第24話 大山鳴動(前編)
何かの本で九官鳥を飼うとモノマネ上手なこの鳥が鳥籠を取り巻く環境の日常を赤裸々に暴き立てるという記事が載っておりました。これを読んだ某幹部。知人が自宅で九官鳥を飼っている事を忽ち思い出します。しかも以前に帰省したり旅行したり等でしばらく家を空ける時は、幹部氏に預かってくれないかと打診を受けた事も再々あります。
こうなっては居ても立ってもいられない幹部氏、知人氏に連絡ししばらく九官鳥を預かりたいと申し出るのでありました。
さて、しばらくすると幹部氏、鳥籠片手に颯爽と團室に登場します。「知り合いにどうしても、と頼まれてのぉ」と大ボラを吹き、團室の隅に鳥籠を嬉々雀躍と設置します。
九官鳥はデリケートな鳥でありますので、日々の餌水やりや鳥籠の掃除等について当番責任者に説明し、九公の團室暮らしが始まったのであります。
團規約にペットを飼育してはならないという定めはないものの、小鳥を愛でる團員がいるとは思えませんでしたが、飼い始めてみるとこれが実に可愛いのであります。團室に團員が入って来ますと「押忍!」と挨拶してくれますし、意味もなく唐突に「ごっつぁんです、ごっつぁんです」と鳴き出すものですから、何かの事情で團室の空気が張りつめておりましても、九公の一声で忽ち場が和むという事もございました。【続く】
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会