う木曜日に、従弟が亡くなったと、母親から聞いたのだが、従弟はわたしの父親の葬儀に伯母を連れて参列してくれている。

 

 

 

 

 

 

よく考えたら私もお香典包んだ方が良いかしら、と思って翌日の金曜日に母親に連絡してみた。

 

葬儀とかに誰か出るならわたしの名前で出しておいて貰おうかと思ったのだ。

 

既にその時点で、母親は従弟宅へと向かう途上だったわけだが、お葬式はお葬式として参列するけれど、「家族葬」なので、焼き場に行くのが早いらしい。(このへんはちょっと何をいっているのかよくわからん。)

 

なので、まずは「淋し見舞い」だけ包んで持っていく、と母親は言ったのだが、

「ふーん。そうなの」と応じた私は「淋し見舞い」って何?と何が何だかわかっていない。

 

わからないときは地元の友人に聞くのが一番なので、聞いてみたところ、亡くなった方がいる家の家族にお香典とは別に菓子折りであるとか、菓子折りの代わりにお金を包んで持っていく習慣だそうだ。

 

仏様にあげるものではないので、「香典」ではない。あくまでも家族に対するお見舞いらしい。

 

どうも、中部地方だけの習慣のようだ。


じゃあ、私が知らなくても仕方ないか。

 

なんだか、思いやりにあふれたいいしきたりのように思うのだが、母親が絡むとどうも素直に受け取れないのは我ながら困ったものだ。

 

家族葬、というのに、遠方から駆け付けるのって迷惑なんじゃないの?

 

と友人に聞いたところ、「親族も家族だからおかしくはない」とのこと。

ただ、コロナ以降、家族葬=少人数でひっそりと、という意味も強くなり、お食事を出さなかったりするので、遠方から参列されるのは想定外かもしれないが、だったらそもそも「お葬式の連絡」をしなきゃいいわけで、連絡を聞いてしまったら、(私の母親のタイプは)行かずにはいられないので、連絡した方が悪い、というか、それは覚悟の上で連絡したと思うしかない、とのこと。

 

まあ、いろいろと目からうろこであった。

 

 

淋し見舞い、にちょっと反応してしまったのは、結婚した当初(数十年前だ!)ダンナの父方祖母が亡くなったのだが、その祖母は義両親と同居している祖母だったので、義実家でお通夜とお葬式が行われ、私も参列した。

 

ダンナ実家は東北地方なのだが、近所の方とかばあちゃんの友達がお香典を持ってきてくれるのだが、封筒には「お香典」じゃなくて「お野菜代」と書いてある。

 

なにこれ?お香典じゃないの?

 

と不思議がっていたら、義叔父の一人が、

 

「田舎で全部農家だから、昔は冠婚葬祭の時は農作物をもってきたんだよ。今はそんなことはしないけれどその名残でお野菜代って書くんだよ」

 

と教えてくれた。

 

謎習慣はほかにもあって、亡くなった祖母の三途の川の渡し賃として、小銭を持たせるのだが、取られちゃいけないのでわきの間とかに隠して持たせるのだ。

 

てなことを自宅に戻ってから母親に話したところ、

「そんな習慣聞いたこともない。おかしいんじゃないか。恥をかくからほかの人に話しちゃいけない」

 

と言われて、義実家のことながらカチンときた記憶がある。

 

冠婚葬祭なんて、その土地でやり方は違うものなので、逆立ちしながら飯を食う、とか無茶な要求をされない限り、そういうもんか、と受け入れるもんだろう。

 

これだから生まれた土地から出たことのない人はダメだ。って言うか、友人も母方の伯母さんたちも全員生まれた土地からでたことない人たちだけれど、常識はあるな。じゃあうちの母親だけなのか。

 

まあ、とりあえず、お香典だけは私の名前で包んでくれるよう依頼したのだが、実は私の父親の葬儀の際、今回亡くなった私の従弟が

「(伯父の)一周忌は家族だけでやるから呼ばないよ」って言ってたことを思い出した。

 

父親が亡くなる一年前に伯父(母親の兄)も亡くなっているのだが、田舎の本家の当主だったので、一周忌は家族だけでやるってのもずいぶんこじんまりしているな、と思ったのだ。

 

ただ、当時はまだコロナ禍だったので、親族とは言え県外からお客が来るのは遠慮してほしかったのかもしれない。

 

このあたりのニュアンスが正直どうなのかよくわからないが、少なくとも私の父親の時は、父方親族とはほとんど没交渉だったし、少人数の家族葬でよかった、と思えたのだが、本当は派手に見送ってあげたかったけれど、コロナ禍なので泣く泣く家族葬にした、なんて人もいたのかしら。

 

友進娘は結婚式を「お金のムダ」と言って省略したが、ここ3年ほどコロナ禍で結構式を挙げないカップルも多くいた関係か、別に結婚式を挙げなくても友人、親族からは何の反対もなかったようだ。(母親である友人だけが「花嫁衣裳も見れないなんて」と残念がっているが)

 

私の若いときも、結婚式を挙げない、というカップルがいなかったわけじゃないが、親や親戚が納得せず、「食事会だけでも」となり、そうなると「カラードレスでいいからドレスを着て」となり、ご祝儀を戴くから引き出物でも、となり、久しぶりに親族が集まるから、集合写真を、なんてあたりで、「実質、結婚披露宴じゃん」という状態になったカップルを2組知っている。

 

まあ、葬儀も結婚式もシンブルイズベスト、とは思っているが、そうじゃない人もいるから、そのあたりは気を使わないといけないのかな。

 

ただ、亡くなった従弟は本家の跡取りとして、親族の冠婚葬祭とか入退院、とかいろんな行事にすべて顔を出したり、お金を包んできただろうから、最後はシンプルにしたかったのかも、と思ったりもする。