屋さんは、お店によってパンの表情はがらりと変わるもので、
PANJAのパンは、優しい表情で綺麗なパンが多いと思いました。




去年からの変化として、店内にコーヒーマシンが導入されて、

本格的なコーヒーなどを提供するようになりました。

伝説的出店の川越パンマルシェ2014から一年。

パンマルシェに出店したことでお店にどんな影響があり、また、

心境の変化はあったのでしょうか。伺います。
ーPANJAさんは去年初めてのパンマルシェ出店でした。経験してみてどうでしたか??
「凄いな!という一言で、パンを求める人の熱気に圧倒されました」

ー去年経験したことで、今年の取り組みに変化はあったりしますか??
「そうですね、去年はうちのお店を知ってもらおうとたくさんの種類を持っていったんです。

今年は少し種類を減らして、その分選りすぐりのパンを出品しようと思っているんです」

ーそれでも40~50種類は出品するとのこと。PANJAさんの選りすぐりというと期待が高まりますね。

二回目ということで、取り組み方が変わってきたということなんですね。
「はい、うちのお店が川越パンマルシェに出店する意義みたいなものを考えていて、
PANJAがある入間市はお茶、狭山茶が盛んな地域なんですね。

だから、入間にあるPANJAが出店するという意味で、

今年は抹茶を使用したパンを多めに出品しようと思っているんです。

普段からお店で提供しているパンと、パンマルシェ用のパンを今試作中です」

ーその抹茶もやはりこだわりがありそうですね。
「抹茶はうちのお店のために特別に作ってもらっているものなんですよ」

ー去年大人気だったあのパンはどうですか・・・??
「あの煮たまごパンは普段のお店でも人気なんですが、川越パンマルシェでも凄い人気で、

『煮玉子パンありますか?』とたくさんの方に聞かれました。

去年は早めに売り切れてしまったんですが、今年はたくさん出品できると思います」

ー特定のパンだけでなく、全部のパンに注ぐこだわりが半端ない。

その手間のかけ方にいつも驚きます。
「全部相変わらず手間をかけて作っています」

と話すPNAJAさん。今年もPANJA目当ての方が殺到しそうですね♪

(こちらが話しに出ていた煮たまごパン)

 

PANJAさんが、川越パンマルシェに出店するのは、

 

パンを販売する、お店を知ってもらうという以上に、

川越ベーカリー楽楽さんの姿勢を学ぶ部分もあるのだと話します。

「楽楽さんが言っていた言葉、『従業員の幸せを考えたお店作り』というのに感銘を受けて、

お店を営業しながらもパンマルシェの運営面も担っていて、凄いの一言。

あの姿を見るだけでもパンマルシェに参加する意義があります」

と見ている。

 

オープンから3年半のお店で、すでに人気店となっているPANJA。

 

地域に溶け込むと同時に、遠方からも多くの方が訪れるお店で、

パン好きの方ならPANJAのことを知らない人はいない、というくらいその名前が広がっている。
「地元の方はもちろん、県内、県外からの方も普段から多いです。

圏央道に乗って来る方もいるんです」
お客さんのまとめ買いが多いのもPANJAの特長で、

川越パンマルシェの時も、2000~3000円のまとめ買いが続出していました。

そして普段のお店でも、万単位で買って行かれる方も普通にいるのだそう。

PANJAの大内さんもかなり情熱的な職人ですが、

片道数十キロかけて通ってくる方や、来たらいつも3トレー分くらいは買う、といった

PNAJAのパンにはまっている方も同じくらいに情熱的。

 

PANJAがパン作りに使う天然酵母は4種類。
レーズン、ホップ(ジャガイモ、リンゴ、米麹が主体)、サワー、ルヴァン。
1種類だけの酵母を使うパンに、何種類か合わせて使うパン、

 

パンによって酵母もそれぞれ使い分けています。

それを16時間~20時間という長い長い時間発酵させていく。

この長時間発酵がPANJAのパンの秘訣。

 

