團員にとって最大の敵は前期・後期のテストであります。下級生であればある程、團室の当番、團務で授業には余り出席出来ませんので、いざテストとなれば結果は推して知るべし、という訳であります。
1回生の最初のテストで「これでは1単位も取れないかもしれん!」と現実の厳しさを知り、一夜漬け学習、カンニングペーパー作成等々、様々な手を講じるも、志半ばに挫折。結局、優等生が隣に座る事を祈りつつ当日を迎えたものの、隣の席は嫌という程よく知っている少林寺拳法部の同期だったりしまして、お互い白紙の答案用紙を覗き込み合った挙句、試験終了後には「何でお前が隣やねん!」と世にも見苦しい取っ組み合いが始まる始末。「我、玉砕セリ」の知らせが團室で交錯するのも当然の帰結でありましょう。
今は分かりませんが、昔の大学には麗しい慣習がありまして、試験結果の良し悪しはともかく、日頃、真面目に学習している学生は救済しようという先生が結構いらっしゃるのです。例えば講義の度に出欠を確認し、出席点を試験結果に加味したり、講義の際に控えたノートをテストの際に持ち込んで良い等の措置であります。
出席点は望むべくもありませんが、ノートなら何とかなるかも、と考えたある團員。自らが講義でノートをとらずとも、ノートを取っている学生と友達になれば良い、という安直且つ短絡的な発想であります。
早速、隙を見つけて講義に少しだけ顔を出したりしまして、サンプリングした講義全てに出席している勤勉な学生を探します。果たして格好のターゲットがおりまして、あの手この手でアプローチを試みます。
考えてみれば丸坊主に学ラン姿の團員が愛想良く声をかけてくる訳ですから、怪しい事この上ありません。高価な壺や印鑑なんぞを売りつけられるかも?はたまた、ネズミ講か?などと訝しまれても止むを得ません。
しかしそこは学生同士のこと、次第に親しく話す様になりまして、團員氏は当初の目的を達する事になります。【続く】
八代目甲南大學應援團OB会広報委員会