玩具の様に小さな
緑色の電車に乗って
コトコトと海辺の街を行く
ねだられてその気になって
袖を通した紅花紬
ほら いつもとは違うの
ゆっくりじゃなきゃ坂道は登れない
神社の境内でささやかな小休止
鳩の形の焼き菓子を半分に割って
あたまはあなた しっぽはわたし
バターの香りがほろほろと溶ける
木々よりも先に色づいた
八卦に気付いてくれたかしら
歩くたび ちらりとのぞく
足元の銀杏色に
人に記憶があるように
木々も記憶を持つのなら
千年の時を越え
新たに芽吹いた若木よ
私たちの未来を
どうか留め置いてください
色を変え 葉を落とし また茂る
螺旋の営みのなかに