パンには、作る人のパンに向かう姿勢、信念が

 

否応なく込められて表われてしまうもので、

パンのことをどこまで突き詰めて考えているのか、

どこまで手間をかけているのか、

身近なパンだからこそ、食べるとやっぱり分かってしまう。

そこの違いを感じ取って、PANJAのパンに人が押し寄せているのかもしれません。

 

パン作りは毎日同じことの繰り返しのように見えて、
パン職人は日々考え続け、常にチャレンジしている。
その一日一日の全体が一年になり、大きな結果に繋がっていく。

 

PANJAのこの一年はどんな一年だったのでしょう。

店内に並ぶパンの種類の豊富さはさすがPANJAさん。
今までは定期的に新作を投入して変化が目まぐるしかったパンの顔ぶれも、
この一年は今までのようなペースに比べる落ち着いて、
見た目の目新しさよりも、今あるパンのパン作りの一つ一つの工程を見直し、
「味のクオリティをさらに上げたい」と
生地をブラッシュアップさせるために、細かい配合の部分などを見直していった一年だったと振り返る。
それはお店に並べるパン全般的に、細かく見直していく作業で、

パン作りの本質を見つめていくような日々だったのだそう。
「さらにもう一年くらい細かいところを突き詰めて、

核になる部分を安定させていきたい」
と話す。
ここから、さらに一年。。。
思い描いたパンを作るために、いや、もっと厳密に言うと、
思い描いた理想のパンをその日だけでなく毎日安定して作り続けられるために、
まさに果てしないパン作りの道は半ば。

大内さんは、今も毎日パンのことを考え悩んでいると話す。

そういえば、去年も同じことを言っていた。

毎日、毎日、それがこれからも続いていく。

パン作りは生き物を相手にする仕事で、

毎日、その日に思うことや気付くことがあって、
素朴な材料、シンプルな製法の食べ物のはずなのに、
「パン作りは本当に難しい」と実感する毎日。

 

今日できたことが、明日同じようにできるとは限らない。
「こんなパンにしよう」と作りたいパンがあっても、

 

狙い通りに細かく作り分けることの難しさがある。
たまたま良く出来上がった、ではだめで、自分が狙った通りのパンが出来たかどうか。

自然相手の仕事だけれど、

水分の調整、発酵のタイミング、成形の仕方など、

人間が隅から隅まで把握していないといいパンにならないのはもちろんのこと。

自然の力を借りて、人が技術を注ぎ込んで初めて、

美味しいパンが焼き上がる。

 

それには、感性も大事ですが、

 

「科学的な理論と感性の融合から初めて、美味しいパンは生まれる」と話します。
例えば、硬水を使うと生地はこうなる、
グルテン組織の強さはバターが入るとなぜ弱くなるのか、
そういうことを一つひとつ理解することが、
「こういう柔らかい食感の食パンを作りたい」というイメージを具体化することに繋がる。
たまたま良く出来上がったと満足するのではなく、

なぜこの結果になったのか、
イメージしたものになっているか、ズレはないか、
もっと改善できる部分はないか、常に考えて次に活かしていく。


PANJAの生地は、25種類くらいの小麦粉を使い分けています。
フランスパンだけでも6種類。

このパンにはこの粉と粉をこのくらいの配合で、という話はすべてのパンにあります。

すべてのパンを納得できるまで配合を突き詰める。
生地の配合のテストは日常茶飯事で、新しい粉か手に入ればすぐに試してみる。
「この新しい粉を5%使ってみよう」
常に試行錯誤で、
「もっとこういう食感にならないかな」、常にチャレンジ。

 

パンは本当に長い時間が注ぎ込まれていると実感します。
3年半かけ継いできた酵母、長時間発酵、焼き上がる時間。
その一つのパンに、膨大な時間が注がれている。

 

 

