前回までは、2022年10月の伊那市2度目の訪問と伊那小見学についての話でした。
伊那小を見学して、伊那小に決まったかなと思っていましたが、知り合いの移住者さんとのお話の中で
上伊那のエリアで、伊那市以外全ての市町村の移住担当課宛や役場の問合せフォームを利用してメールで下記のように問合せをしました。
伊那小学校の総合教育や伊那西小学校の学校林での教育に興味を持った事がきっかけとなり、伊那地域への移住を検討しております。
伊那市の2つの学校のような特色がある教育をされている小学校はありますでしょうか?
●上伊那エリアの市町村
金曜の午後早めの時間に問合せをしましたが、「南箕輪村」と「辰野町」は当日中に返信をくれました。
「中川村」、「箕輪町」は翌月曜、「飯島町」が水曜、「宮田村」が1週間後位、なぜか「駒ヶ根市」からは回答が来ず…
●南箕輪村役場 地域づくり推進課
南箕輪村は、全国唯一保育園、小中学校、高校、短大、大学院がある村(小学校2校)です。
また、農業を営む方が多いという地域の特徴を生かして、小学校の総合的な学習の時間に各種学校、団体と一緒に体験できる教育を取り入れています。
今までの取り組みとして、
◯南信工科短大(工業系の公立短期大学)×小学生
・レーザー加工体験⇒イラストの彫刻など加工技術を学ぶ
・3Dプリンター体験
⇒立体日本地図作り、オリジナルボードゲーム作り、ジオラマ作り
・プログラミング体験
◯建築士会×小学生
・ピザ窯とピザ小屋づくり
⇒木の伐採、木材加工から建築までを学ぶ
◯地元農家等×小学生
・りんご学習⇒3学年全員が1年を通して、りんごの摘果から収穫までを学ぶ
・お米学習⇒5学年全員が1年を通して、田植え、稲刈り、脱穀までを学ぶ
・民間農産物直売所からやぎを借りて飼育(2年生)
・育てたわさびを使い、地元産食材を使った名物プリンを作る事業者とコラボ
学校には畑があり、そこで野菜作りをしているクラスが複数あります。
◯地域おこし協力隊×小学生
・地元温泉施設の仕事PR動画づくり
・放課後英語学習(6学年の希望者)
・クラブ活動でプログラミングを使ったゲーム作りの指導
など、様々な取り組みをしています。
また、運動経験が少ない子どもたちが増える中で、体育の指導をより専門的にするために体育専科の教員を小学校に配置しています。これは全県的にもめずらしい取り組みです。
伊那市さんのようになかなかメディアに取り上げられる機会が少ないのですが
おもしろい取り組みをどちらの小学校でもしていると感じます。
当日中の返信、内容も具体的な例を上げてくださり、嬉しかったです。
学校については、総合学習時に行っている内容自体は面白そうですが、やはり一般教科とは別にその時間の特別な授業という感じで、伊那小のように総合学習を中心に据えた活動とは違うかなと思います。
●辰野町役場 まちづくり政策課
辰野町の小学校情報や子育て支援情報は以下のURLにあります「たつの結婚&子育
て応援さぽーとBook」に基本的な事項を掲載していますのでご確認ください。
11ページには町内に5校ある小学校の情報があります。
このうち、川島小学校については小規模特認校として運営されています。今後の
町の方針が決まり、令和6年度末をもって統廃合されることが決まっています。
●「たつの結婚&子育て応援さぽーとBook」
https://www.town.tatsuno.lg.jp/gyosei/soshiki/machizukuriseisakuka/choseijoho/4/5/2420.html
なお、辰野町が立地している伊那谷最北部は、諏訪及び松本広域圏に隣接している関係で、森林が85%を占める豊かな自然環境の下で田舎暮らしが楽しめるとともに、将来の高校への通学、さらにその先の通勤などの環境は他の自治体に比べ利便性が良いと考えております。
