1-6巻 水原千鶴の恋物語 満足度① | 恋心、お借りします

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1-6巻 千鶴の恋物語 満足度①

 

水原千鶴の視点で「彼女、お借りします」を振り返るレビュー「水原千鶴の恋物語」です。

 

ここではアニメ1期分にあたる1-6巻までで、千鶴が和也をどう見ていたのか、紹介します。この記事は単行本1-6巻(アニメ1期)のネタバレが含まれます。まだ読んでない方はリターン!読んでから戻ってきて下さい。

 

導入記事「千鶴は和也が好きなの?いつから?」で、千鶴×和也の関係性は「ドキドキする♡」だけでは語れない、「パートナーシップと共にある恋愛」という言い方をしました。そこで千鶴から見た和也を語るうえで「恋心」に加えて、人としての評価=「信頼」を考えてみます。それでは、水原千鶴の恋物語スタートです。


 

 

  1-6巻 千鶴から見た和也

 

 

❤ 信頼50% 迷惑な客から応援したい存在へ

和也は非常に迷惑な客として現れますが、一緒の時間を過ごすうちに千鶴は彼の良さを認め、レンタル彼女として応援するようになります。出会ったときは、クズで情けないと思っていましたが、本当は、おばあちゃん思いで、ここぞの勇気がある人で、恥ずかしげもなくて、恋には一途で、友達にも真剣に向き合って、そういう彼の良いところを知っていきます。千鶴が和也に協力したり、嘘の恋人関係を続けたりするのは、彼女自身がそうしたいと願っているからです。そして、最後には、和也との約束(本当の彼女をつくる)を果たすために尽力します。

 

❤ 恋心20% 恋人になる気はなし でも繋がっていたい

このころの千鶴の頭の中では、私と和也はあくまでレンタル彼女とお客、和也と恋人になる気はさらさらありません。和也には、ふたりの関係はあくまで恋愛なしの協力関係であると釘を刺します。しかし実際には、恋心が全くないわけではありません。気になる男の子という感じでしょうか。海で溺れたとき助けてもらったことをきっかけに、無自覚の恋心が少しずつ育っていきます。ただその無自覚の恋心が、和也と本物の恋人関係をつくる方へと向かわず、レンタル彼女として一緒の時間を過ごしたい気持ちへと繋がってしまいました。1-6巻の間は、その恋のようで恋でない『何か』が、そのときの状況次第で見え隠れします。

 

【導入】水原千鶴の恋物語 千鶴は和也が好きなの?いつから?

 

 

 

  1-6巻 ハイライトと解説

 

  レンタル彼女と客の関係がスタート

 

◆レンタル彼女だっつってんじゃん! 1巻1話

 

千鶴にとって和也は超迷惑な客でした。満足度1を付けられるは、暴言は吐かれるは、勝手に彼女として紹介されるは、最低最悪の客です。

 

ばーちゃんさ… これで入院 三回目なんだ…

神様の夢なんだと… 死ぬまでに 俺に”いい人”ができるのが…

 

しかし、おばあちゃん思いだとわかると、共感してしまいます。千鶴にも大切なおばあちゃん(小百合)がいたのです。千鶴にとって小百合おばあちゃんは、世界で一番信頼していて唯一頼れる存在。そんな千鶴は、和也の和おばあちゃんの夢を叶えたいと言う気持ちを無下にする気にはなれませんでした。和也が失恋して深く傷ついていたことも知り、これもレンタル彼女の仕事だからと受け入れます。

 

寂しくない人なんて いないのよ

隠せる人が多いだけ

皆 心に空いた穴を 仕事とか恋人とかで埋めてるのよ

 

和也が彼女に振られて落ち込んでいると知った千鶴は、レンタル彼女として彼を励まします。すると、

 

 

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◆「本当の自分」だけは レンタルできねーんだからさ…! 1巻1話

 

今日も彼女(麻美)のこと 思い出してばっかだったしさ

どんだけ好きだったか 分かっただけでも収穫だろ?

すぐには忘れらんねーけど せめて前向きに引きずってやる!

「本当の自分」だけは レンタルできねーんだからさ…!