大内さんが語るいいパンは、
「最初に見るのは見た目。綺麗な色、形。フランスパンならクープです」
情熱がほとばしる大内さんは、
うちのパンは手間をかけて作っています、と自負を持っています。





そうして隅まで目を行き届かせたとしても。。。


「やっぱり、毎日同じパンを作ることは難しいんです」

 

職人の実感からの言葉でした。
同じ条件、同じように作ったとしても、どこかが少しずつ違ってしまう。
毎日パン作りに向き合っているからこその違い、
毎日向き合っているからこそ見過ごせない違いでもありました。
日々微妙なブレとの闘いで、

 

理想とするターゲットに収めようともがいている姿は今もある。
その「違い」っていうのは、どこからくる違いなんですかと尋ねると、
「作業の中のごく数分の差で変わっている」という答え。

全工程の中の一つの作業の数分の違いが、

最終的にパンの出来の違いに繋がっていく。
そのブレを見過ごせない、そこまで追求するお店でした。

毎日格闘する日々のなか、思い通りのパンが焼けて少し分かった瞬間が訪れることがある。
「そんな時は、苦労を忘れられる喜びになります」
苦労は良いパンを作ってこそ報われる、まさにパン職人。







お店はこの日も活気に溢れていました。
時間帯関係なくひっきりなしに訪れるお客さん、そして相変わらずまとめ買いの方が多い。
厨房でせわしく作業するスタッフ。
PANJAのスタッフは計20人以上にもなります。
個人のパン屋さんで、これだけのお店の広さ、種類豊富な品揃えに驚きましたが、

それ以上にスタッフの多さにも驚きました。この規模は個人店は川後にはない。


なぜそこまで人が必要なのか、その多さの理由は・・・やはりという答えが返ってきた。

そう、すべてパン作りに行き着くのです。
例えば、フォカッチャ、マルゲリータなどに使うピザソースもお店で手作りし、
ピザソースだけで、手作業で7時間かけて作っている。
(フォカッチャのフィリングも手作りです)


ここに至るまでに、パンに使うためいろんな市販のソースを試したけれど、

納得いくものに巡り合えなかった。
「それなら自分たちで作ろう」と手作りすることを決意。

そのためにピザソースを作るスタッフが必要になり、と

全てのパンに妥協なくこだわり続けているうちに、
いつの間にか大所帯になっていました。


牛カルビのブロック肉を赤ワインで3日がかりで煮込んでパイに使用したり、
あんぱんなどの餡子もお店で炊いています。

牛カルビのブロックは、10キロにもなる肉を捌いているそうで、
なんだか、パン屋さんの話しに思えなくなってきて、
「それはよく言われるんですよ(笑)」

当初は餡を仕入れて使おうと20種類くらい取り寄せてみたが、
どれも満足できず、

「やっぱり自分で作らないとだな。。。」

と手作りで餡子を炊くようになったのだという。

そういうことから始まり、

やがてすべてにこだわっていくようになった。

一つひとつにかける膨大な手間と時間、

途方もない話しの連続でクラクラしてきます。

今までのパン屋で聞いたことのない話ばかり出てくる。


豚バラ肉のトマト煮込みがあって、
あっさり聞き流しそうなりましたが、
この豚バラの煮込みにも3日間かけていると話す。

 

聞き流してしまうくらいに、

 

一つひとつにかける手間が当たり前のようにある。
「とにかく美味しいパンを食べてもらいたいんです」

全ての手間は、その一心に尽きます。
大内さんがここまで手間をかけるのは、
修行先のあの豊かな経験の影響があるからでしょう。

 

PANJAの大内さんは、生まれも育ちも入間市。
パンとの繋がりは、フジパンのインストアベーカリーで働き始めた時から。

 

お店を任されるようになって、自分なりにもっとパンをこだわりたい、と

リテールベーカリーの修行先を探していた。
「大きなお店ではなくても、

小さくてもいろいろ任せてやらせるお店の方がパン作りを覚えられると思って」

出会ったのが、軽井沢にある「銀亭(しろがねてい)」でした。

今から5年前のことです。

 

