久しぶりにセシルくんに会いに行った。
その他、いろいろ用事もあったんだけど。
セシルのオーナーさんは、ショーにとても熱心な方で
セシルを出すショーといえば北海道でも九州でも見に行ってしまう程。
彼は2ヶ月の頃から2歳半まで、
konanahんちと自分んちを行ったり来たりしていました。
この犬種は、心臓疾患が多いので、頻繁に健康診断をして、
一緒にリンクを走っていました。
頭数が揃わないので、頑張ってEXGに入賞しながら
CCを3枚取り、あと1枚ですね!と言う時
その当時、その犬種がスペシャルのハンドラーに、声をかけられ、
「アメリカでショーキャンペーンをさせてくれ」と言われたそうです。
オーナーさんは喜んで、そのハンドラーに託すことにしたんです。
ところが、アメリカ行きもなくなり、
そのハンドラーの元で、(何故か日本の)ショーに出続けること2年。
カードがあと1枚というところで、
先行き不安やトラブルが続き、裁判する!
というまでの大変な状態になっていました。
そして泥沼になりながら2年越しで、やっと家に帰ってきた彼は、
痩せこけて、コートもバシバシ、元気も気力もない感じでした。
「状態が良くなったら、あと1枚はaikoちゃん頑張ってね!」
「やっと自分の家に帰って来れたんだから、早く取りましょうね(*^▽^*)」
なんて言いながらも、
返してもらえた事の喜びでいっぱいでした。
当日?翌日だったかな、
おかしいと思い健康診断も兼ねて、獣医さんに行くと、
ストレスによる弁膜症、心肥大と診断され、
5段階評価(軽1~5重)の4。
「興奮したり、運動させるのは避けてください。
今日死んでもおかしくない状態です。」と言われたそうです。
そして今回、
帰って来た日に会ってから3ヶ月振りに、セシルに会いました。
思っていたより元気になっていて、安心しました。
でも、興奮して心拍数が上がると、倒れてしまうそうです。
ショーはもとより、外でのお散歩も控えなくてはならないみたい。
追いかけっこ大好きだったのにね。
私達ハンドラーは、大切な命を預かるお仕事です。
犬は「痛いよ」「苦しいよ」「トイレしたいよ」「お腹すいたよ」って、
普通は言ってくれません。
私達人間が小さい事から気づいてあげなければ、
大変なことになるんです。
悪意はなかったにしても、病気にしてしまったり、
怪我をさせてしまったり、最悪死なせてしまったり・・・
なってしまってからでは、取り返しがつきません。
その為には1頭1頭の、心の奥までしっかり見なければなりません。
私の元に来てくれる犬達のこと、
私はやっぱり何から何まで全て、
自分自身で見なければならないと、思い直したところでした。
その犬1頭1頭が、大切な子達だから
自分自身にその子達全ての事が分かっていられるように。
忙しかったからとか、しっかりしたアシスタントがいるから、
とかは、自分にとっての言い訳です。
何処かで妥協しなければ、大きなケネルにすることも、
アシスタントを雇って、たくさんの犬を扱うことも出来ないんだ。
って、よく言われるけど、
私の「犬部屋」という「ケネル」は、今のままで良いと思うんだ。
逆に、今以上の犬を扱うことは出来ないし、してはいけないと思う。
今でも時期によっては、犬達に負担をかけてる。
特に私所有の犬達にはね。
今日の日記はね、
そのハンドラーの批判ではないんです。
「私自身は絶対」とも、もう思っていません。
私も、どうにもならない失敗をしてしまう。
私がこの仕事を続けていくには、
まず自分が怖いという事を知ること。
私はそんな気がします。