戦後75年が過ぎた。
高度経済成長があって、バブル景気があって、その後、長らく経済は低迷している。
失われた30年とも言われているが、日本経済が戦後復興にきっかけをつくったのが朝鮮戦争の特需だったから、そこからも70年以上が経過した。
所々で好景気と不景気のアップダウンもあったけれど、今の30年以上に及ぶ不景気「感」は戦後の半分ぐらいに相当しそうな勢いだ。
だが、戦後に出来た会社が以外にまだかなり残っていたりする。
大きく発展した会社もあれば、潰れた会社、そこそこの大きさのままの会社もある。
規制に守られていたような業界の企業は、大きなイノベーションを起こさなくてもなんとか企業として保つことが出来たりする。
社会環境の大きな変化というのはこれまでいくつもあった。
インターネットも大きな変化の1つだ。
でも、それとて、業界によっては大きなインパクトとなり得なかったところもあるのかもしれない。
大きかった企業、市場規模が大きかった業界では、モロに影響を被ったかもしれない。
でも、それほどでもないと、大きなイノベーションの波をなんとなくやり過ごすても何とかなってしまったりする。
そうした企業だと、大きく変える必要もないから、そこのトップも無理に何かを変えようとしないし、むしろ会社内部や業界内部の調整に長けた人が君臨しやすい。
大きく変える必要がなかったから、自分達の組織の方向性だとかビジョンといった物を特段持たなくても良かった。
ただ、そこに働く人たちの気質は、業界に関係なく変わっていく。
ビジョンの提示ができないと、人は離れていく。
いくらお金を積んでも、ずっとそこに留まるという選択肢を取らない人も多くなってきた。
だが、どうもビジョンなんかを持たなくても済んできた経営者達は、お金さえ積めば従業員のモチベーションは上がるはずだし、ずっと会社に居てくれる、と思い込んでいる節があるようだ。
物の値段が上がり、今も景気が良いとは決して言えない。
それどころか不景気で、ますます貧しくなっていく傾向にある。
ハイパーインフレがいつ起きてもおかしくない。
そうなった時、そもそもいつまでもお金を積み上げることもできない中で、人は何によってそこの会社組織に留まろうとするのだろうか・
そうしたことに、自らに謙虚に向き合う経営者が果たしてどれだけいるだろうか。
何とも怪しい限りだと、巷の会社を見聞きしながら、そんなことを思ったりするのです。