学びのコンサルタントCAB代表の橋本雄大です。
今日は、保護者の方からよく相談されるテーマ。
「担任に伝えるときに、言うと逆効果になりやすい言い回し」 について書きます。
結論から言うと、学校とのやり取りは「正しさ」よりも通りやすさが大事です。
こちらの言い分が100%正しくても、伝え方ひとつで担任の受け取り方が変わり、結果として子どもが損をします。もったいないです。
■逆効果になりやすい言い回し①「先生のせいで…」
例:「先生の対応のせいで、うちの子は学校に行けなくなりました」
言いたい気持ちは分かります。実際そういうケースもあります。
ただ、この言い方は担任を“被告席”に座らせます。すると人は、防衛に入ります。
防衛に入った担任は、子どもの支援より先に「自分を守る説明」を始めます。そこで話が止まります。
言い換えるなら、
「最近、学校のことで負担が増えているように見えます。こちらで見えている様子を共有して、学校側でも状況を把握していただきたいです」
“原因追及”ではなく“情報共有”にしましょう。
■逆効果になりやすい言い回し②「とにかく何とかしてください」
例:「もう限界なので、とにかく何とかしてください」
これは担任にとって、いちばん困るタイプの依頼です。
なぜなら、「何を、どこまで、どうするか」が不明確なので、担任は動きたくても動けません。
言い換えるなら、お願いは1点だけに絞ります。
「朝の声かけで追い詰められると固まるので、登校時に教室へ入るまでの誘導を“短く”していただけますか」
「提出物の声かけを、口頭ではなくメモでお願いできますか」
このように、“作業レベル”に落とすと通りやすいです。
■逆効果になりやすい言い回し③「この子は発達障害なので」
例:「発達障害なんだから、配慮してください」
これも気持ちは分かりますが、担任によっては反発が起きます。
「診断書は?」診断書がないと動けないんです。ひどいと「それは家庭で…」と押し返されたりします。
言い方のコツは、診断名より先に困りごとの現象を出すことです。
「口頭で複数指示があると混乱しやすく、途中で止まります。手順を紙にしていただけると助かります」
この順番なら、診断名の有無に関係なく、学校側も動けます。
■逆効果になりやすい言い回し④「家ではできるんですけど」
例:「家ではできるのに、学校だとできないんです」
これは担任からすると、「学校の指導が悪いと言われている」ように聞こえやすいです。
また、子どもの側からすると「外ではできない自分はダメだ」と傷になりやすい。
言い換えるなら、
「家だと落ち着いてできる場面があります。学校だと刺激が多くて難しいようなので、学校での難しさを一緒に整理したいです」
“学校のせい”ではなく、“環境差からくるもの”として扱います。
■逆効果になりやすい言い回し⑤「前の先生はできてました」
例:「去年の担任はできていたのに…」
これは火に油です。比較されて気持ちよく動ける人はいません。
担任のプライドを刺激すると、話が硬直します。
言い換えは、
「昨年は、こういう形だとうまくいった経験があります。今年も可能なら似た形でお願いできますか」
過去の成功例は“比較”ではなく“手がかり”として提示します。
■逆効果になりやすい言い回し⑥「普通はこうですよね?」
例:「普通は配慮しますよね?」
正論でも、相手を詰める言い方になりがちです。
詰められた担任は、協力ではなく対立のモードに入ります。
言い換えは、
「学校として可能な範囲で構いません。いま現実的にできる配慮を相談させてください」
この一言で、担任が提案しやすくなります。
■学校に通りやすい“型”は
最後に、担任に伝えるときのおすすめの順番を書いておきます。
1)事実(家庭で見えている現象)
2)困りごと(学校で起きている不都合)
3)お願い(1点だけ、具体的に)
4)期限(いつから/いつまで試すか)
5)確認(次の面談や連絡のタイミング)
例:
「朝の準備で固まる日が増えています。学校に着いた後、教室前で止まってしまうようです。登校時の声かけを短くしていただけますか。まず2週間試して、様子を共有させてください。」
これで、担任は動きやすくなります。
学校とのやり取りは、子どもの生活を支えるための“共同作業”です。
戦う相手を作るより、「同じ資料を見て、同じ課題を扱うチーム」になる方が、結果は確実に良くなります。
言いたいことがあるほど、言い回しを整える。
それが、子どもを守る一番の近道です。









