【213話】すれ違いの先に見える未来 | 恋心、お借りします

恋心、お借りします

(自称)水原千鶴を応援する会の会長。
頑張りますので、イイね下さい。

【213話】すれ違いの先に見える未来

 

 

はいどーも!かのかり楽しんでますか!?

 

お久しぶりです!甲楽わんです。

 

来た来た来た来た!!!213話、ついに来ましたね!分水嶺!

 

すれ違うふたり…最高か!?

 

 

 

告白を決意した和也。一度は水原に止められてしまいます。水原はもう告白に気づいている。

 

諦めずに千鶴の手を掴み、

 

 

まだ 話は終わってないっ!

俺…ッ! 俺…ッ!

 

想いを届けようとする和也。

 

しかし

 

◆ごめん 213話

 

…ごめん

 

水原は、掴んだ手を振り払って駆けだします。

 

水原は告白に気づいたうえで、俺の告白を拒んできた。和也の視点で見たら、ほとんど振られたに等しいでしょう。

 

千鶴はまだ、自分の行動が和也にどう映ったのか良く分かっていません。千鶴はただ、麻美さんが和おばあさんに嘘をバラしてしまうのを止めに行っただけです。それを知ったとき、千鶴の気持ちは一歩前へ進むはずです。

 

この「すれ違い」は、ふたりにとっては本当に辛い状況を与えるでしょう。和也は告白を諦めるでしょうし、千鶴は和也との恋人になる未来が見えなくなり、彼が他の子を選んでしまうかもしれないという不安と戦わなければいけません。

 

しかし、和也ならきっとまた告白する力を取り戻してくれるでしょう。千鶴は、自分の手で和也の気持ちを掴みに行かなければならなくなります。2人にが恋人になるために大きな一歩を踏み出した。大きな期待を感じさせられた回でしたっ!

 

今回は、和也と千鶴それぞれの視点で、ふたりのすれ違いを整理していきますね。

 

 

 

  千鶴に振られてしまった和也

 

和也は、和おばあさんに感謝の言葉を言われ一度は告白なんて無理だと落ち込みます。しかし、水原からもらったスマホケースを見て自分の決意を思い出します(211話)。

 

◆そうじゃ ねーだろ! 211話 

 

そうじゃ ねーだろ!

 

この瞬間、水原が好きで幸せにしたいという気持ちで、これまで告白を止めていたものを全てを乗り越えてしまいました。和さんを悲しませたくない、きっと振られてしまう。でも、どうしても水原が好きでたまらないっ。もう和也は止まりません。




水原のいる教会までたどり着いた和也。勢いそのままに気持ちを伝えようとしようとします。





先に謝っとく!

こんな事 言って 許されるとは思ってない!!

でも 頼む! 少し時間をくれないか!?

 

しかし

 

 

 

ちょ! ちょっと 待って!

あなた”何か”言おうとしてない!!?

 

明らかに何かを感づいて、止めにかかる水原。

 

 

 

え?

 

「何を…?」と聞くと、

 

 

 

何 か

 

水原は「何 か」と言葉を繰り返します。それは、おそらく告白は止めてのサイン。

 

 

 

気づいてる!水原は俺の気持ちに!

 

水原が自分の告白に気づいていると分ってしまいます。

告白されるのが迷惑で、付き合うなんてあり得ないと思っているのかもと感じてしまう和也。

 

だめだ…!もう… 告白できる気がしねぇ…!

 

 

 

私 もう行くところだったから

 

水原はそう言って、この場を離れようとします。

 

しかし、告白を決意した和也は止まりませんでした!水原の腕を掴みます。

 

でも…! それでも…!!

 

 

 

 

まだ 話は終わってないっ!

俺…ッ! 俺…ッ!

 

水原に思いを伝えようとしたそのとき!

 

 

 

…ごめん

 

 

 

 

掴んだ手を振り払う水原。

水原は俺が告白しようとしてることに気づいていた。そのうえで「ごめん」と答えた。

告白することすら、許されなかった。

 

 

 

遠のく水原の姿。

 

それは、明確な拒絶の言葉でした。



  和也を振ってしまった千鶴

千鶴は麻美さんに今日中に和おばあさんに真実を伝えろと言われ、教会で悩みます。すると、麻美さんからLINEが…?

