当たり前の話ですが、PTAは学校組織の一部ではありません。

 学校とは全く別の組織であり、ただの任意団体です。


 学校の敷地内に事務局を置いて、そこに通う保護者が関わっているため、学校の一部と勘違いしている方もいらっしゃいますが、全然違います。


 本当は自分たちで運営場所を確保したり配布物を配ったりするべきであるところを、公共性(その学校に通うすべての子どもたちを対象としている)があるということで、学校が「いいですよ」といって学校内の部屋を貸してくれたり手紙や配布物を配ってくれています。 

特別です、特別。

 でも特別はこれだけ。 


会員の募集、活動内容、役員の決め方、会費の使い方など運営や活動に関することは任意団体(PTA)が考えることであって、その責任も生じてきます。

 学校は無関係です。

これに関しては特別扱いはしません。 


 これを前提として考えると、会員情報(個人情報)も、もちろん学校とは別に独自で収集する必要があります。

学校の情報は使えませんし、くれません。 

  さらにPTAは個人情報保護法による個人情報取扱事業者に該当するため、より慎重に個人情報を取り扱う必要があるということになります。

 PTAが個人情報を得るために会員から情報を取得する方法、それは加入届です。

 加入する保護者、教員に書いてもらい初めて会員名簿が作成できます。 


 そこで不思議なのが、加入届がないPTAです。そのPTAは、誰が会員なのかどうやって知り得ているのでしょう。 

考えられることとして、学校から不正取得(個人情報保護法第17条違反)しているということです。この場合、学校も個人情報を漏洩(個人情報保護法第16条違反)していることになるため双方ともに違法行為をしていることになります。 

  つまり、「加入届がない」というだけで、違法の証拠になりうるということです。 

 すでに全国複数の公立学校の校長がPTAに個人情報を漏洩して刑事告発されています。PTA会長が告発される日もそう遠くありません。


 よく、「児童名とクラスだけだから問題ない」「住所は入ってないから大丈夫」といったことを目にしますが、児童名もクラスも個人情報です。

 当たり前です。

それくらいはいいじゃないか、許してやれよなんて思っていたら大間違い。

 許すとか許さないとかそういう問題ではありません。 

気持ちの問題ではなく、法律で決められたことなので違法は違法なのです。 


 さらには、非会員の個人情報を持ってるPTAも要注意です。 

PTAと無関係の人(非会員)の個人情報を取得・保持していること自体、不正取得です。 

入りたい、活動したいという人の情報だけ分かれば運営には問題ないはずです。 

非会員の情報がないと活動できないのであれば、運営自体を考え直した方がよいです。 

PTAの主旨を理解し、賛同してくれた仲間(会員)のみで活動しているはずのに、賛同してない方々(非会員)の個人情報を持つ根拠は皆無です。


非会員に配慮するために保持しているという場合もあるようですが、

すべての子どもたちを支援していれば、「配慮」なんていう言葉は出てきません。

そもそも「配慮」なんかする必要性もないし、する状況も起こり得ません。

よって、「配慮するため」は非会員情報を保持してよい合理的根拠にはなりません。



長くなって申し訳ありませんが、あとひとつ。


 役員選出の際に、「診断書を出せ」「母子手帳や療育手帳のコピーを出せ」なんて言ってくるとんでもPTAがあるようです。 

こういったプライバシーに関わる個人情報は“要配慮個人情報”というものにあたり、安易に取得してはいけません(個人情報保護法第2条 第3項) 

よって、提出を要求されても拒否できます。


以上のように、たかがPTA。されどPTA。

個人情報取扱事業者であることを理解した上で、法律に則り個人情報を取得・管理してほしいです。




個人情報保護法(適正な取得)第17条個人情報取扱事業者は、偽りその他不正入手により個人情報を取得してはならない


個人情報保護法第16条個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱う場合、あらかじめ本人の同意を得なければならない


個人情報保護法第2条 第3項 「要配慮個人情報とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の敬礼、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱に特に配慮を要するもの」「要配慮個人情報の取得や第三者提供は原則として本人の同意が必要である」