6月13日、三沢光晴さんの命日。もう13年も経つのか・・・。昨日はプロレス界でいろいろと大きな動きがありましたが、武藤敬司選手の来春をメドにした引退表明は日刊スポーツが一面で報じるなど、プロレスファン以外にも注目されるニュースでした。
武藤選手は本当に「満身創痍」と言って良い状態ですからね、寂しいけど仕方ないのかな。余程状態が悪いんだろうね。武藤選手の事だから、間違っても〝O仁田〟さんの「引退」とは意味合いが違うだろうね。昨日は新日本でオカダ・カズチカ選手がジェイ・ホワイト選手に敗れIWGP世界ヘビー級のベルトが移動したり、グレート‐O-カーン様とジェフ・コブ選手がIWGPタッグ王座に返り咲いたりで、良い意味でファンの期待を裏切ったり、サイバーファイトグループの合同興行「サイバーファイトフェス」では上記の武藤選手の引退表明あり、路上プロレスあり、〝悪魔仮面〟ケンドー・カシン選手の相変わらずのカオスな試合あり、ゴチャ混ぜ感が何とも言えぬ贅沢感を出していました。ただその「サイバーフェス」で行われたノアVSDDTの対抗戦で、
ノアの中嶋勝彦選手がDDTの遠藤哲哉選手を掌打で失神KOという試合があったのですが
どうやらこの遠藤選手の失神が〝ガチ〟だったらしい。これに遠藤選手のパートナーだった秋山準選手が激怒。試合後の記者に対しても「受ける受けないの問題じゃない」と怒りのコメントを発していたそうですが、ここまで秋山選手が〝表向き〟に言いたいことを言ったのが印象深い。プロレスの攻撃は相手にケガを負わせるためものではないし(蛍光灯や有刺鉄線でお互いに血だるまになるデスマッチも本質は同じ)、もっとぶっちゃけて言えば相手にダメージを与えるのが目的でもない。あくまでも「プロレス」の試合を成立させる為にお互い技をかけ合うわけで、その辺りはファンも分かってはいるけど、引退した元・選手ではなく、現役の選手がここまで表立って発言するのは珍しいというか異例なのでは? それだけ三沢さんの悲しい事故以降も、高山選手とか、先日の大谷選手とか、プロレス界で選手生命の危機に瀕するような重大な事故が無くならない事への、秋山選手なりの危機感なのだと思います。
ただやはり〝プロ〟である以上、ファンもそれなりに「激しい」ものが見たいというのも事実。もちろんファンだって悲しい事故は見たくないけど、危険と隣り合わせで、でも安全・安心にファンを熱狂させられるギリギリのラインでの攻防にファンは熱狂するんですよ。これは〝黒の総師〟こと蝶野正洋氏も、選手に自制を求めるのではなく、レフェリーの裁きや、団体としての選手に対する体調管理等が重要と発言しています。今回の中嶋選手だってグーで殴ったわけでなく、掌打なので「プロレス」としては範囲内なのですけど、結局当たりどころが悪かったというか、プロレスとしての「試合」が成立しなくなってしまったので問題になっているのだろうね。
でも危険と言うのは野球だってサッカーだって、おおよそのスポーツに危険は伴うものですよ。公営競技だって同じ。悲しい事故は無くなってもらわないといけないが、今のボートレースのように、せっかくスタート決めても内艇への締め込みが強引と捉えられたら即不良航法。直線で舳先がチョコンとかかっていても、ターンで内から突っ張ったらやっぱり不良航法・・・。結果的に、ファンから見て〝頭が狙える展開〟でも、選手が自主的に勝負を降りてしまうケースが目に付くんですよね。「ルールだから」で済ませていいのかな? それこそ昔は相手を転覆させない限り、内から艇をコツンと当てて追い抜くのは〝技術〟として認められていたし、だからこそ当てる方は「相手を危険に晒さない」当て方を学ぶわけだし、それがプロのパフォーマンスとしてファンも熱狂していたんだ。線引きが難しいのは分かりますけど、現状のこのラインで良いのかどうかは、ボートレースに限らず、全てのスポーツで議論が続けられて行くべきだと思うな。それが競技としてのさらなる成熟に繋がると。