【解説】超重要回 水原千鶴が「私 和也が好き」と気づいた瞬間! | 恋心、お借りします

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(自称)水原千鶴を応援する会の会長。
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【解説】超重要回 水原千鶴が「私 和也が好き」と気づいた瞬間!

 

はいどーも!かのかり楽しんでますか!?

 

今回は、千鶴が「私 和也が好き」と気づいた瞬間について解説します!

 

え?そんなこと千鶴は言ってたっけ?と思ったあなた!是非とも読んでいった下さいな。「彼女、お借りします」が10倍楽しめますよ!

 

それは11巻、瑠夏ちゃんのキスが話題をさらった和也と千鶴の合同誕生会のことでした…

 

 

 

  レンタル彼女として傍にいてあげる

 

話をさかのぼれば、6巻49話 「君がいいっ君が」と和也に告白されたとき、いや、4巻32話、クリスマスの後和也に「あなた 私のことスキ?」と聞いたときまで戻らなければなりません。

 

クリスマスに和也に尾行され、利用規約ぎりぎりの行為(というか違反)をされた千鶴は、和也とのデートで2人の関係をハッキリさせます。

 

あなた 私のこと スキ?

 

 

◆あなた 私のこと スキ? 32話

和也が「好きじゃない」というと、その言葉待っていたと言わんばかりに「だよね!」と即答。和也が千鶴を好きでないと分かると、「恋愛感情のない大人の付き合いをしましょう」と言って、和也とは恋愛感情なしの”協定”関係であると釘を刺します。

 

これからも 和也にレンタルしてもらいたい

 

このときの千鶴は、お客さんとして和也が好き、嘘の恋人関係も楽しいんです。クリスマスプレゼントくらいで勘違いされたり利用規約違反が続いたりすると、千鶴はレンタルしてもらうことができません。だから、ふたりの関係をハッキリさせたんですね。

 

このときには、彼と恋愛をする(リアルで恋人関係を築く)気は全くなかったんです

 

でも、恋心がないわけでないんです。いや、むしろ”恋をしていた”と言ってしまえば、そうなのかもしれません(【雑談】恋のようで 恋でない)。

 

瑠夏ちゃんに「和也君のこと好きなんじゃないですか!?」と問い詰められたときには、なぜ嘘の恋人を続けるべきなのかまともに反論できなかったんですね(34話)。瑠夏の言葉を思い出し、改めて自分の気持ちを見つめ直すも答えは出ず(36話)。その後、栗林に「お客に本気になることなんて無いよな?」と聞かれると、「どうかな?」とその可能性を否定しなかったんです(39話)。

 

◆和也君のこと好きなんじゃないですか?(34話)

 

 

◆どうかな?(39話)

 

まだ大きな恋心ではない。でも、レンタル彼女と客という関係を通して和也に惹かれていたんですね。千鶴自身は自覚していませんが、レンタル彼女として和也に協力するのも、千鶴自身が彼と繋がっていたいと望んでいたからなんです。

 

 

 

出会った当初から千鶴は、和也への好意を、「レンタル彼女として協力してあげる」という形で示してきました。和也がバカでクズだと言われても、本当はおばあちゃん思いで(3話)、海では命がけで私を助けてくれて(15話)、友達想いで(39話)、根はやさしくて、恋には一途で(41話)。そういう和也の素敵なところに気持ちを動かされるから、レンタル彼女として協力したいと思ったんです。千鶴自身はなかなか言葉にはしませんが、それは作中で明確に描かれています。

 

 

◆安心してっ 私が”彼女”でいる間は 放っておいたりしないから 20話

 

 

◆んっ 21話

 

 

◆和也さんは 私の”彼氏”です 48話 

 

本当の彼女を作ってあげると約束したり(20話)、凹んでる和也を励ましたり(21話)、栗林とのデートを受けたり(39話)、麻美に和也の想いを届けようとしたり(49話)。それはすべて、千鶴がダメな男の子が好きだったからでも、超お人好しだからでもなく、単純に和也の言葉や気持ちに心を動かされたたから、千鶴にとって和也が素敵な人に映ったからなんですね。

 

千鶴は自分の小さな”恋心”に気づくことなく、その気持ちが「レンタル彼女として彼の力になりたい」という形で現れてしまっていたんです

 

千鶴自身の認識は、

 

和也と嘘の恋人を続けているのは おばあちゃんたちのため

本物の彼女をつくる約束を果たしたい

すべて レンタル彼女としてのやりがい

お客さんのために やってあげている

 

コレなんです。でも、和也の傍にいたい、彼の力になりたいという気持ちがどこから来るかと言われたら、仕事のやりがいや「おばあちゃんたちのため」だけでは説明できないんですね。

 

 

 

 

  和也が私の彼氏!? 君がいいっ君が!

