ウッドデッキの施工 ・・・ 無塗装無垢赤身杉材で ~ 国産材を使おう! | 伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

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五十代も後半、自宅を新築…新建材は怖い!
行き着いたのは地元の工務店。
で、棟梁がつぶやいた。
「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」
「石場建てってなんですのん?!」・・・

昨年末、人気番組「​ポツンと一軒家​」の制作スタッフから問い合わせがありました。

私の昨年1/28稿「​間伐ボランティア体験​」に載っている放置人工林の写真を番組で使わせてほしいとのこと。
 

けれど、当の写真は私が撮ったものではないことと、

元のサイズがかなり小さいのでテレビ向きではないのとで一旦お断りし、

別の間伐ボランティア活動に取り組んでいる友だちに同様の写真を撮ってないか尋ねてみました。
 

そうして友だちから借り受けて番組に提供した写真が2枚、放映されました。


インターネットって、すごいですね!
 

その番組、2021年1月3日放送の新春3時間スペシャルの2番目に登場する、

埼玉県の山中のポツンと一軒家「くるみ小屋」で森林サポーター活動を立ち上げた

樵(キコリ)・杣(ソマ)師の浅見和夫さんを取材したもの。


 

(​浅見和夫さんの紹介​ ☜click)

(​1/10まで見逃し配信 GYAO! 2:15:15あたり​ ☜click)
 

輸入木材に押されて、いま収穫(伐採)期を迎えている日本の人工林が危機に瀕しています。

特に杉は、価格的にも輸入材に十分対抗できるそうです。

しかも日本の気候で育ったものですから、日本の気候の中では輸入材よりも耐久性が高い。
 

家づくりには、建て主も施工者も、

意識をもって国産材の利用を促進したいものです。

それが持続可能な日本の国づくり、世界の​SDGs​にもつながるのですから。


さて、本題。

その国産の無垢杉を使って、昨日今日(1/4~5)と残っていた施工がありました。

ウッドデッキが、まだできていなかったのです。
 

3が日が明けてすぐ、まだ正月休み期間中だというのに、

我が棟梁、休み明けからの他所の建築現場に穴を開けられないと休日返上!

働き者の棟梁には、本当に頭が下がります。



とはいえ引き渡し後、年末年始をこの新築で過ごし、長男次男夫婦を迎え、

普通の家よりずっと高い床の勝手口からの出入りに往生していたので、

早めに施工してもらえるのはすごくありがたい!
 

昨日は整地、縄張り、

水平をとって束石の据付け。

さすがに束石は、石ではなくコンクリートの。

束石の周りをモルタルで固め、一晩養生します。
 

そして今日、運び込まれたのは、

年末に他所の建築現場での作業を終えた後に刻んだ、

すごく立派な杉の赤身材。
 


 

ウッドデッキだったら3寸(90mm)角かと思ったら、

普通の建売り住宅の柱になる3.5寸(105mm)角。

真っ赤な杉の芯材!
 

ウッドデッキの材といえば、ウリンやイペなど、針葉樹ならレッドシダーなど、

外材が当たり前と思っていませんか?

でも、国産材で十分耐久性のあるウッドデッキができるんですねぇ!
 

そのひとつで、リーズナブルなのが、赤身の無垢杉芯材。

ここで使ったのは隣の奈良県産、吉野杉です。
 

杉は芯材と辺材が紅白源平にハッキリと別れていて、

白い辺材は綺麗だけど生きている部分なので軟らかく栄養も水分も多く、

腐朽にも白蟻にもそう強くはない。
 

けれど赤い芯材は枯れて硬く、腐朽にも白蟻にも大変強い。

雨ざらしのところに使うには、腐朽に強いといわれる檜よりも強い。

なので通風のいい使い方なら、防蟻剤も防腐剤も保護材も不要です。


 

国産の樹木は、この国土の微生物や虫から自分の身を守るよう進化してきたのです。

しかも杉は日本にいくらでもあって、どこの都市近郊にもあって、比較的安価。

大量のエネルギーを浪費して遠い外国から運んできて高く買う必要はないのです。

・・・という棟梁の話しに大いに納得。

結局まったくの無塗装でいくことに!・・・なので、逆に永遠に塗り直しなし。

工業製品は一切使っていないので、補修も永遠に同じ材木と入れ替えるだけ。


 

今日の枚方の最高気温は9℃弱。曇りで陽射しも無いなか、

ようやく日暮れ後の5時半ごろ完成!

寒いなか、本当にお疲れさまでした。



表面は、手鉋でスベスベ。水切れも良さそう。
何よりも、足触りが気持ちいい!
思わず夏の夕涼みを想像しながら、寒いなか座り込んで佇んでしまいました。


この家は、外壁も無塗装の赤身無垢杉板。

今はまだ明るく派手な印象ですが、既にほんの少しずつ色が変わってきています。

1年もすれば次第にシルバーグレーに落ち着いてくるでしょう。
 

そんな経年変化も楽しみな、

国産無垢材の木組みのお家です。