弔い | ゼッケン120番

ゼッケン120番

目標 77分台/中間点 やればできる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 現地入りする道すがら、2週後の試合中止の一報が入る。

 

 

 

 

 先週は番組最初の競技として9時開始だった。

気温5度で強風、寒過ぎたのでウール長袖にランシャツを重ね着して走った。

 汗など一滴も出ず、鼻水垂らして固まったまま試合を終えた。

 

 

 今日は番組最終から2つ前で15時10分だったが

30分は大幅に遅れての競技開始となりそうだ。

 

 アップがてらに傘を差しながら駅から4キロ歩いて競技場入りした。

 間もなく冷たい雨は上がり、時より陽が差し、寒さを感じなくなった。

 

 風も弱く、今期一番の気象条件で走れる。

 

 4月から上げて行き5月後半戦で勝負を賭ける戦略だったが

コロナ悪化一途の状況では、今後の試合も中止に追い込まれるだろう。

 

 

 狙える条件は揃った。

 

 

 去年は順調に記録を伸ばしていたが

16分台を目前にして試合中止、福岡県選手が除外され続け

半年近くトラックの試合に出られなかった。

 脚は出来上がっていたが試合無くては記録の出しようがない。

 

 

 去年の何十倍もコロナは酷い状態。

中止を決めていない試合も残されてはいるが当てにならない。

 連戦で脚はパンパンに張っているが

今日やるしかない。

 

 

 

 2人欠場、14人の選手で試合開始。

 

 定位置の最後方から攻める。

 

マークしていた地元選手の直後に付けて三番手で様子を見る

81″

ペース掴めないのか地元選手が高校生の前へ

84″

風が吹き始めて地元選手ペース落ち

86″

ここで一気に捲り上げて2選手の前へ

高校生が巻き返して来るが俺が譲らなかったので

82″

高校生が離れ地元選手を引き連れて

84″

トップ選手に合わせて100mほど付け切って

82″

地元選手が千切れて独走

86″

ライバルを振り切って緩んだか下がったんで上げて

85″     10′30″/3000m

 

 

周回を重ねるごとに脚はほぐれ軽くなっている

 

先行選手との差が見る見るうちに縮まる

 

 

 

涙を呑んで

 

羽田行きに乗らずに

 

札幌行きに乗ったんだ

 

生涯最高記録を叩き出す

 

俺の弔い