「こいつは途方もない家の御曹司ではないか…」とようやく気付く鈍過ぎる團員氏。例のエルメスのベルトも返却しようとしても「「無いと困るやろ」と固辞したり致します。今さらながら無理やり連れて行った店で正体不明のホルモンの煮込みやトンソクを「どや、美味いやろ?」と自慢気に薦めたりした事が悔やまれてなりません。
そんな勤勉氏も2回生になりささやかな楽しみを見つけます。大学から阪急岡本駅までの間に小さなゲームセンターがありまして、通常1ゲーム100円のところ50円で遊べるのであります。彼なら自宅にゲーム機を設置する事も不可能ではない筈ですが、何故かこの店が気に入っておりました。
さてこのお店、大学から近いという事もあって店番のバイトは、伝統的にあるクラブの部員が交代で行っていたのでありますが、ある時、そのクラブの親しい部員から「お前の友達、たまに不良高校生にからまれてるで」と團員氏は知らされます。たちまち怒りに燃える團員氏。
とは申せ團務を抜けてゲームセンターに張り付く訳にもいかず一計を案じ先輩に「ゲームセンターで我が校の生徒が恐喝の被害に遭っているという情報がありますので、パトロールに行かせて頂いてよろしいでしょうか?」と申し出ます。無論、事実でありますので、音に聞こえた武闘派の上級生も「それは聞き捨てならぬ事態。親衛隊を動員し、風紀粛清に挺身せよ」との公式命令に相成るのであります。
八代目甲南大學應援團OB会広報委員会