一昨日10月19日(月)、待ちに待ったオーダー造作キッチンの搬入据付でした。
枚方の南どなり交野の日伸建設が在庫の無垢材をこだわりの家具職人に提供し、
北どなりの高槻の家具工房で製作されたものです。
8時頃には水道の職人さんが来ていました。
この日から、屋内の水道工事が4日ほどかかりそうとのこと。
キッチンやトイレや洗面台などに上下水道をつないだり、けっこう作業があるようです。
さあ、この壁、下半分の土壁も見納めです!
(引出しを抜けば、見えますが・・・。)
朝9時頃、家具職人さんの搬入車が到着。
天気予報どおり曇っていたのが、何かパラパラと・・・。
棟梁と一緒に急いで運び入れます。
据え付けは、基本的には置くだけなんですが、
製作した家具職人さん本人が自分でやります。
シンクやレンジの現場合わせがうまくいくか正直心配だったとのこと。
というのも、本体全てがレッドオークの無垢材。
しかも、木製造作家具といってもほとんどの場合ワークトップだけはステンレスなんですが、
これは天板まで全て無垢材。
シンクやレンジは市販品なんで新築現場に配送されていて、
家具工房ではカタログデータを元に加工しただけで、仮合わせをしていません。
それでも、さすが現場でピッタリはまって、覚悟していた現場加工は特になし!
このレッドオークの無垢材。日伸建設の親方が何年も前にコレっ!と仕入れて、
いつかくるかもしれない出番のためにずっと天然乾燥してあったもの。
すっかりカラカラで、もう狂いが出ることはないだろうという代物。
美しい柾目に更に見事な杢目(稀に現れる複雑な模様)が重なっています。
その表面にウレタンを混入したオイルで導管の目詰めをし、
さらにオイル仕上げをしてあります。
私たちは天然木の表面が汚れたり傷ついたりするのは「味」として肯定的に見ているので、
いっそ何も塗らなくていいと家具職人さんに言ってみたんです。
すると、導管は生きていたときに水を吸い上げていた管だから、
台所のような場所だと水がどんどん浸み込んでいくし、
鍋や包丁など鉄分がつくような所だと鉄分と木のタンニンが反応して黒くなってしまうから、
導管の目詰めだけは必須だと教えてもらいました。
引出しの前板も、美しい木目。
板の断面も、もちろん本物の木目。合板ならこうはいきません。
しかもこれも無垢材ならでは。正味、蟻組みをしてあります。
一般にシステムキッチンは合板やMDF(木質繊維板)でできているので、
ダボやステープルなどを差し込んでボンドで接着するだけで組んであります。
それがイマイチで、当初はタカラのホーローキッチンにしようかな・・・とも思っていました。
けれど、こうして造作キッチンができ上ってみると、やはり質感に格段の差。
印刷ではあり得ない本物の質感は、何にも代えがたいものがあります。
それが市販のハイグレードのシステムキッチンと価格的には大差ないそうです。
引出しの取っ手は、流行り(?)の黒いアイアンは好みじゃないと伝えておいたら、
棟梁が真鍮のものを選んでくれて、これが好みピッタリですごくイカしています!
このようなオーダー造作キッチンのできる工務店・・・。
ここにも、元請け大工の直営工務店との家づくりの醍醐味があります!
そう、これは完全オーダー品。私たちで自分たちの使い勝手を考え抜いて、
システムキッチンメーカー数社のショールームにも何度も通って、
イメージ画を自分たちで描いて、棟梁を通して家具職人さんと相談したものです。
レンジの下は、鍋類を置けるようにオープンのステンレスパイプ棚。
このキッチンの位置は玄関から見通せる位置の壁付けなので、
ゴミ箱をしまい込めるように、シンクの下は配管が見えないように食器収納引出しに・・・。
シンクの手前のデッドスペースを有効活用するというアイデアは、
何社かのハイグレードシステムキッチンを参考にしました。
で、このシンク。これもさんざん悩み抜いて見つけたもの。
シゲル工業のJS15スリーファンクションシンクです。
シンク内の2段のレールとアクセサリーで効率的な調理が可能というスグレモノ!