 

和也は、レンタルして良かったと言ってくれます。

 

 

◆自分うさぎかよって思ったら また呼んで 1巻1話

 

自分うさぎかよって思ったら また呼んで

 

結局和也に満足度☆5を付けてもらい、千鶴は思わず笑顔を漏らします。レンタル彼女、それは仮初の恋人。お客が本物の恋へと進めるまでの絆創膏であり、恋の相談役。そんな仕事を気に入っている千鶴は、お客である和也が少しでも前を向いてくれたことが嬉しかったんです。

 

 

◆なんだ 偶然ーっ 運命かもーっ 1巻2話

 

和也の3度目のレンタルで、小百合おばあちゃんと遭遇。おばあちゃんたちの前では和也と『嘘の恋人関係』を演じることに。千鶴はレンタル彼女の仕事をしていることを小百合おばあちゃんに知られたくありませんでした。

 

千鶴も和也もなかなか「別れた」ということができず、なんだかんだで、嘘の恋人関係は続行。

 

 

◆第3条第3項 1巻3話

 

こうして始まったレンタル彼女と客の関係。ただし、プライベートでは一切関わらないようにと和也に忠告しておきました。いくらお隣さんでも、利用規約違反です。

 

 

 

  当然でしょ 彼女なんだから

 

この日千鶴は大学の友達と下田に来ていました。そこで偶然和也に出会います。相変わらず超迷惑な客。突如、彼女として振舞うことになってしまいます。しかし、

 

俺と千鶴 別れようって 話になってて

 

◆楽しかった 楽しかったわ ばかっ 2巻12話

 

和也はそう言って、もう一度麻美との恋に向き合おうとします。そんな和也を見て千鶴は「少しは男らしいところあるじゃない」と伝えます。「楽しかった」それは本心です。うまく伝わらず「ばかっ」と、不満が漏れます。

 

 

 

和也と別れたことにする千鶴でしたが、木部君の気持ちを無下にはできす、和也とふたりでフェリーに乗ります。

 

 

◆レンタル彼女だって言ってんじゃん!!! 3巻15話

 

その日千鶴はあまり体調が良くなく、間違ってフェリーから海へ転落してしまいます。そのとき、命を張って助けてくれたのが和也でした。

 

レンタル彼女だって 言ってんじゃん!

 

和也はただのお客。それも最初はどうしようもなく迷惑な奴でした。でも本当はそうじゃない。千鶴が知らなかっただけで、和也はきっと素敵な人なんです。

 

あいつ悪いヤツじゃねーんだ

きっと あんたのこと 最後は幸せにしてくれると思う

 

我が孫を好きになってくれた女性に 何を怒ろうか

 

木部くんが言った言葉が、和おばあさんが言った言葉が、心に刺さります。このとき千鶴は、早く嘘の恋人関係を終わらせたいと思っていました。しかし

 

 

◆当然でしょ 彼女なんだから 3巻15話

 

当然でしょ 彼女なんだから

 

和也の友達の目の前で、自分は『彼女』なんだと周りに宣言します。

 

レンタル彼女として 和也の力になりたい

 

和也に救ってもらった恩を返すためにも、和おばあさんを悲しませないためにも、和也の力になってあげたい。その気持ちから、千鶴は彼と嘘の恋人関係を続けたいと思ってしまいます

 

 

◆和也に命を助けられ キス?までしてしまった千鶴 3巻15話

 

和也に命を助けられ、キス?までしてしまった千鶴。このとき千鶴の中で、”何か”生まれたのかもしれません、「この人 ほっとけないな」みたいな感情として。

 

 

 

 

  安心してっ 私が彼女でいる間は放っておいたりしないから

◆借りたいんだ 君のこと 3巻19話

 

もう少しだけ二人の関係を続けてみようと思った千鶴。ここから和也への接し方も大きく変わって来ます。

 

祖母同盟の企てで、旅館の一室で夜を過ごすことに。「君を通して変わっていける」という和也を放っておくわけにはいきませんでした。借りたいという和也に「いいよ」と千鶴は答えます。

 

レンタル彼女として 和也の力になりたい

 

これまで千鶴は「別れた」とおばあちゃんたちに話して、嘘の恋人関係を早く解消したいと和也に言っていました。しかし、ここで方向転換します。

 

 

◆安心して 私が彼女でいる間は放っておいたりしないから 3巻20話

 

安心して 私が彼女でいる間は放っておいたりしないから

 

そう告げ、和也に本物の彼女ができるまで、レンタル彼女として嘘の恋人関係を続けさせてあげると約束します。千鶴は、レンタル彼女という彼の恋を応援する立場で、和也と繋がろうとします。

 

 

◆まぁ 別にイイけど… 3巻20話

 

その日の帰り際、和也の友達に彼女ができたらしく、ダブルデートに誘われます。

 

