【218話】そこに”恋”なんて無かったんだよ… | 恋心、お借りします

恋心、お借りします

(自称)水原千鶴を応援する会の会長。
頑張りますので、イイね下さい。

【218話】そこに”恋”なんて無かったんだよ…

 

■English translation

[ch 218] There Was Never Any "Love" Between Us

 

 

はいどーも!かのかり楽しんでますか!?新年あけましておめでとうございます。

 

僕は、妄想小説を書きながら、まぁいろいろ忙しかったですね。

 

エロい!笑。218話は、ちょっと僕もビビりました。千鶴が海くんと「愛し合って」いましたからね。

 

少年誌ぎりぎりの表現に、海外勢からの(主に批判的な)反応も大きく、私も少し戸惑っていますね。

 

今日は、あんまり話すことありません。そんなに解釈が難しいことなんてないですからね。218話で描かれたものは、NTRなんてものではなく、和也の苦しみ以外の何物でもありません。多くの人が一度は経験し、共感できるものです。

 

 

 

  そこに"恋"なんて 無かったんだよ… 水原との恋なんて どこにも…

 

 

◆ごめん 213話

 

教会の前で和也は告白をするも、千鶴に振られてしまいました(213話)。

 

和也からすれば、受け入れたくない、しかし当然の結果でした。水原は誰もが羨む美人で、女優で、めちゃめちゃ素敵な女の子なんですから。まさに高嶺の花。自分みたいに取り柄の無い男がいくら頑張ったところで届きっこない。誰が見ても不釣り合い。水原は海くんのようなハイスペックなイケメンと付き合うのが現実で、決して自分のものにはならないんです。

 

和也が水原と嘘の恋人関係を続けられたのも、デートができたのも、少しずつ距離が近づいていたように感じられたのも、すべて彼がお金を払ってレンタルしていたからです。水原との夢のような時間はお金を払って得たもので、その笑顔はレンタル(演技、ニセモノ)で、彼女が自分に何か特別な思いがあるわけではない。

 

自分が勝手に好きになっているだけ。水原はふたりの嘘を真実に変えるつもりなんてなかったんです。

 

和也は水原に告白してしまい、利用規約も、恋愛感情は持たないという二人の約束(32話)も破ってしまいました。もう二度と水原をレンタルすることなんてできません。もうあの時間は戻ってきません。

 

そんな現実が彼に突き付けられたわけです。

 

あなたは、好きな人に振られたことはありますか。好きな人に恋人がいると知って、ショックだったことはありますか。そのとき、彼女(彼)との素敵な未来なんてないと苦しみませんでしたか。彼女(彼)が恋人と楽しそうにする姿が浮かんでしまい、胸が痛みませんでしたか。218話で描かれたのは、まさにその気持ちです。それ以上でもそれ以下でもありません。

 

和也は何とか立ち上がってプールに向かいます。

 

 

image

◆馬鹿言え こんな可愛いコに好きだって言われて 超どハッピー おめでた野郎じゃねーか 218話

 

 

image

◆そうだよ!水原のいない生活にもどるだけじゃねぇか 「友達」がいて 「家族」がいて 何不自由ない 楽しい暮らしに! 218話

 

 

image

◆そこに"恋"なんて 無かったんだよ… 水原との恋なんて どこにも… 218話

 

 

馬鹿言え こんな可愛いコに好きだって言われて

超どハッピー おめでた野郎じゃねーか

 

そうだよ!水原のいない生活にもどるだけじゃねぇか

「友達」がいて 「家族」がいて 何不自由ない 楽しい暮らしに!

 

初めから 無かったんだよ …全部

そこにあると 思ってた物は 俺の妄想で …仮初め(バーチャル)で

そこに"恋"なんて 無かったんだよ…

水原との恋なんて どこにも…
 

 

和也は、水原との恋を失ったとしても自分は幸せなんだ、そもそもそれは「仮初め(バーチャル)」で「恋」ではないんだと、自分に言い聞かせます。必死に理屈をこねて、水原を失ったという現実から目を背け、溢れてしまいそうな悲しみに蓋をします。

 

しかし、和也にとってこの恋はあまりに大きすぎました。

 

待った?

