業界用語【中編】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

寿司屋ついでに申しますと、お茶の事を「あがり」と呼称し、退店する前に「大将!あがり」などと言ったりもしますが、これも本来の意味からするとおかしいのであります。元々吉原などの遊廓で、お客が来ると「お上がりなすって」と言って、お茶を出す習慣があった事に由来するそうなのですが、お客がお店の人に「あがり頂戴」と言うのは主客転倒になる訳であります。変に通ぶらずに「お茶下さい」で良い訳でございます。


TVの中にも罠は沢山ありまして、ありがちな陳腐な刑事ドラマのワンシーンで「ムショから出てきたばかりなのに、サツに追われてる」などというものがありますが、現実にムショだのサツだのと言っている人を見かける事はまずありません。

無論、言葉でありますから、地域性の問題はありますが、少なくとも我々が棲息する近畿圏ではまず使いません。
ムショ→チョーエキ(懲役)
サツ→◯◯県警(府警)、××課、△△斑
など、と一般単語に限りなく近いものを使用する傾向にあります。例えば私共は神戸に本拠がある訳ですので、単に県警と言えば兵庫県警を指し、府警と言えば大阪府警を指す事になります。それ以外の地域の場合は正式に京都府警とか奈良県警と呼称しますので、相手にも正確に伝わる訳であります。

一流どころになりますと同じ人間に対して別々の容疑で様々な警察組織が捜査を進めていたりするものですから、追っているのが何県警かが分かれば自ずと察しがつく、という寸法であります。

故に相手を威嚇しようと「オレはムショ帰りだ」などと言おうものなら、恐れ入るどころか失笑を買うだけなのであります。これなどはTV情報鵜呑み症候群と言えます。


言葉の問題が奥が深いのであります。


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