まぁ 別にイイけど…

 

当初あれだけ嫌がってたレンタルをひとつ返事で受けてしまいます。和也を信頼し始めったってことですね。こういった受け答えの変化でしっかり関係性(二人の距離感)を見せてくれるのが、「かのかり」です。レンタル彼女と客の関係も、楽しい時間へと変わっていきます。

 

 

【補足】

漫画「彼女、お借りします」において、レンタル彼女は決して彼女候補としては描かれません。あくまで、お客が本物の恋へと進むことを助ける役目です。新しい恋が始められるまでの絆創膏であり、恋の相談役です。レンタル彼女としての千鶴は、和也が恋に向き合えるまで寂しさを満たし、必要あれば彼の恋の応援をする、そういう役目です。千鶴自身も、「理想の彼女」を演じるだけでなく、お客の恋を助けることにやりがいを感じています。しかしそれは同時に、レンタル彼女と客の関係では、決してふたりは結ばれないことを意味しています。

 

 

 

  お試し彼女 更科瑠夏!

 

◆…別に 21話

 

今日は、和也の友達、栗林くんとのダブルデート。そこに現れたのは、美少女更科瑠夏。和也が瑠夏に見とれている姿を見て、なぜかイラっとしてしまいます。ジト目な千鶴。

 

…別に

 

『彼女』としては私の方が勝ってるわ、と思っているんでしょうか。すこし、嫉妬してしまいます。

 

 

◆更科瑠夏! 4巻25話

 

ダブルデートの際、千鶴がレンタルであることが瑠夏にばれていました!実は瑠夏もレンタル彼女だったんです。そしてなんと、

 

私 更科瑠夏は宣誓します!

お2人の関係並びに 水原千鶴さんのご職業については

今後一切 口外しないと!

和也君が 私と付き合ってくれるなら!

私 和也さんのことがっ 好きなんですっ!

 

「和也が好きだ」という瑠夏のまさかの告白。千鶴がレンタル彼女であることを口外しない見返りに、和也の彼女になりたいと宣言されます。レンタル彼女をやっていること周囲に知られなくない千鶴は、恋心がないまま付き合うべきじゃないと和也に言いながら、結局コトを収めるためにお試しで付き合わせることにします。さすがに申し訳ない。

 

和也が瑠夏を本当に好きになればそれも一つのゴール。その一方で、和也との嘘の恋人関係がバレてしまう爆弾を抱えてしまいました。

 

 

◆え?ごめん何? 4巻29話

 

瑠夏にレンタル彼女であることをバラされたり、和也が瑠夏を本気に好きになれば、千鶴はもうレンタルしてもらう必要がなくなります。大学で瑠夏と和也の伺う千鶴。ふたりの関係が気になってしまいます

 

 

 

  お詫び お詫びだから

 

◆和也へのプレゼントを選ぶ千鶴 4巻30話

 

クリスマスにお客さんへのプレゼントを買いに行きます。千鶴は、下田で和也が海から飛び込んだ際に、スマホケースを壊してしまったことを見ていました。和也へのプレゼントを選ぶときにはとても楽しそう。和也に喜んでほしかったという気持ちは隠せません。

 

 

 

◆お詫び お詫びだから 4巻31話

 

そこへ、なんと和也が登場!昼間から跡をつけて来たみたいです。利用規約もあったものではありません。千鶴は、和也のストーカーまがいの行為に驚きますが、

 

水原が悪い男に騙されてんのかもって思ったら 俺 ほっとけなくて…

 

と言われた千鶴は、気恥ずかしいのか何なのか。自分を心配してやってしまったことだと知って、彼を責める気にはなれません。

 

お詫び お詫びだから

 

そう言ってクリスマスプレゼントを渡します。お詫びだと言ってしまいましたが、喜んでほしい気持ちは確か。喜んで泣いてしまう和也に寄り添います。やっぱり和也のことは放って置けません。

 

 

 

  あなた私の事スキ? レンタル彼女と客の”協定”

 

◆あなた私のことスキ? -レンタル彼女と客の”協定”- 4巻32話

 

クリスマスに利用規約ぎりぎりのことをされた千鶴は、和也との関係をはっきりさせようと決めます。

 

あなた 私の事 スキ?

