第32話 歯科医【後編】
翌日、その歯医者さんを推薦した下級生に
「お前、例の○○歯科ってホンマに名医なんか?」
と当然の疑問を投げかけます。すると下級生氏は怪訝な顔をして
「先輩、歯石は取ってもらいましたか?」
と尋ね返します。
確かに、先生が治療に行き詰ったのか、途中で助手の方に指示し歯石を取ってもらった事を思い出します。その旨を伝えるや急に下級生氏、破顔一笑し
「先輩、あそこの助手さん、胸が大きかったでしょ?しかも下手やから動き回って…ムフフ」と言う始末。
つまり巨乳の助手嬢が歯石を取る際、腕がイマイチな為、色々と態勢を変えつつ悪戦苦闘する際、顔が胸で圧迫されるのがたまらない、という訳なのであります。
「それがなければ、純粋に医療として考えた場合、はっきり言ってあそこはヤブであります」
と言うのですから歯が痛いのも忘れ開いた口が塞がりません。
「お前、普通、エエ医者と言えば医療技術が卓抜している医者の事を指しとるんは常識やろ!」
と怒る團員氏。
「押忍、先輩の事ですから、ああいうサービスがある医者の方が喜ばれるのではないかと思いまして…」
と言い訳する下級生氏。
そのやり取りを耳にした團員氏の上級生は
「下級生が咄嗟にそう判断してしまうお前の生活態度が最大の問題や」
とのごもっともな指摘でこの件は一件落着。しかしその指摘をした上級生が本奇團第2話 の主人公である事は余り知られておりません。
その後、團員氏が主治医を変えた事は言うまでもありません。
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会