本山村怪々奇團【19】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

第19話 白紙


現在、本ブログで「リーダー部列伝 」で連載中の中村團長の治世下での学園祭に纏わるエピソードであります。
リーダー部列伝でも書かせて頂いた通り当時はバブルで沸く只中にありまして、我が校でも学生数が増え、学内ではサークルが急激に増加しておりました。「甲南のテニスサークルはモテる」などと云う風説を真に受けた盛りがついた男子学生は「甲南に入った以上はサークルに入らねば、重大なる損失である」とばかりにこぞってこれらのサークルに入り活況を呈していたのであります。


学園祭になれば、キャンパス内に模擬店が多数、出店されるのですが、上記の様な状況でありますので、出店を希望する団体が爆発的に増え、遂にはスペース的に出店可能な店数を、出店希望の団体数が上回るという事態が発生したのであります。


そこで主催者側はくじ引きで出店者を決めるという方式を通達して参りました。模擬店が出店出来る3日間、それぞれの日に対して希望者はくじを引き、当選ならば出店する場所を表した数字が書かれてあり、はずれなら白紙、という仕組みでございます。


我が應援團では学園祭の模擬店に関しては、1、2回生で行うというのが伝統になっておりまして、出し物や価格設定まですべて一任されます。故にこの出店場所を決めるくじ引きにも2回生團員が出席致しました。

このくじ引きに送り出されたのが当時、2回生の中で「あいつは何も考えとらん」と上級生の頭痛の種であった男でありまして、そのせいかじゃんけんでは無類の強さを誇っておりまして、「あいつなら間違いない」と上級生も安心して送り出したのであります。


この稿に登場するだけに結果は皆様、お察しの通り3日のうちの1日、白紙をひいたのであります。さすがにこの男でさえ、白紙=その日は店が出せない、という等式を瞬時にして理解致し、それがどういう結果を引き起こすかは分かった様でありまして、他の同期の團員達と團室の前でどう先輩方に報告するか、結論が出ない議論を続けていたのでありました。


八代目甲南大學應援團OB会広報委員会