 

 

ごめん 私 やっぱ限界かも

 

今日中と言っていたのに、急に限界と言ってきた麻美さん。無理やりでも嘘をバラすかもしれません。もう千鶴に残された時間はわずかです。

 

 

 

そのとき、息を切らして和也が現れます。どうしたかと思う千鶴。

 

 

 

先に謝っとく!

こんな事 言って 許されるとは思ってない!!

でも 頼む! 少し時間をくれないか!?

 

告白!?ただでさえ、嘘をどうしていいのか悩んでいるときに、千鶴が恐れていたことが。

 

千鶴はまだ和也に好きだと伝えられません。そんな状態で、告白されたら、千鶴は何も答えられない。最悪、振られてしまったと彼を誤解させかねない。

 

千鶴は、どうしても和也に告白させるわけには行きません。

 

 

 

ちょ! ちょっと 待って!

あなた”何か”言おうとしてない!!?

 

必死に和也を止めようとします。

 

 

 

何 か

 

何も言わないで欲しい。なんとかして和也の口を塞ごうとします。

 

 

 

私 もう行くところだったから…

 

黙り込んだ和也を見て、千鶴はこの場を去ろうとします。

 

しかし、和也は諦めてくれませんでした。

 

腕を掴まれると

 

 

 

 

まだ 話は終わってないっ!

俺…ッ! 俺…ッ!

 

このままでは、和也の告白させてしまう!

 

そう思ったとき、麻美さんからLINEが!?

 

 

 

一緒に行こ 指輪持って

ごめん もう着いちゃった

 

和おばあさんの部屋に着いたという麻美さん!もう待ってくれる感じじゃない。何とかして止めなきゃいけない。

 

 

ごめん…

 

千鶴は和也の手を振り払うと、麻美の元に駆けだしました。

 

 

 

 

千鶴は麻美を止めることで必死です。和也に告白されても困る。

 

千鶴からすれば、和也の告白を断る気なんてないんです。告白から逃げて、麻美を止めに行きたかっただけ。だから「ごめん」と言ってその手を振り払った。

 

しかし、結果として和也を誤解させてしまった。千鶴が最も恐れていたことが起ってしまいました。

 

 

 

  すれ違いの物語 彼女、お借りします

 

和也は告白をしようとするも、させてもらうことすら許されず、千鶴に振られてしましました。一方千鶴は、和也を振りたくないから彼の告白を止めてきたのに、最悪の結果を招いてしまいました。

 

一見すると、ふたりが恋人になる未来が遠ざかったように見えますが、この「すれ違い」は間違いなく2人の背中を押します。

 

「すれ違い」とは、近づこうとしているものが、出会うことなく通り過ぎることです。恋愛物語で言えば、本当は好き合っているにも関わらず、お互いの気持ちに気づけなかったり、相手を誤解させてしまったりして、恋人になれない(もしくは恋人関係が破綻する)こと意味します。日本の恋愛物語では、この「すれ違い」が物語を盛り上げる重要な要素になっていて、視聴者は近づいては離れる2人を見てハラハラしたりじれったく感じたりします。

 

 

◆レンタル彼女と客の協定 32話

 

かのかりは、すれ違いの物語です。これまで和也と千鶴は、お互い好き合っているのに、レンタル彼女と客という関係のせいでお互いの想いに気づけずにいたのです。和也は、千鶴が嘘の恋人関係を続けてくれるのは、彼女がとても優しくて、自分がお金を払っているからだと思っています。水原はすべて仕事で自分の傍にいてくれるんだと思っているんです。一方千鶴は、和也が自分をレンタルしてくれるのはお互いのおばあちゃん(和と小百合)を悲しませないためで、彼が『水原千鶴』というサービスを必要としているだからだと思って来ました。まさか彼が自分を好きでいてくれるなんて思っていなかった。

 

クリスマスの翌日、2人はその関係をハッキリさせてしまった(32話)。私はあなたと恋人になる気なんでない。私たちの関係はただの協定。

 