 

しかし、その思い込みに一瞬だけ風穴を開けたのが、この言葉!

 

君がいいっ 君が!

 

あの日麻美との対決で、千鶴は和也の「幸せにすると誓った」という恋心を麻美に届けるため、全力を尽くします。それはもう、レンタル彼女としてのプライドですよ!恋の応援役という立場で、和也をずっと見て来た千鶴は、彼がどれほど真剣に麻美さんを想っていたか知っています。大切な”彼氏”のために、千鶴は彼の恋心を絶対に麻美に分かってもらいたかったんです。「幸せにすると誓った」その想いに、ちゃんと向き合って欲しかったんです。

 

◆この人が 私を一生幸せにしてくれる人かもしれないって 考えたことはありますか? 49話

 

どうして 彼のこんなに尊い想いを

受け取ってあげないの!?

和也が あなたを一生幸せにしてくれる人なのかもしれないのに!

 

そう麻美に訴えます。

 

和也さんのために ちゃんと向き合ってほしい

幸せにすると誓った 彼の恋心を分かってほしい

千鶴はこの気持ちでいっぱいだったはずです。でも結局麻美には届かず、悔しさが残ります。

 

帰り際に和也に出会うと、その想いを分かってもらうために麻美に告白するのもアリなんじゃない?と提案します。


そのとき!

 

◆君がいいっ 君がっ! 49話

 

君がいいっ君がっ!

 

まさかの和也からの告白!麻美行きだったはずの彼の恋心が、千鶴自身に向かってくるんですね!

 

え?幸せにするって 私のこと?

 

「君がいいって どういう意味?」と返した千鶴からすれば、ビックリですよ。

 

和也目線でみてたら、無鉄砲な勝ち目のない告白です。「和也、馬鹿だなw」と思った方も多いかと思います。僕もそうでした。でも、このときの千鶴としては、彼氏として和也はアリなんです。レンタル彼女と客という関係だっため、その気持ちに気づかなかっただけなんですから!

 

このとき千鶴ははじめて

 

もし 和也が私の本当の彼氏だったら…

 

一瞬だけですが、ずっとお客だと思っていた和也を、自分自身の彼氏、本物の恋人として見てしまったわけですね。千鶴自身にこの人ステキだなって気持ちがあるんですから、それはドキッとしちゃいますよ。

 

その後、和也に「レンタル彼女として…」と言われて、レンカノなら「君がいいっ」と言う意味なんだ分かります。「君がいいっ!君がっ!」という和也の言葉を、レンカノとしてこれからも協力して欲しいという意味なんだと理解したわけです。

 

 

◆なによ さっきのばーかっ 50話

 

なによ さっきのばーかっ

 

和也の前では平静を装っていましたが、ひとりになると、戸惑いを見せてしまいます。「レンタル彼女として」と言われて、どうしてかがっかりしてしまった自分がいたのかもしれません。でも、千鶴自身もなぜ「君がいい」と言われてこんなにも戸惑ってしまうのか、このときは理解できなかったんです。

 

このときにはまだ、和也への”恋心”の芽が出たばかり。千鶴はこの気持ちが
”恋心”だとは理解できなかったんです
。いや、もしかしたら、薄っすら気づいたのかもしれません。でも結局、和也と嘘の恋人関係を続けたいという思いは、「レンタル彼女として彼の力になってあげたい おばあちゃんたちのため」って理解したままで終わったわけです。

 

それでもこのとき感じた”何か”は彼女の記憶に残ったんですね。

 

 

 

 

  膨れ上がった恋心

 

このときには自分の気持ちを正しく理解できなかった千鶴ですが、彼女の恋心はここから一気に走り始めます。

 

水原に才能がないわけ無いだろ!