初めて銀亭のパンを口にした時の衝撃は、今でも全身に鮮明に刻まれている。
全部のパンが等しく美味しく、
「こんなに美味しいパンがあるんだ」
そして、
「このお店で頑張ったら、自分もこんなに美味しいパンが作れるようになるかもしれない」
パンの世界に本格的に導かれた瞬間でした。

 

 

3年間修行した銀亭は、まさに人生の宝とも言える経験だったそう。

 

そこは農場組合法人が経営していたパン屋で、

新鮮な食材が毎日手に入り、食材の宝庫だった。
豚舎に、鶏舎もあり、朝採れたての名古屋コーチンの卵を使ってカスタードに使っていたほど。

銀亭に入ってみたら、そこは今まで持っていた常識が覆ることの連続で、

パンが作ることが楽しい、毎日が感動の連続だったと振り返ります。

そして、特に忘れられない出会いがありました。
銀亭に採用が決まった時、オーナーから言われた言葉がありました。
「お前ここで働けて凄いラッキーだぞ、ここに凄い男が来るんだ」

はじめはなんのことが分からなかった大内さんだが、
言葉の真意をすぐ理解することになる。


オーナーの繋がりから、オブザーバーとして銀亭に月に二回やって来ては

パン作りの指導をしてくれたのが、

三宿の「シニフィアン ・シニフィエ」のシェフ志賀勝栄さんだったのです。
リテールベーカリーの世界では、日本でトップとも称されるカリスマ的な存在のパン職人。

志賀さんが来るという話しが伝わると、周囲の人みんなに驚かれた。
「それ凄いことだよ!会えるだけでも凄いのに、パン作りを教えてもらえるなんて」
大内さんは、志賀さんとの出会い、教えられたことが

パン作りの大きな土台になっていると言います。
志賀さんが作るパンは、15時間以上という低温長時間発酵パン。
今でこそ、長時間発酵を謳うお店は増えましたが、
この製法自体、志賀さんがオリジナルで考えたものが全国に広まっていったもの。


「それまでは発酵に5~6時間とっていたけれど、

それでも長い方だと思っていました。15時間は衝撃的だった」

 

志賀さんは泊まりがけで軽井沢まで来ては、

 

みっちり直接指導で仕込みから次の日の分割、焼成まで指導してくれた。
まさに一からパン作りを叩き込んでくれたような師匠。
志賀さんが目の前で作ってくれたバゲットを、初めて口にした時。。。
一緒に働いていた銀亭のスタッフは、みんな目に涙を浮かべていたそう。。。

「とにかく甘いパンだったんです」

シンプルな材料で、ここまでの甘いパンが作れるなんて。。。
それが低温長時間発酵のパンの魅力だと思い知らされた。

こんなパンを作りたい、自分たちも作れるようになるかもしれない、

そんな希望を胸に秘めながら、みんなで涙していた。


志賀さんが軽井沢から東京に帰ってしまうと

「来月が待ち遠しくて」
早く志賀さんが来てくれないか、早くまたパンを教えて欲しい、そんな思いで過ごしていた日々。

 

軽井沢時代の期間は、今思い出しても鳥肌が立つ、と

 

大内さんは表情を引き締めながら話します。

そこまで違いを生み出せる志賀さんって、

どんな人なんだろう。
パンの神様はパン作りの何が違うんですか??と訊ねると、

 

「人間性が違うんです」

 

 

常に謙虚で偉ぶらず、真摯に365日パン作りに向き合っている。
人間性、やはりそこに行き着くようです。
大内さんが銀亭で働いたのが3年間。
最後の一年間は完全にお店を任される形になり、一人で全部の工程を見ることが、
「10年分くらいの修行のようでした」
今思い出しても、幸せな修行期間だった。

 