 

和也が「好きじゃない」というと、その言葉待っていたと言わんばかりに「だよね!」と即答。和也が千鶴を好きでないと分かると、「恋愛感情のない大人の付き合いをしましょう」と言って、和也とは恋愛感情なしの『協定』関係であると釘を刺します。お客さんとしては好き、でも恋愛する(恋人関係を築く)気はさらさらありません。

 

千鶴にとって和也は、ほっとけない、気になる男の子と言う感じ。ただ、その小さな恋心のような『何か』が、和也と本物の恋人関係をつくる方へと向かわず、レンタル彼女として一緒の時間を過ごしたい気持ちへと繋がってしまいました千鶴の頭の中では、「和也は応援したい存在で、レンタル彼女の仕事としてふたりで過ごす時間は楽しいし、レンタル彼女として色々やってあげてる」です。でもそのモチベーションがどこから来るかと言われたら、本当はレンタル彼女としてのやりがいだけでは説明がつかないはずです。

 

 

 

  和也君のこと 好きなんじゃないですか!

 

◆私が”彼女”になって千鶴さんがフェードアウトする それが最善の手だと思いませんか? 34話

 

お正月、和也との嘘の恋人を演じていたところに現れたのは、仮彼女更科瑠夏。誰にも嘘の恋人であることをバラさないことを条件に認めた和也との交際だったはず。なのに、あっさりと彼女宣言をされてしまいます。

 

瑠夏に約束が違うと言う千鶴ですが、

 

私が”彼女”になって千鶴さんがフェードアウトする

それが最善の手だと思いませんか?

 

この言葉に千鶴は、まともに反論することができません。「そんな上手くいかないわっ」と根拠のないことを言ってしまいます。

 

 

◆和也さんの彼女でいたいのは千鶴さんなんじゃないんですか? 5巻34話

 

和也さんの”彼女”でいたいのは 千鶴さんなんじゃないですか?

 

瑠夏に、その気がないなら身を引くべきと忠告され、まったく反論することができません。

 

◆何よ… 千鶴 5巻34話

 

瑠夏の言う通りです。本当は嘘をついて恋人同士のフリをしているなんて間違っている。和おばあさんを悲しませず、和也に本物の彼女を作ってあげるためには、彼と瑠夏の恋を応援した方がいい。それですべて解決する。なのに、どうしてか納得がいかない。私が和也の『彼女』でいたいと願ってしまう。瑠夏に図星を言われてしまいました。

 

 

 

  幸せにすると誓った女性だし

 

和也は瑠夏の一件で、栗林くんが女嫌いになってしまったのではないかと心配していました。栗林くんとデートして欲しいと依頼されます。一度は、「なんでよっ」と言って、断りかけますが。

 

水原とデートしたら 誰だって 彼女欲しいと思うだろうし…

 

そう言われて、嬉しくない千鶴ではありません。「レンカノのことがバレて恥かくのはあなたよ?」と和也を心配しますが、

 

 

◆やっぱフェアじゃねーよ! 5巻39話

 

俺だけ『S級美女持ち』なんてフェアじゃねーよ!

 

馬鹿にされることよりも、落ち込んでいる栗林くんのことを心配する和也。相変わらず芝居がかった言葉ですが、千鶴はまた一つ和也の素敵なところを見つけます。だから、レンタルの依頼を受けることにします。



◆…うん ”好き”か そうだね どうかな? 39話

 

栗林くんとのデートの別れ際、「無いだろ?客に本気になるなんて…」と聞かれた千鶴は、和也のことを考えます。

 

…うん ”好き”…か そうだね どうかなっ?

 

和也と自分の関係が今後どうなるのか、どうしたいのか、千鶴にも良く分かってないようです。でも、和也といつか本当の恋人になることは否定はしませんでした。

 

【補足】クリスマスの後(32話)、千鶴が和也の「好きじゃねえよ」の言葉に即答した(好きじゃないと言ってくれることを期待した)ことを考えると、今すぐ和也と恋人になることについて「どうかな?」と答えたと解釈するには矛盾が生まれます。和也と千鶴の今後を見て、あるかもしれないし、ないかもしれないし、よくわからないと言う意味です。

 

 

◆そのことなら もう… 5巻40話

 

レンタル彼女と客の関係を通して、和也という人を知っていった千鶴。和也が、おばあちゃん思いで、ここぞの勇気がある人で、根はやさしくて、恋には一途で、友達にも真剣に向き合って、信頼できる人だと分ってきたはずです。

 

利用規約を見ればあまりよろしくはない、でも見方を変えれはただのお隣さん。プライベートでは絶対に関わらないという立場をとっていましたが、和也とお隣さんとして付き合おうとします(が、瑠夏の下着の一件で和也に伝えそびれます)。

