これから催眠を学ぶ人が気を付けるべき３つのポイント

2024年度の最初の講座の日程が決まりましたのでお知らせさせていただきます。

1月20日（土曜日）東京三鷹にて催眠誘導研究所基礎講座が開催されます。

催眠術という言葉にはとても魅力的な意味合いが込められていますよね…？

他人を自由に操る魔術のようにも見えたりします。未だに催眠を信じられない人もいることでしょう。

私も初めて催眠をかけたときには、まるで魔法を手に入れたような気分になりました。

幻覚を見せたり、名前を思い出せなくしたり、食べ物の味を変えたり、何でもできるような気になって、無我夢中で催眠をやっていたことを覚えています。

しかし、催眠を勉強していくにつれて自分が思っていた印象とは違い、催眠を使えば簡単にできそうなダイエットや禁煙などは相性が悪く、心の病気に関しては適応範囲がとても狭いことがわかってきました。

その反面、恋愛をはじめとする職場での人間関係や家族との関係を円滑にするためのアイテムとしては想像以上の効力があり、とくに性行為に関してはSMを遥かに越えるほどの威力がありました。

催眠が現実離れしたことができることはわかるが、果たして普通の人間がそんなものを身につけることができるのか？と思う人もいるでしょう。

でも催眠はどんな人でも身につけることができます。

それは、催眠が人の潜在意識に話しかける技術であり、心理学および人体生理学や脳科学を踏まえた意識の誘導テクニックだからです。テクニックである以上、知識を学び、技法を練習すれば誰でもマスターできるのです。

ただし、催眠にはピンからキリまであり、本物の催眠から擬似催眠までその技術の差は歴然としています。

催眠を教えている個人や業者はたくさんありますが、中にはお粗末な技術しか持っていない先生が外国の資格だけを取得して催眠を教えていることも珍しくありません。

そこで、今日は初めて催眠を学ぶ人が気を付けるべき３つのポイントについてお話ししようと思います。

まず１つ目です。

催眠をかけて、被験者がかからなかったときに「あなたはかかりにくいタイプです」という人から催眠を習ってはいけません。

催眠にかかるかどうかは、その場の状況、環境、知識、状態、経験、体質、誘導者の技量、誘導者の状態、誘導者と被験者との相性、誘導者が使う技法と被験者の相性と、すべてが催眠の成否に影響します。この中で体質は全体の0.8%です。お粗末な技法で催眠をかけようとしている人たちが言っている「かかりにくいタイプ」というのは全体の0.1割にも満たないのです。100人に催眠を施したとして、タイプ（性質）が原因でかかりにくい人は1人いるかいないかだということです。

つまり、この催眠術師たちは、かからない原因を被験者のせいにしている人たちなのです。

逆に催眠の成否にもっとも影響するのは「誘導者の技量」です。たくさんの技法を持ち、被験者に合わせて催眠術のかけ方を変えてあげられる人が本当に優れた誘導者なのです。

被験者に対し、「あなたはかかりにくいタイプです」という催眠術師は、催眠の進め方を台本で覚えていて、相手が誰であれ、どんな反応をしていても（何も反応していなくても）台本通りにしか進行することができません。

こういった催眠術師は、だいたい被験者に両手の指を組ませたら、人差し指だけを伸ばし、「その人差し指が寄ってくる」というトリックを使った引っ掛け催眠をやります。彼らからこの指が寄ってくるという引っ掛け催眠を取り上げたらかけることができなかったりします。

この人たちは、本来はかかるであろう被験者をかかりにくい人にしてしまっていることも少なくないのです。悲しいことに、こういった催眠術師たちは自分がポンコツ催眠術師だということに気づいていません。

催眠のかけ方の説明をするときに、この人差し指が寄ってくるという技法を見せることはあっても、プロが本気で催眠をかけようと思ったとき、こんな子供の遊びのような引っ掛け催眠は絶対にやりません。相手がトリックの種を知っていたら次の手が打てないからです。

台本通りの催眠をやって、かからなかったら被験者に対し、「あなたはかかりにくいタイプです」という催眠術師に技量があるかどうかはわかると思います。それはどんな資格をもっている人であろうと、テレビに出ている人であろうと同じです。テレビに出ている人はエンタメ性を買われているのであって、技量を評価されているわけではないのです。あなたが催眠術師の技量を見抜けないように、テレビ局のスタッフも催眠術師の技量は見抜けないのです。

そして、２つ目です。

催眠をかけるとき「スクリプト（催眠をかける暗示文）を覚えなさい」という催眠術師やヒプノセラピーの先生から催眠を習ってはいけません。

催眠は呪文でかけるものではなく、相手の反応に合わせて意識をリードするものです。あらかじめ用意された暗示文を唱えてかけるものではないのです。

外国発信の催眠セミナーは、だいたい潜在意識の勉強をしたあと、長いスクリプトを覚えて読み方の練習をするだけです。でも、それは本物のヒプノセラピー（催眠療法）ではありません。外国の団体２社が考えた、ただの資格ビジネスです。

この誘導で被験者はリラックスしたり、想像や連想はできても、その状態は催眠のそれとは違うものです。暗示文を読み上げるだけでは催眠にかけるための条件が足りないからです。

しかし、こんな疑似催眠でも稀にかかってしまう思い込みの激しい被験者がいたりします。想像から出てきた前世を本当の前世だと思う人もいるでしょう。そして、これこそが催眠最大の欠点であり、技術など持ち合わせていない催眠術師やヒプノセラピーの先生が、宣伝費だけで活躍できてしまう催眠の闇なのです。

さらに、X（旧Twitter）界隈で、通話催眠やチャット催眠などという催眠とは言い難いようなおかしなものが蔓延するのも、外国発信のローマ字３文字の催眠団体２社が原因です。この２社のせいで、セリフを言うだけで催眠にかけることができると思っている人が世界中に蔓延しているのです。