その後、生まれ育った入間市で2011年11月にPANJAをオープン。

良い素材を使ってパンを作っていたので、

自分のお店PANJAをオープンさせる時にも、妥協せずその時の味を実現したかった。

今は完全に自分のパン、と言えるものなのかと思いきや、
「いや、ふとしたところに志賀さんの影響が現れることがあるんです」
と話し、あのパンに少しでも近づければ、との思いで進んでいる。

PANJAのパンは感動的に美味しい。

川越パンシェを機会に知ったお店ですが、

あれからこの一年の間に、実は定期的に何度も入間まで車を飛ばしては、

パンをまとめ買いしている自分がいます。

 

フランスパンに食パン、自信を持っていると話すさつま芋とリンゴのパン。

 

始めはスライスして生で味わい、

次の一枚はトーストして香ばしさを楽しむのが自分の流儀。

口いっぱいに広がる甘さ、ずっと余韻が続き、名残惜しく消えてなくなっていく。

噛みしめ、広がり、余韻が残る、

その連続に浸っていたら・・・

さつま芋とリンゴのパン、気付いたら一斤食べていることも相変わらず。

 

レーズンブレッドを食べると、甘みの海を漂っているような感覚になって、

 

時折レーズンにぶつかって味が広がる、その繰り返しがまた、楽しい。

 

ありったけの情熱を注いででも身近な食べ物であるパンであって。
ここまでの志をもつお店が地域にあることは羨ましいです。
そこにパン屋さんがあるということ以上に、
PANJAは地域の食文化まで発展させるくらいのお店だと思います。

 


PANJAのスタッフは独立希望者が多く、

パン屋を自分でやりたいから修行先として選んで来る人が多い。
お店でパンを食べて、「働かせてください」と来たスタッフも後を絶たない。
PANJAの日々は、大内さんはじめスタッフは一日中パンと向き合い、

ずっとパンのことを考えて、寝てる間もパンで、

そして起きたら全力でパン作りに没頭する。

みんな真面目で熱心な若者なんですと話します。

 

そういう人が集まるのはPANJAだからこそ、

 

大内さんの情熱があるからこそです。

スタッフの経験値もこの一年で確実に上がり、

「去年と同じ工程なら、今年はずっと短い時間でできるようになっている」。

さらに、

製造スタッフが減った時期もあって、大内さんは生産量を落とそうか迷った時もあったそうですが、

スタッフの方から「自分たちが頑張るので、落とさないでください」と言われたこともあった。

その言葉に

「スタッフも凄い力ついたなあと実感しました」と振り返る。

パンの話しを伺いに行ったつもりが、

PNAJAのこの一年は、お店のスタッフの人間ドラマこそ一番の話しだったと知る。

でもそれこそ、一番大事な話しなのです。

 

大変な手間をかけて作るPANJAは、

 

スタッフにとっても幸せな修行期間で、体験は財産となっていくはず。
大内さんがそうであったように、経験という財産をリレーしていって

パン文化を広めていきたいと、若者たちを見つめながら話していました。

 

小さい子どもが、大きくなって東京などに出たとしても、

 

「PANJAのパンがやっぱり美味しい!」
そう思ってもらえるものにしたい、と

これからも徹底的に美味しいパンにこだわっていきます。

 

大内さんは、パン屋を、

 

大変なことを仕事にしちゃったなと苦笑いしつつ、それでも
お店にお客さんがたくさんやって来てくれる光景に疲れが吹っ飛び、テンションが上がると言い、
「死ぬまでパン作りを楽しみたい」

と話していました。

 

PANJAさんが、パンのイベントというものに出店するのは

 

去年の川越パンマルシェ以来のこと。

PANJAさんも今年の出店を楽しみにしていて、

相当な気合で川越のやって来ると約束してくれています。

貴重な機会なのでぜひ!

 

「PANJA」

 

入間市野田939-1

7:00~20:00

駐車場10台


 

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