恋と彼女(おまけ)
水原との会話を終わらせた後、俺は建物の陰から逃げ出した。家路に就く学生たちの流れを突っ切って、キャンパス中央の中庭に置かれたベンチまでたどり着く。
おおおおおおお!俺はなんて馬鹿なことを!
自分のやってしまったことがアホすぎて情けない。
水原が『麻美さんとうまく行って良かったね』的なことを言うから、そうじゃねー!って思ったら、思わず…。
「君がいい」だなんて言ったらほとんど告白。俺の下心漏れまくりじゃねーか⁈
レンタルだって説明したら信じてくれたけど、一歩間違えれば大惨事だった。前代未聞の利用規約違反。出禁確実。
はぁ。水原はレンタル続けてもいいって言ってくれたけど、やっぱ今回の事件のことでお客さんへの恐怖が残ってて当然だろうし…
『水原、好きだー。俺の彼女になってくれ』
『何それ⁈ホントやめて!』
『へ?』
『そんな下心でレンタルしてたなんて。あなたもあの犯人と同じよ!最低!もう顔も見たくない。消えて!』
脳内の水原が、うじ虫でも見るような目で口を歪め俺を睨みつける。
ぬおおおおおお!確実に死ぬ。地獄行きだ。一生告白なんてできる気がしねー涙。