昨日、魁皇が幕内808勝、歴代最多勝利の記録を打ち立てました。
朝日新聞の天声人語には以下の様に書かれていました。
朝日新聞の天声人語には以下の様に書かれていました。
力士を志す少年に、「一番」という言葉を使って目標を語ってもらうとする。大方は「一番強くなる」だろうが、「一番でも多く勝つ」も悪くない。相撲人生を縦に見るか、横に見るかの違いだろう。横長のそれから、大記録が生まれた。
史上最多、幕内808勝を達成した大関魁皇である。白星数の上位は名横綱ばかり。幕内最年長の37歳まで星を稼げるのは綱の重圧がないせいもあろう。だが、ずっと「二番目に強い」のも並大抵のことではない。
同期の曙や若貴兄弟は早々に出世し、最高位を極め、30歳前後で引退している。対する魁皇関は、優勝した次の場所で何度も苦杯をなめた。ケガにも泣いた。波乱彩る土俵歴は、いくつもの頂が連なる岩山を思わせる。
凍(い)てついた蛇口をねじ切り、リンゴを片手でつぶす握力。右上手さえ引けば寄っても投げても横綱級なのに、まわしに手が届かないと視線が泳ぎ、がぜん心細くなる。不利な体勢から力任せの小手投げも多い。素人目にも裏表のない、正直な取り口だ。
新記録をかけた昨日の相手は、54度目の対戦となる千代大海だった。同じ古参大関として踏ん張ってきたが、今場所は関脇に落ち、引退の瀬戸際にある。そんな戦友を、後ろから抱えて豪快に投げた。立ち上がった背に、そっと手を添えた。
気は優しくて力持ち。この人ほど「お相撲さん」と呼びたくなる力士もいない。その優しさがここ一番でもろさに化けようと、ファンは温かい。808勝の喜びは、それに続く528敗137休があってこその味わいである。
史上最多、幕内808勝を達成した大関魁皇である。白星数の上位は名横綱ばかり。幕内最年長の37歳まで星を稼げるのは綱の重圧がないせいもあろう。だが、ずっと「二番目に強い」のも並大抵のことではない。
同期の曙や若貴兄弟は早々に出世し、最高位を極め、30歳前後で引退している。対する魁皇関は、優勝した次の場所で何度も苦杯をなめた。ケガにも泣いた。波乱彩る土俵歴は、いくつもの頂が連なる岩山を思わせる。
凍(い)てついた蛇口をねじ切り、リンゴを片手でつぶす握力。右上手さえ引けば寄っても投げても横綱級なのに、まわしに手が届かないと視線が泳ぎ、がぜん心細くなる。不利な体勢から力任せの小手投げも多い。素人目にも裏表のない、正直な取り口だ。
新記録をかけた昨日の相手は、54度目の対戦となる千代大海だった。同じ古参大関として踏ん張ってきたが、今場所は関脇に落ち、引退の瀬戸際にある。そんな戦友を、後ろから抱えて豪快に投げた。立ち上がった背に、そっと手を添えた。
気は優しくて力持ち。この人ほど「お相撲さん」と呼びたくなる力士もいない。その優しさがここ一番でもろさに化けようと、ファンは温かい。808勝の喜びは、それに続く528敗137休があってこその味わいである。
最初に書かれている、一番でも多く勝つ、とはあのイチローも打率ではなく、1本でも多く打つ、だから打席に立つことが怖くない、と言っていたことと似ていると思いました。
テニスではミスを誘うことも大切なことですが、1本でも多くエースを取る!ネットについて1本でも多くボレーで決める!という気持ちはやっぱり大切なのではないでしょうか。