 

 

image

◆あっ 和也君 待った? 218話
 

些細なことで、水原と過ごした時間が蘇ります。一緒にいるとドキドキして、いつもダメな自分を励ましてくれて、愛おしくて仕方がなかったあの日々。

 

その「恋」はレンタル。嘘で、偽物で、仮初で、バーチャル。でも、和也は本気でした。叶うなら、自分の手で水原を幸せにしてあげたかった。他でもなく自分を好きになって欲しかった。それは99%の嘘の中に生まれた1%真実でした。

 

しかし、水原にとってはただの「嘘」だった。彼女の中に「真実」なんてなかった。水原にとって自分はただのどうでもいい奴だった。和也の人生で一番大切だった水原との時間は、もう二度と戻ってきません。

 

水原は、自分でない誰かと恋に落ちて、楽しそうに笑って、エッチして、結婚する。

 

 

image

 

image

◆千鶴が他の誰に本気の恋をして、その人とエッチするという現実に苦しむ和也 218話

 

水原とデートして、エッチして、ずっと傍に居たかった。自分が水原を幸せにしたかった。でも水原本人は、そんなこと望んでいなかった。水原の恋心も愛情もその身体も、他の誰かのもの。

 

和也は、受け入れがたい「現実」に苦しみます。その「現実」は、次々に溢れかえって彼の胸をきつく締め付けます。考えたくもない。でも考えてしまう。

 

和也は、その辛さを誰にも吐き出すことができず、泣いている姿を見せるわけにもいかず、プールの中へ飛び込みます。

 

 

image

◆プールの中で泣く和也 218話

 

誰も知られないところで、ひとり泣きむせぶのでした。

 

 

 

218話での和也の妄想はNTRなんて言う人も言いますが、冗談は別として、明らかに誤解ですね。NTRとは「好きな人が自分ではない誰かとエッチをしているのを楽しむ嗜好」のことで、和也はそのような状況を望んでいるわけでも、妄想して楽しんでいるわけではありません。水原と他の誰かの未来なんて想像したくないのに、現実として突き付けられているだけです。その現実が辛くて仕方がないんです。

 

ツイッターやマガポケでの反応を見る限り、日本のファンも海外のファンと同様に和也の妄想(性表現)に驚きを感じています。不快に感じているファンもいます。しかし、さほど批判的なムーブメントは起きていません(もしろん、日本人は公に何かを批判するのが得意ではないと言うのもありますが)。多くは和也の苦しみを衝撃的に描いた漫画表現だと捉えているようです。日本のファンは、性表現そのものに囚われず、文脈の中でその意味を正しく理解し、和也の苦しみに寄り添っているようです。

 

和也の想像の中では、和也が千鶴と過ごして来た「記憶」と、受け入れがたい「現実(水原とイケメンがエッチしている未来)」が対になっています。千鶴との恋人関係(レンタル関係)を失ってしまったという現実と、千鶴を他の男に奪われてしまうという現実の組み合わせですね。

 

しかし見方を変えて、ニセモノ(レンタル)とホンモノの対比と捉えた方が正しいかもしれません。和也の中では、自分と千鶴の間の恋(千鶴の自分への思いも含めて)は、お金を払って得たニセモノで、彼女とイケメンとの間の恋はホンモノなんです。水原のホンモノの恋心も愛情もその身体も、レンタルでは手に入らないんですね

 

自分と水原との楽しい時間はもう二度と戻ってこない。水原はイケメンと恋に落ちて、デートして、エッチして、結婚する。これまで水原が自分に見せてくれた笑顔は自分がお金を払って得たニセモノ。ホンモノの愛情は決して自分には向けられない。和也の「記憶」と「現実」の対表現から、そんな彼の苦しみを僕は感じますね。

 

 

 

という感じで218話を振り返ってみました。

 

和也に早く立ち直ってもらいたいと思いつつも、いつまでも未練がましく落ち込んでいて欲しいとも思います。いま和也が立ち直るということは、千鶴を諦めて新しい恋に向き合うということですから。

 

和也は嘘を告白するかもしれません。これ以上水原に心配をかけまいと、立ち直った姿を見せたいと、または寂しさを誤魔化すために、瑠夏と付き合うことになるかもしれません。

 

そして、もっともっと辛いのは千鶴の方でしょう。千鶴は傍で支えてくれる人が和也しかいません。間違って彼を振ってしまったと分ったときのショックと絶望は計り知れない。小百合さんを亡くした時以上に、寂しくて辛くて仕方がない夜が訪れるでしょう。僕は、今すぐ漫画の中に飛び込んで、大丈夫だよと言って抱きしめてあげたい。

 

それでも、僕は千鶴と和也の未来しか見えてません。二人の間には「真実」があるからですね。お互いこんなにも大切に思い合っている。それだけで、ふたりの輝く未来を疑う余地なんてありませんよ。そういう僕は、千鶴が心からの笑顔を見るまで気が気じゃないですが笑。

 

今後も二人の行く末を見守っていきましょう。

 

今年もこのブログをよろしくお願いします。