スタッフ福澤に借りた本を読みました。
東野圭吾の「変身」です。
平凡な青年を不慮の事故が襲い、彼の損傷した脳に世界初の脳移植手術が行われる。
それまでの青年は真面目で、画家を夢見て、優しい恋人を愛していた。
しかし手術後徐々に自分の性格が変わっていくのに気付く。
言いたいことも言えなかった青年が反論するようになり、殴られることはあっても決して殴り返すことは無かった彼が凶悪に人に殺意まで抱くようになっていく。
あれほどまで絵を描くのが好きだった青年が絵を描くことが苦痛になり・・恋人のことまでがうとましく思えるようになっていった。
自分が自分でなくなっていく。
二重人格とは違い、変貌する自分がはっきり分かる。自分を支配していく凶悪な自分はいったい誰なのか。
青年は自分に移植された脳のドナーの正体を突き止めていく。
自己崩壊の恐怖に駆られ、人格が支配されていく自分をどうすることもできない...
そんな変わっていく青年を見ながら祈り続ける恋人。
結末は...
読み終えて、何ともいえない気分になりました。
死とは何か...
身体がなくなっても臓器の一部が機能していればその人は生きている...
自分の人格が消えていき、別の人格に支配されていく恐怖を抱えながら生かされる残酷さ
自己崩壊の恐怖に駆られる青年がとてもリアルでした。
現実に脳移植は不可能だと言われているそうですが...
移植...う~ん。
とにかく面白い作品でした。
是非読んでみてください。
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