家の近くに万葉植物園というのがあるので行ってきました。
小さな公園ですが草木を植えその草木に関連する万葉集の歌碑が沢山置かれていました。
万葉集について色々考えました。
万葉集は日本最古の歌集です。
全20巻4500首もの歌が収められています。
万葉集は何故こうも心に素直に染み入ってくるのでしょう?
新古今集のような繊細で洒落た感じはありませんが人としての情がダイレクトに伝わってきます。
今も我々の心を打つ秘密は?
それは、作者層が天皇から農民まで幅広い階層に及び、詠み込まれた土地も東北から九州日本各地に至っているからではないでしょうか?
作者不詳、すなわち「詠み人知らず」の歌も多く残されています。
詠み人知らず
意図的に隠されたものもありますが、本当にどこのどなたかもわからない庶民の歌が天皇や支配階級と同じ様に収められている事にも心が動かされます。
これこそ我々日本人の持つハーモニー。和の心。
だからこそ1300年もの時を超え私達のDNAに語りかける力強さが万葉集にはあるのでしょう。
防人の歌にこんな歌があります。
父母が頭搔き撫で幸あれて言ひし言葉ぜ忘れかねつる。
両親が私の頭を搔き撫でて「無事であってくれよ」と言った言葉が忘れられない。
お父さんお母さんが旅立ちの時、息子の頭をクシャクシャになるまで抱き寄せて気をつけて行っておいでと言っている情景が目に浮かびます。
子を思う親の心境が痛いほど伝わってきます。
我が子の事と思うと涙が出てきます。
話は変わりますが私の母は書を嗜みます。
昔公園の歌碑の原書を頼まれたと母から聞いた事があります。もしや?いや違っても構いません。
母をこの公園に連れてきてやろうと素直に思いました。
名も知らぬ防人の思いが私の心を動かしてくれました。
歌の選者が後世に伝えたかったに違いない親子の情。
昨今の痛ましい親子の事件に思いはいたる。
児童相談所、学校は何をしていた?と責任問題や法の整備に躍起になる世間。
今こそ万葉の世に学び直しを求める時がきたのではないのでしょうか?
それこそが令和の教育、令和の子育てに求められるものなのではないでしょうか?
時代の先取りも大切ですが、だからこそ、古より大切にされてきた、日本文化への感謝と誇りを胸に学ぶ事を我々は忘れてはなりませんね。
奥深き万葉集に興味は尽きない。
こんだ直人教育研究所
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