だから諦めるなんて言うな!

 

 

◆だから 諦めるなんて言うなっ! 53話

 

千鶴の夢は「映画に出ている姿を小百合おばあちゃんに見せること」でした。しかし、期待していた舞台出演が映画出演へと繋がらず、泣いてしまうほど落ち込みます。そんなとき、和也が味方になってくれたんですね!

 

和也は女優としての千鶴(一ノ瀬ちづる)を応援したいと、毎週千鶴をレンタルすると言います。まぁ、バカです。

 

でも千鶴は、そう言ってもらえたことがめちゃめちゃ嬉しかったんですね!

 

 

◆多すぎよ 馬鹿っ 53話

 

和也が予約を入れてくれたことに、嬉しさのあまり涙を流します。

 

レンタル彼女として応援する側だった千鶴ですが、はじめて応援される側にになります。ここから、恋心が一気に走り始めます!

 

和也と仲良くしたい!傍にいたい

 

この気持ちが溢れちゃうんですね!

 

◆フェアなお隣さん宣言! 57話

 

フェアなお隣さん宣言をして、プライベートでもお隣さんとして付き合ってほしいって伝えます。自らハイタッチを求めてはしゃぐ千鶴からは「仲良くしたいっ」って気持ちが溢れてますね。

 

レンタル彼女の千鶴は極力お客とプライベートな関係は持ちたくないんです。それでも、和也とは一緒にいたんです。朝「おはよう」とあいさつしてくれたり、ベランダで話しかけてくれたりしてくれることが、嬉しいんですよ。もっと、そういう時間が欲しいんですね。

 

 

◆馬鹿っ 傍にいて欲しいって言われて 断れるわけないでしょ? 61話

この晩、千鶴は和也に自分の夢を語ります、小百合ばあちゃんに自分が映画に出ている姿を見せたいという夢を。こんな子供っぽい夢も、この人ならちゃんと聞いてくれると思ったんでしょう。

 

やっぱ水原見てると 格好良くてさっ

俺…見たいんだよ 君が夢を叶える姿を

心の底から

だから 傍にいたい…

ずっと…君の傍に…

ダメ…かな…?

 

すると和也は、千鶴が女優として夢を叶える姿を見たい、だからずっと傍にいたいと答えます。いやいや、普通に聞いたら「何言ってんのコイツっ」って言葉ですよw でも千鶴には、違ったんですね。

 

褒められることが大好きな千鶴には、和也の言葉はとても嬉しかったんです。味方でいてくれる人に傍にいたいと言ってもらえて、心強かったはずです。

 

ずっと…?

馬鹿っ

傍にいて欲しいって言われて 断れるわけないでしょ?

それが ”レンタル彼女”なんだから

 

傍にいたいという和也に、”彼女”として傍にいてあげると千鶴は答えます。


あくまでレンタル彼女として和也と付き合っていると千鶴は思っています。だから、こういう言い方をします。でも、自分の気持ちを正しく理解できてないだけ、素直に言えないだけ。

 

私も 和也に傍にいて欲しい

 

これが千鶴の本心なんですね。

 

その他、和也が自分のことを大切に思って誕生日プレゼントをくれたり、飲み会では一生懸命にかばってくれたり、やり方はスマートではないけれど、その気持ちに惹かれていくんですね。

 

千鶴にとって和也は、一緒にいたら楽しいし、元気がもらえるし、そんな大切な存在へと変わっていきました。当然、デートの仕方も変わってきます。

 

 

◆遠慮しないっ 79話

 

別に デートプラン考えてくれるのは 悪いことじゃないしっ

遠慮なんかしないでっ 今日はとことん付き合うからっ

 

その後の制服デートでは、やりたいことを口にできない和也を見て、遠慮しないようにと促します。レンタル彼女としてこういう言い方をしますが、千鶴の方もこのデートを楽しみたいんです。

 

チュロスの分け合いっこやプリクラ撮影、「観覧車に乗ろう」と言うなど、ふたりのデートをリードしていきます。

 

千鶴自身はまだ自覚していません。でも、確実に千鶴の恋心は膨らんだわけですね。

◆前ハグにドキッ 80話 

 

だから、こんなに和也にドキドキしてしまうんです。

 

 

◆レンタル彼女継続 10巻82話

制服デートの帰りがけ、自分の夢を応援してくれている和也に、新しい舞台が決まったことを報告します。

 

和也にきゅっと手を握られ、レンタル彼女を続けられないんじゃと和也が心配していると思った千鶴は

 

安心してよ そんなに不安がらなくても すぐ消えていなくなったりなんか…

 

そう伝えます。しかし、和也は安心するかと思いきや新しい舞台が決まったことが嬉しいようで…

 

なんかめっちゃ 嬉しくて…!!

