かつて我が團が活動しておりました時、團内或いは体育会の友好団体を交えての宴が定期的に催されておりました。神戸の中心地・三宮で開催される事が多かった様に思いますが、会場のお店の前で下級生團員がズラリと整列し、先輩方が来られると全員で「押忍」の大合唱で挨拶するのが一種、街の風物詩となっていた感があります。
しかしながらややこしいのがOB総会を始めとするOBが絡む宴でありましょう。お店の前で幹部以下全員が整列して出迎えをする訳ですが、事務局を預かる先輩方や雑用を頼まれている若手OBは開始時間よりかなり早く登場されます。先輩方が来られると幹部や3回生は会場に先に入り、段取りの打合せや準備を仰せつかったりする訳でありまして、徐々に出迎えは1、2回生ばかりになって参ります。
出迎えと一口に申しましても、これがなかなか難しいのであります。團内であれば雲上人である4回生幹部と言えども、團室や諸行事で会う訳ですし、第一、目立つ学ランを着用しておりますので、人混みの中、識別する事はそう難しい事ではありません。
しかし現役時代は鬼、悪魔、鬼畜と呼ばれていた方も社会に出れば一般人に溶け込んでいる事が多うございますので、お店の前を往来する方の誰がOBなのか分からないのであります。無論、團室を頻繁に訪ねて来られる様な方なら分かるのでありますが、OB総会程度しか顔を出さない、という方ともなれば、総会を1回しか経験していない2回生でも識別は困難なのであります。
「この人は目付きがタダ者ではない」と思えば「押忍」、「この貫禄はOBに違いない」と思えば「押忍」と言った感じになってしまうのであります。OBと気付かず欠礼するよりは、間違っていても挨拶をした方が良いと考える下級生心理であります。
OB総会開始直前ともなれば会場の中も外も仕事は沢山ある中、出迎えは下級生で十分と考える訳ですが、やはり1名はOBの顔をよく知った上級生が付いて、的確な指示を出さねばならないのでありましょう。
これから飲みに行こうかと街へ繰り出したところ突然「押忍!」と言われ驚かせてしまった多くの方にこの場を借りてお詫び申し上げる次第でございます。
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会