深淵なる声を聞く | 絵画的世界の窓

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GALLERYからの景色


今月6日「水」〜11日「月」に開催する

この企画展「別世界通信の感じ方」展も、もう10年くらい続いている展示会です。

と思っていたところ、先ほど今回参加くださっている作家・てきとう かきお氏が搬入にみえて改めて調べてみたら、どうやら9回目、初回の「モノクロ展」というタイトルて開いた展示会場を入れるとちょうど10回目になることが判明しました。
かきおさん、ありがとう!


1回目以降、おそらくなんかの拍子で「別世界」という言葉に触発されて改名したんだと思いますが、こまかな経緯は本人も忘れてしまった。

申し訳ない。


「別世界通信の感じ方」という、どこかミステリアスな匂いを誘う響きにはSF的な意味合いがもちろん込められています。

つまりいまこうしてここに在り生きている、すなわち目の前に広がっていて確かな現実と思い込んでいるこの世界に疑義を差し挟んで、この世界とは異なるもう一つの世界がこの世界の背後に潜んでいるのではないか?

そしてなにかの拍子にこの世界は時空間ともにあっという間にある種宇宙的歪みの中に飲み込まれ、地球とは似て非なる惑星に突如変身を遂げる。 


それともう一つ、この感覚は震災以後特に顕著に人々の胸の内に深く刻まれたであろう現実の脆さ、です。

日常の不確かさ、です。それはこの数年で世の中をガラリと変えた二つの戦禍にも言えます。


崩壊感覚。

この言葉がピタリといまの心境に重なります。


生活環境がテクノロジーの進化とともに恐ろしい勢いで変化して、この先もし人類に明日があるとして、という前提がもはや危機的状況であることは、いまや誰もが知らず知らずのうちに頭の片隅に浮かんでは消え、消えては浮かんではないか?


宇宙版の植民地支配が歴史の逆コースをたどるようによみがえる未来図も、目の当たりにこの凄惨な戦禍を前にすると、ひどく現実味を帯びる。


別世界よ‼️


宇宙からの深淵な声に耳を傾けよう。しばしの間。