優等生は「若」様(2) | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

前回の屈辱の玉砕テストより半年の歳月が流れ、後期試験の季節と相成ります。團員氏、試験が近づきますと、気持ち良く苦労の結晶であるノートを入手すべく、勤勉氏に接待攻勢をかけたり致します。

とは言え学食で團員の特権、てんこ盛り天津飯200数十円也、下校途中の酒屋の店先で缶ビール&焼き鳥の缶詰セット300数十円也、といったものでありますが、しばし大学生らしい会話に花を咲かせるには充分でありました。

そんな下心見え見えの團員の振る舞いが微笑ましかったのか、勤勉氏、自らのノートを全て團員氏に提供し、團員氏は勤勉氏と共通の講義に関しては単位が取得出来たのであります。


そんなこんなで始まった交友でありますが、勤勉氏、見事なまでに勤勉でありまして、朝から夕方まで全ての講義の受け、空き時間があれば図書館にいたりします。そして全ての講義が終わればさっさと帰るのであります。クラブ、サークルに入っている訳でもなく、さりとて学内に特に親しい友人がいる風でもなく、お節介な團員氏は「あいつは大学生活が楽しいんやろか??」と大きなお世話を焼く様になります。


帰り道に立ち飲み屋に連れて行ったり、麻雀をしたり、と色々、試みるのでありますが、基本的にノートを借りるという頼み事をする立場という事と、生来の格好をつけたがる性質の下、團員氏が支払いをさっさと済ませるのが常でありました。

ある時、飲み屋の支払いの段で、割り勘を強硬に主張する勤勉氏の財布から9枚の1万円札を1万円札で挟み込んだ10万円セットが團員氏の目に飛び込んで参りました。


確かに良く見てみると身なりは非常によろしく、年がら年中、学ランで過ごす團員氏が疎いのは無理ありませんが、どこかの店で勤勉氏が持っていた鞄が話題になっていた事をふと思い出したりします。

はたまた練習中にベルトが切れてしまい、途方に暮れていると、たまたま近くを通りかかった勤勉氏から強引にベルトを借りたところ、ベルトにはHERMESと書かれてありましたが「へるめす…?」と首を傾げる有様。周囲の團員の教養ももう一つで「ヘルペスみたいで冴えんのぉ」と言う始末であります。


八代目甲南大學應援團OB会広報委員会