 

千鶴は応援されれば嬉しかったはずなのに、嬉しいような困ったような表情を浮かべます。本当は、「レンタル彼女を続けてくれて嬉しい」と言ってほしかったんでしょうね。

 

女優の仕事がうまくいってそれに専念すれば、レンタル彼女を続けるのは難しくなります。

 

応援してくれるのは嬉しいけれど

やっぱり 和也の傍にいられなくなるのは 嫌

 

和也との嘘の恋人関係やデートの時間を失うのが、やっぱり嫌なんですね。

 

 

 

 

  この気持ちはいったい…?

 

そして、やっと自分の恋心に気づいたのが和也との合同誕生日です(86話)。ま、よくありますよね。ただ一緒にいたら楽しいなと思っていたくらいの子が、実は恋人がいたりして、それを知ってすごくがっかりしちゃうみたいな。そこで初めて、あー結構その子のこと好きだったんだな…って気づくこと。ちなみに僕はありますw それの強化版だと思ってください。

 

 

◆6時からなら行ける 10巻83話

 

今日は和也の誕生日。和おばあさんの計らいで、千鶴の誕生日も祝ってくれるとのこと。

 

千鶴は、和也からの誘いを受けても嬉しそうな顔一つ見せませんよ。レンタルされてあげるって感じです。

 

でも、今の千鶴にとって、和也は一緒にいたら楽しいし、傍にいたいって思うような男の子です。ふたり合同の誕生日会が楽しみじゃないはずないじゃないですか!

 

すごく楽しみ 行きたい

 

これが本心です。

 

ところが、開始時間がおばあちゃんの見舞いの時間と被ってしまっていました。小百合おばあちゃんの様子も気になります。でも、やっぱり誕生日会に行きたいので、千鶴は早めに切り上げて誕生日会へ行くと和也に提案します。初めて千鶴の方から提案したレンタルでしたね。

 

 

 

しかし誕生日会当日、小百合おばあちゃんの調子が悪く、千鶴はなかなか病室を離れられません。

 

◆はぁ 84話

 

誕生日会を楽しみにしていた千鶴は、時間を気にしてため息をつきます。和也と一緒にいられるはずだった時間はどんどん減っていきます。このまま誕生日会へは行けないかもしれません。

 

千鶴は、行けなさそうだと和也に伝えるため、LINEで連絡を取ります。

 

そこで和也から聞いたのが、瑠夏ちゃんの乱入です!

 

 

 

◆今日で和也君は 正真正銘 私のものにして見せます! 86話

 

おばあさんも すっかり私のこと 気に入ったみたいで

もう千鶴さんは必要ないかもですねっ!

今日で和也君は 正真正銘 私のものにして見せます!

 

ずっと抱えていた瑠夏爆弾が爆発寸前!千鶴の脳裏には、初詣にいったとき「彼女宣言」をする瑠夏の姿が浮かびます。爆弾が爆発するのも時間の問題かもしれません。もしそうなれば、和也の本当の彼女は瑠夏で、千鶴はただのレンタルであることが知られてしまいます。和也との関係が嘘だとバレてしまえば、千鶴は和也にレンタルしてもらう理由がなくなってしまいます。

 

 

◆全然大丈夫じゃないじゃん…! 86話

 

全然大丈夫じゃないじゃん…!

るかちゃんは大激怒してたけど…!?

これじゃあ”初詣”の再来…!