聞くところによると、日本でも世界レベルの催眠を教えると宣伝広告を立て、活発に宣伝活動を行っている催眠の先生が、プロコースの講座で催眠をかけるとき、暗示文が書かれた紙を片手に読み始めるそうです。

ここの先生は、実際には催眠をかけることができないそうです。目が閉じる催眠をやるだけで必死らしく、それにも関わらず、自分では「誰よりも催眠をかけるのがうまい」と言って宣伝しているそうです。講座が始まると、宣伝広告とは違い、「催眠術とヒプノセラピーは別のもので、テレビの催眠のような名前を忘れたり、幻覚を見るような催眠はヤラセだから、あんなものは存在しない」と言うそうです。自分ができないから催眠の存在自体を否定してから講座を開始するのだそうです。

とんでもない話ですよね…

もし、あなたが間違って、こんな先生のところに催眠を習いに行ったとして、講座の開始前に「名前を忘れたり、幻覚を見るような催眠は存在しない…」などと言いだしたり、催眠をかけるときに暗示文の書かれた紙を片手に読み始めたら、その時点でお金を返してもらって帰ってきて良いと思いますよ。それは本当の催眠を教える講座ではなく、ただ外国の本部でもらった教科書を読み進めるだけの資格ビジネスだからです。

ところで、なぜ私がこんなによその講座の内情を知っているのか不思議に思いませんか？

それは、この先生が開催しているヒプノセラピーのプロコースを受けた生徒さんたちが、催眠誘導研究所の講座に参加しているからです。外国の大きな団体が教えてくれた催眠では、クライアントから「かかっている気がしないんですが…」と言われて、毎回クライアントをごまかすのに大変だからだそうです。催眠誘導研究所で最初から催眠を学び直しているのです。彼らや彼女たちの口からは、前の先生に習った催眠の愚痴しかでてきません。

そして催眠を学ぶための３つ目のポイントです。

催眠は、技術であり、テクニックです。技術やテクニックである以上、経験を積めば積むほど上手になります。

しかし、催眠には、誘導者自身が成長する催眠のかけ方と、何年たってもセリフだけが流暢に言えるようになるだけで、まったく成長しない催眠のかけ方があります。

そうです。スクリプトや台本形式で覚えた催眠は、どんなに経験を積んでも上達しません。そこには誘導者として上達しなければならない部分の工程そのものがないからです。意識が催眠に移行するプロセスも含まれていないので、まぐれでかかる被験者しか催眠にかけることができないレベルの低い催眠術師のままで成長などしないのです。

ただ、成功率が低いだけの催眠術師ならまだましです。

催眠のプロセスがわかっていない催眠術師は、自分の言動によって、かかりやすい状態になっている被験者をかからなくしてしまったり、催眠の進行を止めてしまう行動を行っているのに、自分では気づいていないことが少なくありません。

彼らを観ていると、「それを言わなければうまくかかったのに…」とか、「それをしなければ深く誘導できたのに…」と思う行為を平気でやります。これは、その催眠を教えてくれた先生の悪い癖をそのまま受け継いでいるのです。自分でも何が悪いのかわかっていないので直しようがありません。

ちなみに、催眠誘導研究所に学びに来られる受講生の約半数が、以前どこかの先生に催眠を習っている人です。そして、この人たちは悪い癖をたくさん持っています。

癖を直すようにアドバイスはしますが、完全に癖を克服する人は全体の２割程度です。一度ついた癖は相当な頑張りがない限り直らないのです。なぜなら、催眠はプレッシャーを感じた状態で行う作業だからです。

うまくかかっているときは上手に誘導していきますが、かかりにくい被験者を相手にしたときはプレッシャーが強くなり、最初に習った催眠の悪い癖が無意識に出てきてしまいます。悪い癖が出るから余計にかからなくなる。そしてかかりが悪いからプレッシャーがピークになり、また変な癖が出てしまう。そして、催眠誘導とは言い難いものになっていくのです。

この生徒さんたちは、「わかっているのにやってしまう…」と言って、約８割の人が癖の克服に苦しんでいます。催眠は最初に習う催眠が一生ものになってしまうのです。

催眠をかけるときは、普段のしゃべり方でかけるのが何よりも成功率が高いのです。

癖が強ければ強いほど成功率は落ちます。バカみたいに大きな声で暗示を与えたり、耳につくようなアクの強い独特のしゃべり方をする人から催眠を習うとその癖がしみ込んでしまいます。また、催眠をかけ始める前に、「やりたくない催眠にはかからないので安心してください」などと言う人は、自分がどれだけマイナスになる言葉を言っているのかわかっていないので、やはりこのようなことを言う人から催眠を習ってはいけません。あなたがポンコツの催眠術師になるだけです。

きちんとした催眠を学ぼうと思うのであれば、最初だけでも正しい知識と正しい技法を身につけるようにしてください。

2024年1月20日に催眠誘導研究所の基礎講座があります。現在、募集する生徒を15名限定にして受け付けを行っています。

催眠誘導研究所の新規の生徒募集は年に2回しか行われないので、受講を希望される方はお早めにお申し込みください。

【ワークショップ情報】
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●第18回催眠誘導研究所基礎講座

※催眠術のかけ方マスターコース

日時：2024年1月20日（土曜日）13時より開催
場所：東京都武蔵野市中町２丁目１-１５
会場：クリオレミントンハウス武蔵野１階会議室
時間：約4時間
講師：林貞年
料金：77000円

※詳細お申し込みはこちらです
http://hayashisadatoshi.com/tokyo-1.htm
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受講希望の方は上記枠内のURLよりお申し込みください。