 

◆って言っても「レンタル」だけど 50話

 

和也はレンタル彼女と客の関係を通して、千鶴に惹かれていきます。本気で好きになりますが、告白しようとは考えなかった。そんなことできなかった。和也は勢い余って「君がいい!」と千鶴に告白してしまいますが、必死に誤魔化します(50話)。好きだけど、伝えられない。それは、あなたと恋愛する気なんてない、勘違いしないで、私たちの関係は「協定」なんだと千鶴にはっきり言われてしまったからです(32話)。もし恋人になりたいという気持ちがバレてしまったら、もうレンタルさせてもらうことができなくなります。和おばあさんに千鶴が嘘の恋人だと話さなければならないうえ、そんな下心でレンタルしてたんだと千鶴に非難され嫌われてしまいます。そもそも超絶美少女の水原が俺なんて相手にするはずがない。俺と水原じゃ全然釣り合ってない。それでも和也は、千鶴が好きで、幸せにしたいという気持ちだけで突き進んできたんです。

 

 

◆第一 「レンタル彼女」に本気になるほど 馬鹿な人じゃないわ 122話

 

好きなのに、伝えられない。それは千鶴も同じでした。千鶴が、和也に恋をしていることに気づいたのが、和也との合同誕生日です(86話)(【解説】超重要回 水原千鶴が「私 和也が好き」と気づいた瞬間!)。しかし、その後、デートに誘ったり仲良くしようとしたりすることはできませんでした。千鶴はレンタル彼女だからです。お客さんとのプライベートな関係はNG。さらに千鶴は、和也に本物の彼女ができるまでの間、嘘の恋人を演じる約束をしています。彼の恋を応援する立場なんです。和也からは「好きじゃねぇ」と言われ、自分も彼と恋愛する気なんて無いとはっきり言ってしまった(32話)。彼の中に、レンタル彼女である私を彼女にするなんて選択肢があるわけがない。レンタル彼女に本気になるなんてあり得ない。きっと和也は私でない誰かを恋人にするつもりでいる。私から近づくなんて許されない。いつか彼は本物の恋人を作って、私の元から離れていく。千鶴は、そんな不安を抱えながら、嘘の恋人を演じ続けて来たわけです(【解説】ずっと深刻だった水原千鶴の葛藤)。

 

そういうすれ違い構造の中で、和也と千鶴は2人の夢を叶えます。


大きな転機となったのが、励ましデート。

 

 

◆俺の理想の彼女はさ 164話

 

俺の理想の彼女はさ…

 

この言葉は、千鶴を悲しみの淵から救い上げるだけではありませんでした。理想の彼女はあなただと言われた千鶴は、もしかしたらこの言葉は彼の本心なのかもしれないと、信じることができます。

 

 

◆あなた 私の事好き? 173話

 

あなた 私の事好き?

 

そして勇気を振り絞り、彼の気持ちを確かめます。

 

これまでの和也であれば、以前と同じく「好きじゃねぇ」と言ったはずです。告白なんかしても嫌われるだけ、嘘の恋人を演じれもらえなくなるだけ。しかし、映画製作や小百合さんの死を通して、千鶴の弱さを知り、彼女の支えになりたいと強く願った和也は、ついにその壁を乗り越えます。

 

 

◆彼氏でもなんでもないんだから… 174話

 

水原の言う通りだ

俺に水原を守る方法なんて 無い

だって水原にとって俺は ただの「客」で

ただの「お隣さん」で

彼氏でもなんでもないんだから…


◆俺…  ずっと前から 君の事… 174話

俺…  ずっと前から 君の事…

千鶴を幸せにしたいという思いで、和也は告白できないという壁を乗り越えたんです。

この瞬間、これまですれ違い続けた2人の想いがついに重なり合いました。千鶴は和也がずっと自分を好きでいてくれたことを知ったのです。彼も自分と同じように、嘘を真実に変えたいと願っていたわけです。

 

かのかりは、レンタル彼女と客という関係から生まれたすれ違いを、ふたりで乗り越えていく物語です。単にお互いに好きになったから恋人になりましょうという物語ではありません。好きだと伝えたいけれど、伝えられない。その障害を2人の力で乗り越えていくお話なんですね。