レンカノのことだって 言わない保証は…

 

和也には、何とかするから来なくていいと言われています。それはお客さんからのキャンセル。でも、千鶴はそんな気にはなれない。不安で不安でたまりません。

 

千鶴にはもう、和也とのデートの時間も、嘘の恋人関係も、和也と繋がれるすべてが大切なものになっていたんですね

 

 

◆あのね おばあちゃん 86話 

 

あのね おばあちゃん 実は今日 和也さん家に行く…約束があるの…

私の誕生会を してくれるとかで…

 

千鶴は小百合おばあちゃんに誕生日会へ行かせてほしいとお願いします。千鶴にとって世界で一番大切な存在である小百合おばあちゃん。そんな大切な人の体調が悪いのを放ってほいてでも、千鶴は誕生日会に行こうとするんです。和也との繋がりを失いたくないから。嘘であっても、おばあちゃんたちの前では”本物”の彼女でいられる時間を失いたくないから。レンタル彼女であっても和也とデートできる時間を失いたくないから。

 

 

◆でも なんで私 あんなこと言ったんだろう 86話

 

千鶴はこれまで、「すべてレンタル彼女としてやってあげている」と考えていました。和也との時間は楽しい、傍にいてあげたいと思っている。でも、それはレンタル彼女としてお客さんの力になってあげたいから、おばあちゃんたちを悲しませたくないからだと千鶴は捉えていたわけです。しかし、それだけではもう自分の気持ちに説明がつかなかったんです。だから千鶴は考えます、どうしてこんなに嘘の恋人関係を失いたくないんだろうと

 

おばあちゃんたちを悲しませたくないから?

レンタル彼女としての責任感?

和也が放っておけないから?

 

千鶴がたどり着いた答えは、あの日の和也の言葉でした!

 

 

◆千鶴のたどり着いた答え 君がいいっ! 君が! 86話

 

君がいいっ! 君が!

 

千鶴は口元をきゅっと結びます。

 

あの日和也に告白され、一瞬でも自分の恋人として彼を見てしまって感じた”何か”

 

私 和也にずっと恋をしてたんだ

 

おばあちゃんたちを悲しませたくないからでもなく、レンタル彼女の仕事だからでもなく、ただ千鶴自身が和也の傍にいたいと望んでいたんだ、和也が好きだったんだと気づいたんですね。

 

 

◆馬鹿ね 私も… 86話 

千鶴は、和也に恋をしていたと気づきました。ただの”嘘”だったはずの恋人関係。和也にとってはただのレンタル彼女、ただの協力者、恋人でも何でもない。そんな相手を、ひとり勝手に好きになってしまったわけです(千鶴の目線では)。

 

馬鹿ね 私も…

 

千鶴はそうつぶやき、和也の元へ向かいました。

 

このときから、千鶴のこころの一番深い部分にひとつの気持ちが生まれます。

 

レンタル彼女としてでは いつか傍にいられなくなる

和也の本当の恋人になりたい 嘘を真実に変えたい

 

頭では理解できていないかもしれません。なかなか認められなかったかもしれません、でも、このとき確実にこの気持ちが生まれたわけですね。

 

そして、このときにはもう千鶴自身も理解していたのかもしれません、この恋がいかに難しか…(【解説】ずっと深刻だった水原千鶴の葛藤

 

 

恋を自覚した千鶴は、それまでと同じように和也と接することができません。

 

◆そんなイチャイチャしてるなら 106話

 

そんなイチャイチャしてるなら もう付き合っちゃえば いいのに

 

こんな戯言のようなからかいも、恥ずかしくなってしまって、和也と顔を合わせることができません。

 

それまで、和也に対して顔を赤くしてしまうことはありました。でもそれは、和也におしりを触られて馬乗りになられるとか(59話)、前ハグをするとか(80話)、0距離感での濃いスキンシップがあったときのみでした。それまでの千鶴なら、プロデューサと女優の関係だと、ただのお隣さんだと、八重森の言葉をさらっと聞き流していたはず。ここで明らかに男の子として和也を意識する千鶴が描かれるんですね。

 

新キャラ八重森さんの登場の影に隠れて印象が薄いですが、106話は”恋を自覚した千鶴”がはじめて見られた超重要回だったといって良いでしょう。これを見せるために宮島さんは、わざざわ八重森さんにそんな言葉を言わせて登場させたわけです(おそらく間違いなく)。

 