 

このとき千鶴は後輩のレンタル彼女の桜沢墨とのデートを和也にお願いするつもりでした。でも本音では、何かをきっかけに、お隣さんとしても付き合いたかったのでしょう。和也の認識では7巻まで「フェアなお隣さん」は持ち越しです。少しかわいそうな気がしますね。

 

◆でも一度は幸せにすると心に誓った女性だし 41話

 

千鶴には、「女優になって、映画に出ている姿を小百合おばあちゃんに見せたい」という夢がありました。どうしてもかなえたい夢でした。レンタル彼女の仕事も、演技のレッスンもすべてそのためにやってきたのです。そして、夢を掴むチャンスが訪れます。次の舞台公演がうまくいって演出家の目に留まれば、映画出演が決まるのです。

 

しかし、もしそうなれば、レンタル彼女を辞めなければいけません。その前に本物の彼女を作るという和也との約束を果たさないといけない、と責任を感じています

 

その晩、千鶴は和也に墨ちゃんとの練習デートをお願いした後、今和也が麻美ちゃんをどう思っているのか聞きます。

 

露骨に険悪だよ… あれ以来一言も口利いてねぇし

たぶんもう俺のことなんてなんとも…

正直俺も最近はよく分かんなくてさ…好きなのか…なんなのか…

でも一度は幸せにするって 心に誓った女性だし

その気持ち 1クリックで削除するのは なんかちょっとチャラい気がして…

 

和也は簡単に麻美さんを忘れることなどできるはずなく、まだ思い続けているんです。彼にとって麻美は「幸せにしたいと誓った人」。レンタル彼女、それはお客の恋の応援役。レンタル彼女として和也をずっと見てきた千鶴には、彼の恋心がとても大切なものに映ります

 

 

◆私 レンカノ 辞めようと思うの 5巻45話

 

「不良から助けてもらった」と墨ちゃんから報告を受けた晩、千鶴は、レンタル彼女を辞めようと考えていることを和也に打ち明けます。自分の夢をかなえるためには仕方がないことです。

 

ここら辺が 潮時かなって…

 

和也は、「俺のワガママに巻き込んじゃってるだけだし!」と言って、気にしないで欲しいと言います。でも、千鶴はそんな気にはなれませんでした。

 

あなたの”彼女”については 最後まで手を尽くすわ

 

たとえレンタル彼女の仕事を辞めたとしても、彼との約束はちゃんと果たしたいのです。彼がお金を払ってくれるからではなく、千鶴自身が彼の力になりたいと思って続けてきたことなんですから。

 

 

 

  君がいいっ 君が!

 

◆これでいい…!! これでいいの… 6巻45話

 

和也に本物の彼女を作ってあげると改めて約束した翌日。彼のためにも、できることならレンタル彼女の仕事を続けたい。必要であれば嘘の彼女も演じるし、彼からの相談も受けてあげたい。しかし、自分の夢を叶えるためには続けられない。

 

これでいい…!! これでいいの…

 

千鶴は自分の選択は間違っていないと自分に言い聞かせます。やっぱり和也との関係を失うことに未練を感じてしまいます。このままでは、本物の彼女を作るという、和也との約束も果たせるか分かりません

 

 

 

◆もう”恋人ごっこ”は…やめて? 47話

 

その日のレンタルで、お客の”MAYA”として現れたのは和也の元カノ麻美!

 

もう ”恋人ごっこ”はやめて

 

和也とのレンタル関係を終わらせるよう忠告されます。自分と和也が嘘の恋人関係を続けていたことに不満を言う麻美。その言葉を聞いた千鶴は、麻美にはまだ和也への思いがあるのかもしれないと考えたのかもしれません。

 

でも一度は幸せにするって 心に誓った女性だし

 

千鶴は和也の言葉を思い出し、麻美にちゃんと和也と向き合うよう、説得にかかります!

