第68話 運転免許【中編】
ちょうど夏休み期間に入ろうかという時期でありましたので、1回生の1名に「至急、合宿形式の教習に参加せよ」との指令が出たのであります。合宿形式であれば最短で半月程度で免許が取得出来る為でありまして、何とか間に合う、という目論見であります。
集団生活には慣れておりますし、何としてでも短期間で取得せねばならないという使命感が強うございますので、免許取得までは特に困難を伴う事なく、事は推移致しました。また肝心の車輛も、神戸に実家がある別の1回生宅にあるのを借用する事で解決致しました。後は当日を待つばかりであります。
集団生活には慣れておりますし、何としてでも短期間で取得せねばならないという使命感が強うございますので、免許取得までは特に困難を伴う事なく、事は推移致しました。また肝心の車輛も、神戸に実家がある別の1回生宅にあるのを借用する事で解決致しました。後は当日を待つばかりであります。
さて、嫌な予感しかしない当日、1、2回生3名が免許を取得した1回生、実家の車を貸した1回生が乗って来る車を集合場所である大学で待っております。狭い道で車で来るであろう方向を向いて、到着を待っておりますと、想定外の方向から黒塗りのクラウンが待機している團員を轢かんばかりの勢いでやって参りました。何と一方通行を逆走して来たのであります。
運転手役の1回生以外、免許は持っておりませんので、当然の事ながら運転技術や道路法規に関して造詣の深い者はいない訳でありますが、さすがに違和感を感じざるを得ない独創的な運転に團員達は不安しか感じません。車線変更はおろか左右に曲がる時もウインカーを出している気配はありません。
運転手役の1回生以外、免許は持っておりませんので、当然の事ながら運転技術や道路法規に関して造詣の深い者はいない訳でありますが、さすがに違和感を感じざるを得ない独創的な運転に團員達は不安しか感じません。車線変更はおろか左右に曲がる時もウインカーを出している気配はありません。
神戸は東西に長く、また南北を分かつ様に六甲山系が東西に連なっておりまして、有馬はその六甲山を越えた向こうに位置します。エコノミーに行くなら標高900mを越える六甲の山を上って下るコースになるのですが、この運転技術では到底、辿りつけないであろう事は明白でありまして、2回生が自腹を切って直線が多い、トンネルを抜けて有馬に至る有料道路を利用する事にしたのであります。
これは賢明というよりは当然の措置でありまして、その甲斐あって目的地が見えて参ります。コンペの時間よりかなり早い時間でしたのでまだ車は少なく、待ち合わせをしていた宮崎駿風の學習院大學應援團OBの先輩と合流致しました。
これは賢明というよりは当然の措置でありまして、その甲斐あって目的地が見えて参ります。コンペの時間よりかなり早い時間でしたのでまだ車は少なく、待ち合わせをしていた宮崎駿風の學習院大學應援團OBの先輩と合流致しました。
【以下次稿】
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会