【解説】【174話】 「理想の彼女は私」だと知った千鶴は?! | 恋心、お借りします

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【解説】【174話】 「理想の彼女は私」だと知った千鶴は?!

 

はい、どーも。かのかり楽しんでますか?

 

今回は174話 和也の「理想の彼女は水原で!」を聞いて、千鶴が顔を真っ赤にしてベッドに伏せたシーンの解説です。

 

◆馬鹿みたい…っ 私… 174話

 

馬鹿みたい…っ 私…

ああもう なんとかしないと…

 

千鶴は「俺の理想の彼女はさ」が和也の本心だと分った後、ベッドに顔を伏せ、こういいます。

 

”馬鹿”ってなんだろうと、”なんとかしないと”ってどういう意味?そう疑問に思った方は、是非読んでください。

 

 

 

  好きな人に?!

 

馬鹿みたい…っ 私…

 

実はこのシーン、千鶴の言葉だけに注目して、”馬鹿”って何だろうと、いくら考えても、延々と答えは出てきません。注目すべきは、千鶴が「馬鹿みたい…っ 私…」と言うまでに何をしてきたかです。

 

あなた わたしのこと好き?

 

 

◆あなた 私のこと好き? 173話

 

そう聞いて千鶴は和也の気持ちを確かめようとしました。

 

意外かもしれませんが、千鶴は、自分だけが勝手に和也に恋をしているだけで、彼は私のことを何とも思っていないと考えていましたずっと深刻だった千鶴の葛藤)。だから千鶴は、ふたりの間では恋愛なしという協定レンタル彼女と客の協定)を守って、レンタル彼女として彼の恋を応援するしかなかったんです。勇気がなくて恋に踏み出せなかったわけではありません。

 

しかし「俺の理想の彼女はさ」という和也の言葉を聞いてはじめて、「和也も、私のことが好きなのかもしれない」と少しだけ信じることができました(詳しくは20巻 水原千鶴の恋物語 理解度⑥)。そして、頼れる人は彼しかいないというくらい、好きで好きでたまらなくなってしまったんです。

 

そこで千鶴はやっと和也に「あなた わたしのこと好き?」と聞く決断ができました。そうやって、やっと言えた言葉なんです。そして、和也に自分の気持ちがバレてしまうかもしれない、でも叶うなら本当の恋人になりたいと、千鶴の勇気と願いがこもった言葉だったんですね。

 

あなた わたしのこと好き?

 

このとき和也は黙ったまま答えませんでしたが、帰り際に「理想の彼女は水原で!」とちゃんと伝えてくれます。

 

好きで好きでたまらない人に、「好きだよ」と言ってもらえたなら、だれでも嬉しくて嬉しくて仕方がないですよね?

 

勇気を出して聞いてよかった

和也もわたしと同じ気持ちだった

 

これが、「馬鹿みたい…っ 私…」と言ってベットに面を伏せたシーンの意味です。めちゃめちゃシンプルです。

 

「馬鹿みたい…っ 私」という言葉を、すごく自分らしくないことをしてしまった…、下手なことをしてしまった…という気持ちだと解釈することもできます。千鶴が感情を抑えきれず和也に「あなた私のこと好き?」と聞いたのに、自ら誤魔化ししてしまい、一度は諦めかけてレンタル彼女として応援するようなことを言ってしまって、最後には和也の告白へ答えることから逃げてしまった。そうやって感情に振り回されてしまった自分を「馬鹿みたい…っ」と言っているのかもしれません。僕は最初そう思ってました。

 

しかし、千鶴が自分の恋心に気づいた後(86話)【解説】超重要回 水原千鶴が「私 和也が好き」と気づいた瞬間!、ずっと抱えていた「私だけが勝手に好きになってるだけ 和也は私を好きになってくれない」という葛藤を考えたら、それでも今和也に傍にいて欲しくてたまらないという千鶴の願いを考えたら、この場面で一番強く感じるものは、「好きでいてくれて本当にうれしい 聞いてよかった」のはずです。この気持ちを表現する方が、前後のシーンとも奇麗に繋がりますしね。

 

 

 

和也に好きだと言ってもらえたこの場面、ベッドに伏せてしまった千鶴からは表情も読み取れないし、言っていることも良く分かりません。それでも、これまで抱えてきた千鶴の葛藤と願いを考えたら、このときの千鶴は、好きだと言ってもらえて嬉しくて嬉しくて仕方がない、恥ずかしくて仕方がないという気持ちでいっぱいなはずです。

 

だから、「馬鹿」や「私」の意味が重要かと言われたら、そうではありません。たとえコレが「あーもうっ」でも「はぁ…」でも、それこそ「…」でも、ココで表現したい気持ちは変わりません。物語の中で「千鶴が好きで好きで仕方がない人に、自分を好きなのかを聞いて、好きだと言ってもらえた」ということさえ描けていたら、どんな言葉でも成立してしまうんです。その中で、もっとも千鶴らしい言葉が「馬鹿みたい…っ 私…」だったって感じですね。

 

千鶴が自分自身に「バカ」というときは、決まって気持ちが高ぶってしまったときです。冷静でいられず普段通り合理的な判断ができなかった自分を、”バカ”と言っているのでしょう。

 

◇和也に女優の才能があると励まされたとき 55話

ありがとう この間… 才能あるって 言ってくれて…

嬉しかった バカみたいだけど 

 

◇和也に来なくていいと言われたのに誕生日会に向かったとき 86話

馬鹿ね わたしも 

 

◇和也に映画製作をお願いしたとき 104話

私… どんなカオしてたかな… あーもう 馬鹿っ

 

「嬉しくて嬉しくて、こんなに喜んでしまっている私、バカみたい」という意味ですね。

 

 

 

 

  「あなた わたしのこと好き?」の真意

 

ああもう なんとかしないと…

 

◆ああもう なんとかしないと… 174話

この言葉の意味は、ふたりの間にある恋愛なしの協定(レンタル彼女と客の協定)を見直して、それを破棄し、恋人になろうという意味です。 

 

千鶴が和也に「あなた わたしのこと好き」と聞いたのは、単に彼の気持ちを知りたかったからだけではありません。厳密に言えば、ふたりで決めた”協定”を見直したかったんです。ふたりの間では恋愛はなし、千鶴が和也の恋を応援するという約束ですね。

 

 

◆レンタル彼女と客の協定の見直し 173話

和也も同じ気持ちだと分ったなら、好きだと言ってくれるのなら、恋愛なしの協定を破棄し、恋人になろうと千鶴は言いたかったはずです(実際に言ったか、言えるかは別にして)。

 

和也も同じ気持ちでいてくれたことは分かりましたが、まだふたりで協定を見直して、合意のうえ破棄しましょうというところまでは至っていません。それなら、千鶴が今やらなきゃと思っていることは一つです。ふたりの間の”協定”の見直しと、破棄です。

 

ああもう なんとかしないと

 

「恋愛なしの、千鶴が和也の恋を応援するという立場を捨てて、恋人になろう」という意味以外ありません。実際には、恋人になるためにやらなきゃいけないことは、瑠夏ちゃんの問題を何とかしないとけないとかもありますが。

 

ただし、千鶴は好き避けをしてしまうような、自分の好きという気持ちを伝えるのが苦手な子です。彼女にとって、ふたりの関係を変えるために具体的なアクションを起こすのは難しいことだったようです。この言葉には、それがちゃんとできるのか不安だという気持ちが強く表れています。