立体造形(Dimensional Art) | 絵画的世界の窓

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GALLERYからの景色



昨日の晩から、よく降ります。

先日、このブログにも書きましたが、立体造形、

特に鉄に興味を持たれ、切断したり溶接したりして、

形作られる鉄の存在を、その陰影を含めて、

自らの表現媒体として選んでいる作家の方が、

一昨日、自身のポートフォリオを持って、

再度訪れてくれました。

ありがとうございます!

作品を拝見しながら、いろいろとお話をさせてもらった。

とても興味深く、聞き入っていると、

ここに今こうして築いているはずの日常の時間と空間が

とても不確かなものに感じられて、

ともするとその日常から、幽体離脱し始める自分の分身さえ感じるほど、

日常の危うさを経験した。

それはおそらく、僕らがいつも生きているこの日常では必要ない

考えをこそ、抽象の造形に挑んでおられる方は駆使しているからだ。

だから必然的に日常の世界の思考回路とは齟齬を生む。

この隙間が広がれば拡がるほど、深まれば深まるほど、

実はあり得べきもうひとつの世界を体験することができるようになり、

世界の重層性を知るきっかけとなる。

抽象の世界への思考訓練は、だから「自由」を考える上で、

とても貴重だ。

例えば人体の石膏の仕上がりの善し悪し、或いは椅子とかテーブルとか、

具体的有用性のあるものなら、その利便性から、その完成度から、

ある程度の判断は下すことができるかもしれない。

だけど、抽象の世界に形づくられたものは、

そもそも判断を求めて成立するものでもないのではないか。

いろいろなことを考えさせてくれる。

立体の造形を含めた企画展をやりたいなあ、

俄然興味が沸いてきた!

Galleryころころ
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