第67話 運転免許【前編】
自動車の運転免許は18歳になると取得出来るという制度は長く続いております。通常であれば高校3年生の時にその資格を得る事になる訳でありますが、大学に進学する者の中でも取得状況はまちまちであります。誕生日の問題もありますし、高校を出た後、自宅が車無しでは不便な地域にあるのかどうかの問題、また本人の車への興味の度合いもあったもします。
一般的に大学進学者は「大学は比較的、時間の自由がある」という認識の下、大学に入ってから様子を見て取得しようと考える層が一定数、存在しました。大学に進学を希望しても、應援團への入門を希望する学生は限りなくゼロに近いので、大学に入学し應援團に入門した者は免許取得には苦労する訳であります。
團員の日常生活では当番という悪魔のシステムがありますし、先輩の都合で急な食事、飲み、麻雀等々もあり、早い話、下級生は自分の思う様に一日の予定を組めない訳であります。
團員にとって免許は所持しているに越した事はありませんが、必須ではありませんので、教習所に行くという事が早く帰れる理由として認められない傾向にあります。時間的にも金銭的にも余裕が出来る上級生になってから行きなさい、という訳であります。
そんなある年の事であります。兄弟校である学習院大学の関西在住の卒業生のゴルフコンペが神戸市内の有馬の某ゴルフ場で企画され、その幹事役を同校應援團OBの方が務める事になったのであります。そして我が團に対し「4、5名、下級生を貸してくれ」という依頼が舞い込んでまいりまして、当然ながら時の幹部は二つ返事で快諾したのでございます。
1ヶ月以上も先の話でありましたので、幹部はその旨を指示を出しますが、ここで問題が発生致します。何と1、2回生全員、運転免許証がない事が発覚したのであります。とは言え、免許を所持する上級生に運転手として同行して欲しいとも言い難いという事もあり、策を協議致します。【以下次稿】
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会