有り難い細道 | 徒然コオロギ庵~旅する似顔絵師~

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一年の半分を旅に過ごす似顔絵師コオロギの日々の雑記。趣味の古墳巡り&地質巡り&車中泊アレコレetc徒然とだらだらと書き尽くします

奥の細道。


芭蕉の山形路の足跡をたどる。


少し前に書いたブログの続き、自らの記憶のためにも。


山形、鶴岡から山の方へ。


羽黒山の芭蕉!








すがすがしい空をバックに。





出羽三山の句碑を足元に。


『涼しさやほの三日月の羽黒山』

涼しげな三日月の淡い光に照らされる美しい鉱物の塊。

キラキラ(*´∀`)


『 加多羅禮努湯登廼仁奴良須當毛東迦那
(語られぬ湯殿に濡らす袂かな)』

漢字の羅列!

湯殿山での修行したことは語ってはいけないという習わし。

涙でその感動を現すのか。


『雲の峯いくつくずれて月の山』

月山。入道雲。

夏の爽快、荘厳なる句!

太平洋高気圧が胸のなかで広がるなぁ。




修験の山、出羽三山の3つの句。


好きだなぁ。


スケール感が横にも縦にも突き抜けてる。


スコーーーン!と高いとこまでもってかれる感じ(^^*)


うまく、、表現できませぬ。



で、

この羽黒山の石段は2000段超え!

修験だもの、修行だものなハードさ^^;



10年前くらいに来たときは

がんばって登りました。


今回は高い方にある本殿から途中まで降りて

石段途中の芭蕉句碑を見てもどるという行程。



石段を降りてると

楽しげに話しながら同じく石段を下るオジサン3人と遭遇。


『流行りの山ガールか?パワースポット巡りか?』


と声をかけられ


うーーーーん(^◇^;)

どっちでもないなぁ、、芭蕉句碑巡り(笑)


『ええっと、そういうのでもなくて、途中まで降りてみようかと』


と濁して答えてみた。


『途中まで?』


『途中の芭蕉句碑に行きたいなぁと』


『おお!なんだ、そういうの好きなの?』


『はい、芭蕉が好きで句碑巡りをしてまして』


『私たちもだよ!月1回ほど2泊3日で奥の細道句碑巡りをしてるんだ』



おおおおおーー!

高校(大学だったかな)時代の同級生で、定年退職後に連れだって旅してるらしい。


『昨日は山伐峠を歩いてきたよ』


『おお!あの険しいとこですか!芭蕉が山賊に怯えながら歩いた』


『おお!よく知ってるな!』


『そりゃもう、好きであちこち巡ってますので(笑)』


『黒羽行った?』


『去年行きました、あそこは句碑がたくさんあっていいですよね!』


『そうそう、芭蕉は黒羽に長く滞在してたからね』



ウルウルウル(T_T)


芭蕉句碑巡りを趣味にしてる人に遭遇したのは初めて!


話が通じるって、、


こんなに嬉しいことなの!!!??


うれしさのあまりちょっと半泣き(つд`)


思わず

『旅の仲間に入れてくださいっ!』

なんて直談判してしまった(笑)



オジサンたちは石段を下から登り、本殿に詣って下っているところらしい。


お目当ての途中の句碑は登りに寄ったそうなので情報を教えていただき、


句碑への別れ道でお別れ。。


あぁ、もっと話したかったなぁ。


後ろ髪引かれる思いで句碑への脇道を進むと





うううう。

うっそうと茂っております。

句碑がある『南谷』という場所の名の通りジメジメした谷。


蚊が(▼皿▼)(▼皿▼)(▼皿▼)


少しでも動きを止めようものなら蚊に刺される!


しかも足元はぬかるんでいる!


足元に気をつけつつ足早に突き進んだ先に




句碑!

『有り難や雪を香らす南谷』


存在するのが難しい、有るのが難いほど尊い自然に対して有り難いという畏敬の念を抱く。


奥の細道の中でも特に好きな句!


修験に通じる心なのかなぁ





南谷の何ともいえない静かで穏やかな雰囲気の中にいるとそんなことを思います。






朽ちた屋根の上から植物が、、


って、

この写真を撮ろうと構えてたら!


目の前にスズメバチっっ(▼皿▼)!


ぎゃあ!!

と叫びつつ撮れた写真






慌ててるなぁ(笑)



自然、畏るべし(-_- )


続く。