和也の告白以降(174話)描かれているのは、千鶴が和也に告白するまでの物語です。告白される側の千鶴もあなたのことが好きだと告白できなければ、ふたりは恋人にはなれないんです。僕はよく、かのかりは両告白しかあり得ないと言っています。それは、千鶴と和也の両方が好きだと伝えようと思わない限り、絶対に恋人にはなれないからですね(どちらから告白するかという順番の話ではなく、その気持ちを持てるかという話です)。

 

千鶴が和也を好きなのは明らか。読者からすれば、和也が告白すればふたりは恋人になれるように見えます。しかし、そうではありません。恋人になりたいと思ってることと、実際にそれを伝えられることは、同じではありません。好きだけど伝えられない障害が千鶴にあるんです。

 

 

◆ああもう なんとかしないと 174話

 

ああもう なんとかしないと…

 

千鶴は和也の本心を知った後、ベッドの上で呟きます。これまで通りレンタル彼女として彼と会っているだけなら、そっけない態度をとっていても問題がなかった。彼の前でいつも自分の気持ちを否定して好意を隠してしまう自分でも大丈夫だった。しかし、恋人になるためには本心を伝えなければいけない。千鶴は、本心を明かすことが恥ずかしくて、どうしても「私もあなたが好きだ」と口にすることができないんです(【190話】「和也が好き!」だからこそ彼女にはなれない…)。

 

そんな状態で告白されたら、千鶴は何も言えなくなってしまいます。だからと言って、好きじゃないとも言えません。和也を振ってしまったら、自分を諦めて他の女の子のことを好きなってしまうかもしれないのだから。だから、和也に告白されそうだと気づくたび、必死に逃げてきた。

 

千鶴を幸せにしたいという気持ちであの日和也が告白を決意したのと同じように(174話)、今度は千鶴が彼に気持ちを伝える決意をする番です。今のかのかりは、千鶴の物語が描かれているんです。好きだと伝えられないという障害を、どうしても彼の恋人になりたいという気持ちで乗り越える心のドラマです。

 

今回千鶴は和也を振ってしまいました。それは千鶴が最も恐れていたことでしょう。しかし、千鶴に与えられた状況は大きく動きました。このままでは、和也は二度と自分と恋人になりたいとは言ってくれません。

 

千鶴は再び彼に告白してもらわなくてはなりません。そのためには、遠回しにでも何でも、私もあなたを恋人として見てますよと伝えなければいけません。千鶴が和也を誤解させてしまったという状況は、間違いなく千鶴の背中を押します。

 

例えばそれは、一緒にご飯を食べようとか、大学から一緒に帰ろうとか、大学生がデートの前にやるようなことかもしれません。しかし、いつも何か理屈をこねて、あなたと一緒に過ごしたいという気持ちを隠し続けて来た千鶴にとって、コレは非常に大きな進展です。

 

和也と千鶴が恋人になれる未来は、目の前まで近づいています。

 

 

 

そんな感じに213話を振り返ってみました。今回大事なことは、和也が告白したことでも、それが失敗したことでもありません。そもそも千鶴が和也に好きだと言えない限り二人は恋人になれないんですから、起るべきことが起っただけ。そうではなく、和也が千鶴を諦めてしまうと言う状況が千鶴に与えられたことが何よりも重要です。

 

ここから和也と千鶴はとてもつらい時間になるはずです。和也は告白を諦め、これ以上水原に迷惑はかけられないと、嘘を明かすでしょう。千鶴は、たったひとりの自分を支えてくれる人との未来が見えなくなり、不安で不安で仕方がないでしょう。小百合さんを亡くしたときと同じように、悲しくて寂しくて不安で仕方がない夜を一人で過ごさなければいけなくなります。

 

しかし、このすれ違いは、ふたりが恋人になるために通らなければならない道です。

 

和也がどう立ち直るのか、千鶴がどういう思いをエネルギーにして好きだと伝えるのか、見守っていきましょう。あと、麻美ちゃんがどう2人にとどめを刺すのかも注目ですね。

 

では、次の記事で!