昔のテニスジャーナルに「開き直る」ことについて書いてありました。

一部引用すると、

不安になると焦りが出て、やたら練習する選手がいる。・・・・試合の前になると「練習していないと不安になるから」と言って、疲れていても、痛みがあっても、練習し続ける選手がいた。しかし、それだけ練習したからといって、「不安」なく試合に臨めるかというと、けっしてそんなことはない。かえって、「これだけやったのに負けたらどうしよう」という「不安」が大きくなる場合の方が多い。・・・・そんな時に、「勝つときは勝つし、負ける時は負ける、勝ち負けにこだわらず気軽にいこう」と開き直ることができれば良いのだが、なかなかそうはいかないのがスポーツの世界である。・・・・スポーツマンの性格は「怨みっぽく」かつ「執念深い」ので、なかなか「開き直れない」と言うことだ。しかし、大舞台で最高の成績を挙げたアスリートは、「開き直る」ことで力を存分に出すことができたのだ。

水泳金メダリスト鈴木大地氏のコメントは
「レース前は恐怖を感じるが、泳ぐ直前にはやる気の塊に変身する。その過程で『まな板の鯉』状態になり、『どうだぁ!』と開き直る瞬間がある。まるで自分が別の生き物になったように戦闘的な気持ちになり、怖いものは何もなくなる」というものである。

このコメントからは「勝つ」ことについては徹底的に考えなくてはならないが、いざ勝負が始まってしまったら「ただ自分の力を出すこと」のみに意識は向けられるべきだ、ということを教えてくれる。

「開き直る」とは、まさにいろいろな考え、思いにがんじがらめになっている自分を解放することだ。無心にテニスというものと向き合ったときに、すがすがしい開放感とともに、テニスをすることが心の底から楽しいと思える心境になることである。

というものでした。夏は試合が真っ盛りです。去年の自分の毎トーは試合中に、いろいろな思いにがんじがらめになって、とても苦しい思いをしました。でもそれは自分にとって貴重な経験となりました。
今年はなんとか「開き直って」「まな板の鯉」状態で試合に入っていきたいと思います。