さらに、瑠夏ちゃんと和也が一緒にいること(瑠夏のカレー)に嫉妬したり(111話)、小百合おばあさんに和也のことを相談したり(112話)、明らかに自分自身の恋人として和也を見ている千鶴が描かれます

 

 

◆ふーん 13巻111話

和也の本物の彼女は瑠夏ちゃんで、千鶴はレンタル彼女。基本的に和也とのプライベートな関係を持つことはできません。瑠夏ちゃんのように、一緒にいたいと言うこともできないし、デートに誘うこともできないんです。でも、本当はもっと一緒にいたいし、好きになってもらいたい。和也のために作ったオムライスも、美味しいと言ってほしくて作った全力オムライスでした。

 

私のカレーと千鶴さんのオムライス どっちが美味しかったですか?

 

仮の彼女が彼氏に手作りカレーを作っただけのことに、千鶴は嫉妬してしまいます。結局、和也は瑠夏のカレーの方が美味しかったと言うし、今後瑠夏に手作り料理を封印されてしまいまいました。

 

なかなか帰ろうとしない瑠夏に「ラブラブね」と皮肉まで言ってしまった千鶴。ドア越しに、和也と瑠夏が楽しそうにしているのを聞くと、「ふーん」と不満が漏れてしまいます。
 

 

 

◆私が…カレシ作った時…おばあちゃん…どう思った…? (112話)

 

千鶴の夢が途切れそうになったとき、また駆けつけてくれた和也(103話)。千鶴の目には、本当に素敵な人に映ったはずです。でも、ふたりの恋人関係は嘘。和也はただのお客だったはず。ただのレンタル彼女なのに、ひとり勝手に彼を好きになってしまった。和也が振り向いてくれる保証なんてどこにもない。レンタル彼女である千鶴は、お客とプライベートな関係を持つことはできません。デートに誘うこともできないし、なにか理由がないと会うことさえできません。当然「好き」と伝えることなんてできるはずもありません。むしろ、クリスマス後には和也に「好きじゃねぇよ」と言われ(32話)、小百合おばあさんが倒れたときには「付き合ってないだろ…?俺たち」(91章)と言われてしまいました。和也にとって自分はただのレンタル彼女、恋人でも何でもない。それがこのときの”現実”です。千鶴にとって初めての恋。きっと千鶴はすごく不安だったはずです。この恋に進んでいいのか、迷っていたのかもしれません。

この日、病院を訪れた千鶴は、世界で一番信頼している小百合おばあちゃんに、こう尋ねます。
 

私が…カレシ作った時…おばあちゃん…どう思った…?

 

千鶴の不安そうな顔を見て、どうしたの千鶴?という顔の小百合おばあさん。千鶴も緊張した面持ちで答えを待ちます。

 

すると、小百合おばあさんは

 

 

◆でも彼ほど あなたに相応しい人はいないわ (112話)

 

人は誰しも 補いあって生きてるの

完全無欠な人間なんていない

だから足りない何かを 傍にいる人に埋めてもらうの

でも彼ほど あなたに相応しい人はいないわ

 

世界で一番信頼している小百合おばあちゃんにそう言ってもらって、どれほど安心できたか、どれほど心強かったか。このとき、千鶴の気持ちは決まったはずです(【解説】千鶴が和也と恋人になろうと決めた瞬間)。

 

和也の本当の恋人になりたい 嘘を真実に変えたい

 

 

 

最期まで解説を見ていただき、ありがとうございます…。ひとつのシーンを説明するために、50話以上前から説明しないといけないという…正直、僕も疲れましたw いやー、それにしても、千鶴が小百合おばあちゃんに相談するシーン(112話)は、かのかりの名場面トップ3には入るんじゃないでしょうかね(涙)。ああ言ってもらえなければ、千鶴はきっと和也のことを諦めていたかもしれません。

 

瑠夏ちゃんのキスに食われてしまっていますが、この和也と千鶴の合同誕生日会は、1話からずっと「レンタル彼女として色々やってあげている」と考えてた千鶴に起きたビッグイベント、パラダイムシフト(物事の捉え方が急激に変わってしまうこと)だったわけですね。

 

和也の本当の恋人になりたい 嘘を真実に変えたい

 

この気持ちが生まれた瞬間、超重要回です!

 

 


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