 

…あなたは どう思ってるんですか? 和也さんのこと

和也さん 私にも話してました…

あなたは”幸せにする”と心に誓った人だったって

簡単に忘れられない人だって…

 

 

◆和也さんは 私の”彼氏”です 48話

 

和也さんは 私の”彼氏”です

 

麻美に和也のことをどう思っているかと聞かれた千鶴は、『彼氏』だと言い切ります。レンタル彼女、それはお客(彼氏)の恋を応援する仕事。嘘の恋人関係を通して和也という人を知っていった千鶴は、彼がクズで情けなくてドジでバカだと言われても、でも本当は、素敵な人だと知っています。おばあちゃん思いで、命を張って私を守ってくれて、根はやさしくて、恋には一途で、友達にも真剣に向き合って、そういう彼の良いところを知っているんです。千鶴から見てもちゃんと彼氏が務まる人です。だからこそ、レンタル彼女として、彼の力になってあげたかった。「幸せにすると誓った」という和也の尊い恋心を守ってあげたかった。彼の真剣な恋心を麻美に分かって欲しかった。和也に本物の彼女を作ってあげたかった。

 

だから千鶴は、何も答えず帰ろうとする麻美を見て、腕をつかんで引き止めます。

 

まだ話は…っ 終わってない…!!

ちゃんと考えてください

和也さんのこと…っ

 

 

誰かをちゃんと好きになれるって 実は難しいことなんだって 49話

 

レンタル彼女やってると 分かるんですっ!

人の”恋心”はすごく尊いものだって!

誰かをちゃんと好きになれるって 実は難しいことなんだって!

 

あなたは 和也さんの気持ちに 本気で向き合ったことがありますか!?

恋心を真剣に 受け止めようとしたことはありますか?

 

 

この人が私を一生幸せにしてくれる人かも知れないって考えたことありますか? 6巻49話

 

この人が私を一生幸せにしてくれる人かも知れないって考えたことありますか?

 

和也の気持ちを受け止めて欲しいと、彼があなたを一生幸せにしてくれる人かもしれないんだと訴えます。

 

うざ 私と和くんの問題でしょ

 

しかし、思いは届かず。麻美はそう告げて去っていきました。

 

 

◆うざ 私と和くんの問題でしょ 49話

 

和也の力になれず、悔しさが残ります。和也さんは優しくて、ちゃんとした人で、大切な人を大切にできる人なのに、どうして麻美さんは彼と向き合ってくれないんだろう。そんな悔しい気持ちでいっぱいだったはずです。

 

 

自宅への帰り際、和也にばったり遭遇。和也が、さっきの麻美との口論を見ていたことを知ります。

 

◆あなたに彼女 作ってあげられなかった… 49話

 

悔しさの残る千鶴は、和也に謝ります。そして、もう一度自分の気持ちを告白するのもありだと伝えます。

 

だとしたらごめんなさい

あなたに彼女 作ってあげられなかった…

 

あなたが それで気持ちの整理がつくなら

もう一度ちゃんと麻美さんに告白するのもアリなんじゃない?

 

 

そのとき!

 

君がいいっ 君が!

 

 

◆君がいいっ 君が! 6巻50話

 

和也は、麻美ではなく私がいいと言うのです。

 

 

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◆え? 君がいいってどういう意味? 7巻50話

 

え? 君がいいって どういう意味?

 

千鶴から見ても彼氏が務まる人、ひとりの女性を幸せにすると誓える人。そんな彼からの告白に、戸惑ってしまう千鶴でした。

 

満足度②へつづく)

 

■ 7-12巻・前編 水原千鶴の恋物語 満足度②

 

 

 

 

  1-6巻 感想

 

ここまで長い解説につきあっていただきありがとうございました。千鶴は、あるとき突然和也への印象や態度が変わるなんてのはなくて、ちょっとした変化を積み上げて積み上げて恋を始めるヒロインです。そんなセンチメートル単位でしか縮まらない関係を解説するのもそうとう説明が必要です、泣けてくる。それだけ二人の関係性を丁寧に描いてある漫画ってことなので、どうか許してください。

 

こちらの記事は、自分の認識が変わったので、大幅に書き直しました(【雑談】恋のようで 恋でない)。恋のようで恋でない”何か”が、千鶴の場合は恋人関係を築く方ではなく、レンタル彼女として和也の恋を応援する方へと向かってしまったって話です。まぁ、千鶴の恋は、和也の力になってあげたいっていう気持ちから始まりましたね。

 

その際に、もう一度丁寧に読み返し、千鶴の気持ちの流れを意識した書き方に変えました。特に6巻の48、49話では、あのとき千鶴が何を考えていたのか、はっきり書いていています。千鶴にとって和也がどれだけ大切な存在になっていたのか、「君がいいっ」の一言がどれだけ刺さったのかを(笑)感じていただけると嬉しいです。

 

では、次回は7巻から12巻までを解説していきます。アニメ勢の皆様(2021年2月現在)はここでお別れです。このあと、ついに千鶴の恋も走り出すんでしょうか?

満足度②へつづく)