辰野町も当日中に返信くださり、ありがたかったですが、特色のある教育をしている小学校はなさそう…
●中川村役場 地域政策課むらづくり係
・村には2つの保育園(みなかた保育園・片桐保育園)があり、それぞれ「信州やまほいく」の認定を受け、自然を題材とした保育が実施されています。
・また、小学校2校(中川東小学校・中川西小学校)、中学校1校(中川中学校)があり、中川村学校給食センターで調理させる給食は地産地消と「食育」に取り組んでします。令和4年4月から、給食に使うお米が100パーセント中川村内産になっています(公費負担)。
・2つの小学校の5年生は、学校近くの田んぼで「米づくり」に取り組んでいます。田植え~草の管理~稲刈り~収穫祭と児童が中心となって行われています。
保育園の「信州やまほいく」は元々興味がありましたが、移住のタイミング的に小学校入学時からになります。小学校は一般的な教育の印象…
●箕輪町役場 みのわの魅力発信室
当町は5つの小学校が存在し、全校児童数も600人弱の大きな学校から、100人ほどの小さな小学校が存在しています。
特にその中でも地域性のある学校教育については、全校児童が100人ほどの、「箕輪西小学校」かと思います。
西小学校は全校児童数が町内で最も少ない学校のため、1年生から6年生までが班になって活動することが多く、クラス単位の行事だけではなく、全校行事での学年を超えた交流や地域の方々を講師に招いた様々な学習に取り組んでいます。
◆箕輪西小学校
・米作り(5年生)
・全校よもぎ取り
・全校カレー
・しめ縄作り
・天然スケートリンクでのスケート学習
・緑の少年団活動
木の伐採・枝打ち・鹿から芽を守るた
めの薬塗りや木材を使った本棚作りなど
西小学校の日ごろの様子につきましては、公式サイトでご覧いただけます。
◆箕輪西小学校公式サイト →
飯島町教育員会へ確認いたしました。
飯島町には2つの小学校、1つの中学校があります。飯島小学校と七久保小学校。
飯島小学校は児童数が約300名、七久保小学校は児童数が約120名の学校です。
伊那小学校や伊那西小学校のようなキャッチフレーズを掲げた教育はやっていませんが、両校とも地域や教育委員会と密接なかかわりをもって教育が行われています。
七久保小学校は、全職員が全校の児童の顔と名前が確実に分かります。
飯島小学校でも、ほぼそれに近い状況です。また、学校運営委員や学校見守り隊等、学校を支える地域の組織やボランティアも昔からの伝統と言えるものがあり、しっかりしています。
大阪から飯島町へ移住してこられて、中学校の放課後学習支援に入ってくれている方の話です。
「山の景色に憧れて移住先を探し、伊那谷を巡っていたが、七久保からの中央アルプス・南アルプスの両アルプスが見える眺めが素晴らしいと思った。
それでも決めかねていたが、決め手となったのは、横断歩道で車が止まった時に、
わたる前に運転手に頭を下げ、渡り終わってわざわざ振り返って頭を下げてお礼を口に出していく子どもたちの姿だった。小学生は例外なく、中学生でさえもみんなそうしていく。信号機がある場所でさえそうする子がいた。」
移住先は、景色はもちろんだが、こんな子どもが育っているここしかないでしょと思ったそうです。
「ふたつのアルプスが見える町」をキャッチフレーズとしている町ですが、両小学校では、地域の方に見守られながら、こんな子どもたちが育っています。
児童と先生、学校と地域の近さを感じますが、
伊那小学校や伊那西小学校のようなキャッチフレーズを掲げた教育はやっていないとのこと…
横断歩道のお礼については、伊那市でも同様の光景がありました。伊那谷地域全体的な傾向なのかもしれません。
●宮田村役場 教育委員会学校教育係
村に1校の小学校、あたたかい雰囲気は伝わってきますが、教育としては一般的な授業を行っているようです…