これも、最初は永大のスリーレイヤードシンクが気に入って、
他にも何社かのハイグレードシステムキッチンの似たような仕組みも検討して、
同様のことがオーダー造作キッチンでできないかとさんざん探した末に見つけたもの!
そして、もうひとつの市販品が、レンジ(コンロ)。
本当は直火派だったので、ガスコンロが良いと思っていたのですが、
ここは天井が無垢材のままで耐火天井を張っていないので、却下。
じゃあ、IHヒーター?
これは圧倒的にお湯が沸くのが早いなど、その利便性を今の家で知っているのですが、
電磁波の放出が酷いという問題を知ってから悩んでいました。
それで電磁波をキーワードにいろいろ調べていて見つけたのが、
「遠赤外線スーパーラジエントヒーター」という記事。
スーパーラジエントヒーター。簡単に言えば電熱コンロ。でも、ただの電熱器じゃない。
その特長はというと・・・
*IH調理器に比べて電磁波が極端に少ない
*遠赤外線で炭火のような調理ができる
*今までの調理器具が使える
*油ハネがほとんどないので掃除の手間が軽減される
・・・といったところのよう。
欠点はといえば、お湯を沸かすのに、時間がかかるということでしょうか。
サッとお茶を入れたいときには、ティファールなどが別にあった方が良いかもしれません。
あ、それと、かなり値が張る!
どうもヨーロッパではIHクッキングヒーターは少数派で、
ラジエントヒーターが主流なんだとか。
日本にも進出しているドイツの家電メーカーのミーレからも発売されています。
で、この造作キッチンに組込んでもらったのは、
ドイツ製の部品を使った日本のメーカーの、エムエフジー社のスーパーラジエントヒーター。
YouTubeの有名な住宅解説チャンネル ウェルネストホームのHPでも、
健康を守る家カテゴリーの記事で「スーパーラジエントヒーターとはなにか?」と
詳細に解説しているので、お墨付きと言っても良さそうです。
いずれにせよ、これの使い勝手は、実演会に参加して体験はしてみましたが、
実際の日々の生活のなかでのはまだ未知の世界なので、挑戦!といったところでしょうか。
ま、今のところは、期待しておきたいと思います。
それにしても、あらためて、どうでしょう! このワークトップ。
前述のように、ここは玄関から見通せるところ。
システムキッチンを「家具」と位置づけて考えたかったんです。
実際欧米ではそんな価値観でキッチンを捉えているようで、
画像検索をしてみるとほとんどが家具調。ステンレス製なんて、あまり見当たりません。
スウェーデン発祥のIKEAでも、そんなシステムキッチンが売られていて、
それも大阪・鶴浜店まで行って木製天板を見て、棟梁に相談もしてみたんです。
で、結局は、IKEAの部材は本物の木ではないこと、
本物の無垢材で家具職人に任せて高価なスーパーラジエントヒーターを組込んでも、
家の総額予算枠でできるとの日伸建設の判断で、こうなりました。
このあと、この白いアリアフィーナ社のイタリアデザインレンジフードGiglioが設置されます。
そして、吊戸棚も家具職人さんが手掛けてくれるので、これから詳細打合せです。
日本ならではの伝統構法の家の中で、この台所は、イタリア産のタイルも合わせて、
ヨーロッパのコンセプトを大幅に取り入れてみました。
合板と規格材で手っ取り早く建ててしまう2×4工法の国アメリカよりも、
木組み土壁の家にはクラフトマンシップが息づく石や煉瓦づくりの家のヨーロッパの方が、
親和性が高いと、このキッチンを目の当たりにしてあらためて感じています。
今週は大工作業は中断していますが、あのあと昨日(火)今日(水)と、
水道屋さん・電気屋さん・ガス屋さんなどが慌ただしく出入りし、
今日は仮設引込電線が撤去されてコンセントに直に電気が来ていました。
そんなこんなの細かい進捗は、次の稿で。